上田市議会 > 2018-02-27 >
06月12日-一般質問-03号

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  1. 上田市議会 2018-02-27
    06月12日-一般質問-03号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    平成30年  6月 定例会(第2回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)生ごみの減量化に向けた政策について   (4)市政について   (5)市政について   (6)人口減少社会における持続可能な市政のあり方について   (7)上田市立地適正化計画について   (8)市政について   (9)すべての子どもが笑顔で幸せに暮らせるまちづくりについて   (10)市政について   (11)市政について   (12)市政について   (13)市政について   (14)市政について   (15)市政について   (16)市政について   (17)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(9)まで                                              出席議員(30名)    1番   石  合  祐  太  君     2番   斉  藤  達  也  君    3番   金  井  清  一  君     4番   中  村  悠  基  君    5番   松  尾     卓  君     6番   成  瀬     拓  君    7番   齊  藤  加 代 美  君     8番   井  澤     毅  君    9番   林     和  明  君    10番   佐  藤  論  征  君   11番   金  子  和  夫  君    12番   原     栄  一  君   13番   宮  下  省  二  君    14番   飯  島  伴  典  君   15番   山  田  英  喜  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   古  市  順  子  君    18番   小 坂 井  二  郎  君   19番   土  屋  勝  浩  君    20番   松  山  賢 太 郎  君   21番   西  沢  逸  郎  君    22番   尾  島     勝  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   池  田  総 一 郎  君    26番   南  波  清  吾  君   27番   池  上  喜 美 子  君    28番   半  田  大  介  君   29番   久 保 田  由  夫  君    30番   渡  辺  正  博  君                                              説明のため出席した者     市    長   土   屋   陽   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   北   沢   健   治   君     政策企画部長   柳   原       渉   君     総 務 部 長   神   代   芳   樹   君     行政管理課長   海   瀬   寿 美 男   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民参加協働   小 宮 山       剛   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   大   矢   義   博   君     農 林 部 長   中   澤   勝   仁   君     都市建設部長   翠   川       潔   君     消 防 部 長   松   井   正   史   君     丸子地域自治   手   塚       明   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   宮   正   久   君     セ ン ター長     武石地域自治   石   井       淳   君     セ ン ター長     会 計 管理者   山   崎   完   爾   君     上下水道局長   竹   花   国   雄   君     教  育  長   峯   村   秀   則   君     教 育 次 長   中   村   栄   孝   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    任   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(小林隆利君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(小林隆利君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第3号、市政について、佐藤論征議員の質問を許します。佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 皆さん、おはようございます。それでは、議長より許可をいただきましたので、通告いたしましたとおり、市民意見募集パブリックコメントについてと、外国人観光客誘客、インバウンドについて質問を進めてまいります。 まず初めに、パブリックコメントでございます。市の基本的な政策に関する計画等を策定する際に、その計画等の案を公表し、市民の皆さんから意見を募集する市民意見募集、いわゆるパブリックコメントは、提出された意見等を市は考慮し、計画等の案に反映できるか検討した上で最終的な意思決定を行い、意見の概要とこれに対する市の考えなどを公表するものであります。 これまでも上田市においてはパブリックコメントを実施していたわけでございますけれども、これまでパブリックコメントに関する基準がなく、計画等の対象範囲や公表方法、募集期間等について統一が図られておりませんでした。このため、第三次上田市行財政改革大綱アクションプログラムの中で、市民意見公募の制度化によって市民意識の増加や政策への反映と、より有効な制度として機能することを成果目標とし、市民意見公募の制度化を取り組み項目として掲げ、平成30年度制度制定、周知を取り組み計画としており、本年2月27日に上田市議会へ情報提供がなされたところでございます。 本年4月1日から上田市市民意見募集手続に関する要綱が定められ、統一した基準で運用されることとなりました。これは、行財政改革、そして市民意見を重視する観点から非常に評価すべきことであります。今回要綱制定に当たりパブリックコメントについて質問を進めてまいります。 まず、上田市市民意見募集手続に関する要綱制定に当たっての考え方についてお尋ねいたします。パブリックコメントの制度制定状況は、総務省が平成27年3月に発表した平成26年度の統計で、都道府県で97.9%、政令指定都市で100%、中核市で100%、特例市で97.5%、そのほかの市町村で52.1%が制度を制定しております。このような状況の中でパブリックコメントを条例化している団体もございます。 そこで、まず1点目として、上田市は今回条例とせず、要綱としたことの意図は何か。 2点目として、上田市の要綱では募集期間を30日以上と設定しておりますが、設定の根拠は何か。ただ単に行政手続法を見習ったものなのか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) おはようございます。パブリックコメント制度についてご質問をいただきました。ご答弁申し上げます。 平成23年4月に制定された上田市自治基本条例、この第28条には、意見等の公募として、行政に関する事項について市民の意見等を公募するよう努め、提出された意見等を尊重し、意思の決定を行うとともに、その意見等の概要及び市の考え方を市民に公表するよう努めると規定されております。また、第二次上田市総合計画におきましても、自治基本条例に規定する意見等の公募として、パブリックコメントなど市民意見の反映に係る広聴体制を見直し、市政に対する多様な主体の参加機会の拡充を図るとしております。 まず、条例ではなく要綱とした理由でございますが、本要綱は条例化が必要とされる市民に義務を課し、または権利を制限する内容ではなく、先ほど申し上げました自治基本条例第28条の規定に基づいて行政内部の意見募集手続に関する事務の執行基準を統一することが目的でありましたことから、要綱として制定したものでございます。 なお、長野県や県内他市の制定の状況でございますが、県が指針、長野市や松本市など12市が要綱、そして大町市が要領での制定、5市が未制定となってございます。 次に、募集期間の設定につきましては、県や県内他市の状況を見ますと、県、それから松本市など6市が30日以上、長野市など4市が1カ月程度、飯田市など2市がおおむね1カ月、駒ヶ根市が3週間以上と各自治体によりさまざまでございます。 上田市で募集期間を30日以上と設定した根拠でございますが、議員ご指摘の行政手続法の規定のほか、県の指針などを参考にしながら、市民の皆様が公表された計画等の案の内容を理解し、意見を提出いただくための一連の期間として最低でも1カ月が必要と判断したものでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) それぞれご答弁をいただきました。 次に、これまでの上田市におけるパブリックコメントの状況の検証も兼ね、上田市市民意見募集手続に関する要綱制定前の提出意見についてお尋ねいたします。これまでに実施されましたパブリックコメントの実施状況については上田市のホームページ上で公表されております。前年度の平成29年度の状況を見てみますと、1年間の計画等の案10案件に対し、提出意見数ゼロ件が4案、意見提出のあった案については、それぞれ提出者3名、提出意見9件、提出者4名、提出意見11件、提出者2名、提出意見7件、提出者7名、提出意見20件、提出者4名、提出意見18件の実績であり、いずれもそれほど提出意見が多くない上、特に提出者の人数についてはいずれも少ない状況であります。 そこで、まず1点目として、これまでの提出意見数の状況と提出意見数ゼロの計画等の案はどれくらいの割合か。 2点目として、意見提出方法として郵送、ファクス、電子メール、窓口提出とされておりましたが、意見提出者の年齢層と提出方法はどのようであったか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) 要綱制定前の意見提出の状況といたしましては、平成27年度から平成29年度までの3カ年の状況になりますが、25の計画案に関して意見募集を行い、93の個人及び団体から計235件のご意見を頂戴しております。 意見提出がなかった割合でございますが、25の計画等の案のうち意見提出がなかったものは8案件で32%となっており、約3分の1の案件で意見提出がなかった状況でございます。なお、意見提出があった計画等の案のうち最も少なかった意見の数は1件、最も多かった意見の数は65件でありまして、意見提出数にかなりの差異がございます。 次に、提出者の年齢層につきましては、意見募集に当たっての記入用紙に年齢の記載欄を設けてございませんので、把握はいたしてございません。また、93の個人及び団体からの提出方法につきましては、郵送10件、ファクシミリ30件、電子メール43件、担当課への直接の持参10件でありまして、ファクシミリと電子メールによる提出が約8割を占めている状況でございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) それぞれご答弁いただきましたけれども、今のご答弁を踏まえまして次の質問に移らさせていただきます。 上田市市民意見募集手続の周知についてお尋ねいたします。先ほども申し上げましたが、第三次行財政改革大綱アクションプログラムの5年後の改革達成形態、成果目標として、市民意見公募の制度化によって市民意識の増加や政策への反映等、より有効な制度として機能するとしておりますが、今回の要綱制定により確かに募集期間がこれまでより長くなるなど、市民の皆さんが意見提出する環境は以前より大幅な改善がなされ、評価できるところではありますが、この要綱を制定しただけでは成果が期待できるものではないと考えます。第三次行財政改革大綱アクションプログラムの平成30年度取り組み計画にも周知が含まれておりますが、多くの市民の皆さんからの意見提出と提出された意見の内容の充実は、やはり周知の取り組みが重要になるものと考えるところであります。 そこで、1点目といたしまして、これまでパブリックコメントを実施していることを知らなかった、あるいは制度自体を知らなかった方に対し認知度を上げることが重要と考えますが、市の見解はどうか。また、認知度を向上させるのにどのように周知をしていくのか。 2点目として、意見が提出されたとしても、提出意見は上田市のみならず多くの団体でも同様の状況でありますが、提出意見は個人の要望や質疑を含むような意見が少なからず見受けられます。市民の要望把握としては必要な面もあり、重要ではありますが、政策への反映に有効な意見が多く提出されることが重要であります。パブリックコメントの認知度を向上させるとともに、パブリックコメント制度の内容を正確に理解していただくことも重要であると考えますが、市の考えはどうか。また、どのような手段をもって改善を図っていくのか。 以上2点をお尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) 市民意見募集手続は、市の重要施策などを定める過程において市民の皆様が意見を述べる機会を確保し、その意見を市の政策に反映することによって参加と協働による自治を推進することを目的といたしております。一方で、先ほど申し上げましたとおり、これまで実施してきました意見募集においては、8つの計画等の案で意見提出がゼロ件でありましたことから、今後上田市の住民自治を推進していくための新たな制度化を機に、市民の皆様が広く市政に意見を出すことができ、また提出意見が反映され、市政に参加できる仕組みとして日常の中に組み入れていただくことが必要であり、議員ご指摘のとおり、意見募集手続制度について広く周知を図りながら市政参加への関心を高めていくことが大変重要であると考えております。 市ではこの制度の周知の方法として、4月1日号の「広報うえだ」に制度の概要や募集手続の流れについて掲載し、また市のホームページにおきましても、トップページの市政トピックス欄市民意見募集手続の項目を新たに設けて周知に努めてまいりますが、今後行政チャンネルを活用した効果的な周知につきましても進めてまいりたいと考えております。 また、意見募集に当たっては、この要綱にのっとり、計画等の案や実施スケジュール、公表場所などについてホームページへの掲載、担当課や行政情報コーナー、各地域自治センターでの閲覧により公表いたしますが、あわせて「広報うえだ」への今後の実施予定の掲載やプレスリリースなどの広報媒体を活用しながら広く周知を進めてまいりたいと考えております。 次に、提出いただきましたご意見につきましては、担当課において取りまとめをして、その内容を考慮した上で計画等の案に反映できるか十分に検討し、市として最終的な意思決定を行うこととしております。議員ご指摘のとおり、提出していただきましたご意見の中には要望や質疑を含む意見が少なからず見受けられます。匿名の場合や計画等の案にかかわりのないもの、賛否の結論のみを示したものを除き、原則として提出されたご意見に対しましては市の考え方をお示しすることとしております。 政策決定に有効な意見を多く提出していただくためには、この制度が自治基本条例の基本理念である参加と協働による自治の推進に基づく市政への市民参加制度の一つであり、市民の権利として自発的かつ主体的に市の政策の立案等の意思決定にかかわることができる制度であることを十分にご理解していただくことが重要でありますことから、市民の皆様の貴重なご意見を市政に反映させることができるよう努めるとともに、ホームページや行政チャンネルなどの活用や市民を対象とした研修会などを通して理解を深めていただけるよう周知を図ってまいりたいと考えております。 また、市といたしましても、計画等の策定過程における行政の透明性を高める観点からも、意見募集の結果を公表するに当たり、提出された意見を計画等の案に反映した場合には、当該修正内容について明示するとともに、反映されなかった場合でもご意見に対する市の考え方を丁寧に説明し、応答責任、説明責任を果たしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 制度制定後の取り組みといたしまして認知度を上げることはパブリックコメントを行う上で非常に重要な点であります。周知については今年度の取り組み計画となっております。要綱が生かされるよう着実な計画実行を期待するところでございます。 次に、計画等の案の公表についてお尋ねいたします。計画等の案の公表については、誰にでもわかりやすい内容で公表されることが重要であり、わかりやすい内容の公表により意見の提出が促されるだけでなく、意見を提出しないまでも、計画等の案の内容について市民の皆さんが知る機会をふやすことともなります。 そこで、まず1点目として、わかりやすい内容の公表が提出意見数の向上などに有効と考えますが、公表の工夫などについての考えはあるか。 2点目として、今回の上田市市民意見募集手続に関する要綱において、資料として、1、計画等の案を作成した趣旨、目的及び背景、2、計画等の案の概要、3、計画等の案に関連する資料をあわせて公表するとしておりますが、これらの資料は各部局で作成となると思われますが、統一性を持ってわかりやすい資料とすることが前提と考えますが、統一性をどのように担保していくのか。 以上2点お尋ねをいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) この制度の運用に当たっては、職員用に作成しました事務処理マニュアルに従いながら担当課で資料等を作成しておりますが、公表する計画等の案につきましては、ページ数が多く、掲載内容も多量でわかりづらいことから、議員ご質問のとおり、附属資料として計画等の策定の趣旨や目的、背景を記した資料、計画等の案の概要、その他の関連資料の3種類の資料を必ず添付するよう担当課に義務づけているところでございます。 内容につきましては、市民参加・協働推進課と広報シティプロモーション課への合議を義務づけており、市民への周知内容、添付資料などのチェックを重ねる中で、資料のわかりやすさ及び統一性をさらに高めながら全庁的に担保できるよう運用してまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕
    ◆10番(佐藤論征君) 次に、上田市市民意見募集手続に関する要綱制定の効果の検証についてお尋ねいたします。 まず1点目として、今回上田市市民意見募集手続に関する要綱が制定されたことにより、要綱制定の効果の検証の観点から、提出意見数の目標設定の考えはあるか。パブリックコメントについては計画等の案によって意見が提出されにくい案件があったり、その特性上、意見募集時期は最終的な意思決定直前であり、最終段階での意見募集となるため、計画等の案も熟度が高いこともあり、意見が出にくい傾向があり、意見数をふやすことが難しいのは承知しているところではありますが、検証という意味で意見数をふやす観点での考えをお聞きいたします。また、そのほか今後の検証の方針をどのように考えているか。 2点目といたしまして、提出意見についてはそれぞれの部局で取り扱われ、政策への反映等が図られると思われますが、提出意見の取り扱いの検証については、一元化して統一性を持って検証、評価し、今後の改善に生かす必要があると考えますが、検証については各部局に委ねるのか、もしくは市民参加・協働推進課で一元的に検証を行うのか、お尋ねをいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) この要綱による市民意見の募集に当たっては、できるだけ多くの意見が提出され、有効な意見を反映できるよう余裕あるスケジュール設定を行うとともに、計画等の案も最終案ではなく、修正可能な案を公表することとしております。また、これまでも市民意見募集手続だけでなく、アンケート調査や審議会の設置、市民説明会の開催などさまざまな手法により市民意見の聴取に努めてまいりました。市民意見の聴取は意見数の多さのみで判断はしがたいものと考えており、意見の内容により判断すべきと考えられますことから、現時点におきましては目標の設定は考えてございません。 しかしながら、先ほども申し上げましたとおり、政策決定に有効な意見を提出していただき、これを反映していくことが目的でございますので、適時検証を行いながら市民の皆様にとってわかりやすく、意見を出しやすい制度となるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 次に、検証方法についてでございますが、提出された意見につきましては、計画等の案を起案した担当課において取りまとめ、計画等に反映できる場合は計画等の修正案を検討し、反映できない場合につきましては、意見に対する市の考え方を公表することとしております。担当課でまとめた修正案や市の考え方につきましては、最終的に庁議で承認され、意思決定が行われることから、提出意見の取り扱いは庁内で一元的に検証されております。要綱を制定して間もないことですので、制度運用を蓄積する中で適時検証、評価し、今後の改善に生かしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 提出意見の検証というのは非常に難しい面があろうかと思います。部長のご答弁ですと、意見の内容で判断したいということでしたので、その点十分検証を行っていただきまして政策に反映していただければなと思うところでございます。 次に、情報通信技術、いわゆるICTの活用についてお尋ねいたします。パブリックコメントの性質上、あるいは今回の要綱制定により募集期間が長くなったことから、広報紙などでの公表では継続的に公表しにくい面もあり、やはり上田市のホームページ上などで公表することが有効な手段であり、将来有効性がさらに高まる上、先ほどご答弁でもございましたが、年齢層の統計はとっていないということでしたが、若年層への公表にもつながるのではないかと考えるところでございます。 そこで、ホームページ、メールのさらなる活用、スマートフォンでも活用しやすい環境を構築した公表並びに意見提出が容易にできるような取り組みが必要と考えますが、見解はどうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 小宮山市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 小宮山 剛君登壇〕 ◎市民参加協働部長(小宮山剛君) 意見募集の対象となる計画等の案の公表につきましては、現在ホームページへの掲載と担当課窓口などでの閲覧により行っております。スマートフォンによる公表内容の閲覧も可能ではございますが、掲載している計画等の案の全体量が多いため、スマートフォンの小さな画面での閲覧には適さないものと考えております。やはり公表内容の確認につきましては、パソコン、タブレットをご利用いただきたいというふうに考えております。また、パソコン等を利用できない市民の皆様には、直接担当課等での閲覧をお願いしてございますが、ご希望であれば紙ベース等による配布を行うなど、配慮に努めてまいりたいというふうに考えております。 なお、意見の提出方法として約5割の方が電子メールを利用されていることから、ホームページ内にスマートフォンでの入力も可能な担当課直結の入力フォームを設置し、意見を提出しやすい環境づくりに努めているところでございますが、より意見提出が容易となるよう、市民の皆様のニーズに合った方法について今後も検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) ここまでパブリックコメントについて詳細な部分までお聞きをいたしました。 いずれにいたしましても、このパブリックコメントについて要綱制定はスタートラインでございます。市民意見を捉える上でより精度を上げた取り組み、そして先進的な取り組みとなるよう期待を申し上げるところでございます。 次に、外国人観光客誘致、いわゆるインバウンドについてお尋ねしてまいります。まず、上田市におけるインバウンドの状況についてお尋ねいたします。 まず1点目といたしまして、以前インバウンドに関しましては一般質問でも質問させていただきましたけれども、その際外国人宿泊者数などから見ると、全国、県内ほか市町村と比較いたしますと、上田市を訪れる外国人観光客数の伸びが低い状況にありましたが、その後改善は図られているのか。 2点目として、市内中心部などにおいては外国人観光客を多くお見受けするようになりましたが、外国人観光客の集客が伸びている施設はあるのか。また、その外国人観光客を市内の別の観光地、観光施設へ誘導する戦略の考えはないか。 真田地域などを見てみますと、「真田丸」放送終了以降、観光客数は放送年までには及ばない状況ではありますけれども、放送以前観光客がほとんど訪れなかった観光スポットなどにも観光客が訪れている状況が続いております。しかしながら、真田地域においては外国人観光客の方はほとんど見受けない状況でございます。 3点目として、外国人観光客の指標として宿泊者数が多く用いられるわけでございますが、確かに宿泊していただくのが一番でありますが、観光地として来ていただくことも重要でありますし、これをきっかけにリピーターとなり、将来の宿泊につながることも期待できます。そのようなことから、上田市の外国人観光客の把握の方法として、宿泊者数だけではなく、別の観点でも把握、検証すべきと考えますが、見解はどうか、お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) インバウンドの現状について幾つかご質問をいただきました。 まず、外国人観光客の伸び率が低かったが、改善は図られているかについてでございます。インバウンドに関する統計につきましては、長野県が県内の宿泊施設から報告された数字をもとに市町村別に公表しておりまして、平成28年の実績が最新の数値として発表されております。これによりますと、上田市の外国人延べ宿泊者数は8,227人で、前年比102.2%となっており、若干ではありますが、増加している状況でございます。なお、長野県全体では86万2,680人で、前年比121.8%、また県内の上位の市町村を見ますと、松本市が14万755人で前年比130.5%、軽井沢町が13万6,497人で前年比156%、白馬村が10万4,226人で前年比103.9%などとなっておりまして、当市は県内の先進自治体と比較いたしますと、外国人延べ宿泊者数及び伸び率ともに依然少ない状況であります。 こうした中、昨年は台湾で開催された国際旅展に長野県や長野市、松本市と連携し、広域観光ブースとして出展したほか、しなの鉄道では軽井沢町に訪れる外国人観光客の皆様を対象に、沿線で自由に乗降できるフリー切符が発売されるなど、自治体間あるいは民間との連携を図りながら地域の魅力を発信してきたところでございます。また、本年2月には台湾メディアを招聘し、台湾の雑誌やSNSで発信したところであり、当市への外国人観光客につきましては微増ではありますが、年々増加しておりまして、取り組みの効果や手応えを感じているところでございます。 続きまして、市内中心部などでは外国人観光客を目にする機会がふえたが、集客がふえている施設はあるか、また市内のほかの観光地や観光施設などに誘導する戦略があるかについてでございます。当市の外国人観光客につきましては、上田駅で大きなリュックを背負った外国人を見かけるようになり、4月の上田城千本桜まつりでは例年に比べて外国人観光客が多く、櫓門の前では真田の赤備え甲冑を試着していただき、信州上田おもてなし武将隊と一緒に記念撮影をするなど、祭りを楽しんでいただく姿が見受けられたところでございます。 また、祭り会場内では外国人の方に対しまして来場者アンケートを実施いたしまして出身国の調査を行うなど、インバウンドに対応した新たな取り組みも行ってまいりました。上田真田まつりにおきましても、台湾の旅行エージェントがツアーの一環としてこの祭りを行程に組み込んでいただいたことから、例年に比べて多くの外国人観光客にお越しいただいたところであります。 また、海野町の犀の角のゲストハウスや市内の旅館、ホテルでは外国人の宿泊者が徐々にふえているとお聞きしており、特定の観光施設に限られたものではございませんが、上田城跡公園を初め市街地を中心に外国人観光客の集客が伸びてきていると感じております。 こうした中で、広く観光地への誘導につきましては、案内窓口である新幹線上田駅観光案内所や観光会館において、外国語の観光パンフレットなどによって観光地を紹介しております。また、本年2月の台湾メディアの招聘では、別所温泉や鹿教湯温泉を初め菅平高原や角間渓谷、銭湯やそば打ち体験など約1週間にわたって市内各地を取材していただき、台湾の雑誌やフェイスブック、ユーチューブ等で広く上田市の魅力を発信いたしました。 今後につきましても、上田地域の豊富な観光資源をさまざまな媒体を有効に活用して発信するとともに、観光案内所では上田地域を周遊していただけるよう観光案内の充実に努めてまいります。 次に、宿泊者数以外を指標とした外国人観光客の人数の把握と検証についてでございます。外国人観光客の統計といたしましては、先ほど申し上げましたように、長野県が公表する延べ宿泊者数となりますが、そのほかに外国人観光客の動向を把握できるものといたしましては、新幹線上田駅観光案内所の利用件数がございます。この観光案内所の外国人の方々の利用者数でございますが、平成28年の617人から昨年は699人と13%伸びており、5年前の平成24年の利用者数352人に比べますと倍増しておりまして、このことからも外国人観光客につきましては、まだまだではございますが、徐々に増加してきているということがうかがえます。 本年の上田城千本桜まつりにおきまして外国人観光客へのアンケートを実施したことを先ほど述べさせていただきましたが、外国人の方々から国籍や宿泊の有無のほか、興味を引くものなどさまざまな情報を得ることが今後の取り組みに向けて重要であると考えておりますので、引き続き機会を捉えて調査を行うとともに、そのほか有効な把握方法についても検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) それぞれご答弁をいただきました。状況については、徐々にということでありますが、伸びているという状況、以前もお聞きした状況と変わっていませんが、それでもふえているという状況でございました。その辺で一番大事になるのがやはり継続的なプロモーションではないかなと考えるところでございます。 続きまして、トップセールスとプロモーションについてお尋ねしてまいります。まず1点目として、母袋前市長が昨年5月台湾を訪れトップセールスを行いましたが、その効果をどのように捉え、どのような効果が出てきているのか。 2点目として、トップセールスはもとより継続的な上田市としてのプロモーション活動は重要であると考えますが、今後のターゲット国へのプロモーション活動の方針をどのように考えているか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) ただいまのご質問、トップセールスとプロモーションにつきましてご質問をいただきました。まず、前市長の台湾トップセールスの効果についてでございます。台湾で大河ドラマ「真田丸」が放送されたことを契機に、昨年の市長トップセールスによる信州上田台湾プロモーションでは、台湾の観光関係団体、旅行エージェント、テレビ局、また市内高校との姉妹提携校や高雄市政府への訪問などを積極的に行ってまいりました。この取り組みによって昨年10月に台湾で開催された国際旅行博では、台湾観光協会の協力により当市として初めて観光PRブースを出展いたしまして、現地での誘客活動を実施することができました。 一方、本年1月には高雄市から政府国際交流参訪団として、教育局長や福祉局長ほかの皆様に当市を訪れていただき、市内の小中学校などで子供たちとの交流を図っていただくとともに、市長への表敬訪問では観光や教育面で一層の交流を図ってまいりたいとのお言葉をいただくなど、台湾との交流をさらに進めるきっかけづくりができました。 また、上田市内の企業を通じて紹介いただいた上田市出身の台湾在住のコーディネーターと連携し、中国語のフェイスブック開設や台湾メディアによる上田地域の取材などに取り組むことができ、トップセールスがさまざまな事業展開につながることを実感いたしました。また、上田城千本桜まつりや上田真田まつりのツアーが実施されたことからも、効果的な誘客につながっているものと考えております。 次に、今後のターゲット国に対するプロモーション活動についてでございます。一般社団法人信州上田観光協会では、誘客の成熟市場として台湾を、また新興市場としてタイ及びベトナムを選定していることを踏まえ、東南アジア圏を中心に現地での観光プロモーション事業などを展開してまいりました。上田市への外国人延べ宿泊者数のデータからも、東南アジア圏を中心としたターゲット国への誘客事業については効果的であることから、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 また、最近では別所温泉や塩田地域の観光地において欧米系の観光客の方々を見かけるようになりました。別所温泉地区のゲストハウスにおいても宿泊数が徐々にふえてきているとお聞きしております。 このような状況を踏まえ、新たに欧米諸国への働きかけにつきましても、観光協会のインバウンドミーティングにおいて民間事業者の皆様とともに検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員。          〔10番 佐藤 論征君登壇〕 ◆10番(佐藤論征君) 著しい人口減少社会を迎えまして、国内だけで観光業を維持していくのは当然のことながら難しい時代に入ってまいります。今回の市長の任期の中では、昨日の新生会尾島代表の代表質問に対する市長のご答弁の中でも一部触れられておりましたが、2019年ラグビーワールドカップに向けた菅平高原でのラグビーイタリア代表チームの合宿、2020年オリンピック・パラリンピック合宿誘致など、上田市においてはインバウンドを進める上で絶好の機会となっております。さらに観光を上田市のリーディング産業として上田市全域で育てていかなければならないと考えます。 そのような中、プロモーション活動の中ではやはりトップセールスは非常に重要であると考えます。そこで、土屋市長にもぜひ継続的にトップセールスを行っていただきたいと考えておりますし、積極的に行うべきと考えますが、市長のお考えをお聞きいたしまして、私の一般質問を終わりとさせていただきます。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 佐藤論征議員の質問に答えさせていただきます。 これまで観光をリーディング産業として位置づけまして、上田城千本桜まつり等誘客イベントの実施など、民間連携のおもてなしの体制で取り組んできたことによりまして、上田地域を訪れる観光客数は年々増加し、大きな成果があったものと認識しております。特に大河ドラマ「真田丸」の放送によりまして上田の知名度は飛躍的に向上し、現在では多くの真田ファンあるいは上田ファンが旅の目的地として当市を訪れていただきまして、真田氏の歴史が息づく豊富な観光資源を楽しんでいただくことになりました。 こうしたよい流れの中で、来年のラグビーワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックを海外からの観光客誘致、いわゆるインバウンドの絶好の機会と見据え、積極的な取り組みを図ってまいりたいと考えております。 また、このたび菅平高原がラグビーイタリア代表チームの事前キャンプ地となったことで、先般在日イタリア商工会議所の事務局長とお会いする機会に恵まれまして、当市とは経済面や観光面での相互交流の可能性について前向きなお話をいただくことができました。イタリアについても新たなマーケティング市場の一つとしての可能性を実感したところでございます。 いずれにいたしましても、当市におきましては外国人の皆様に興味を持っていただける魅力ある観光資源がたくさんあると考えております。しっかりリサーチして掘り起こすことも必要です。また、SNSなどを効果的に使って発信していくこと、これも重要と考えております。 また、プロモーションにつきましては、引き続き東南アジア圏への活動に取り組むとともに、新たなターゲットについて検討する中、みずからのトップセールスについては最も効果的な機会を捉え、判断してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 佐藤論征議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時15分   休憩                       ◇                                午前10時30分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第4号、市政について、金子議員の質問を許します。金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 通告に従い質問してまいります。 5月2日に大きなニュースが上田に届きました。千曲川と依田川合流付近を防災や市民が自然と触れ合え、健康づくりにも役立てる空間に整備する上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり計画が国土交通省のかわまちづくり支援制度に登録され、このたび登録伝達式が行われました。昨年の9月議会で久保田議員の質問で、国土交通省が行っているかわまちづくり事業の概要とかわまちづくり計画への上田市の現状とかわまちづくり事業でどのような効果が期待できるのかの質問があり、るる説明をいただきました。 そこで、まず昨年7月に発足した上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり協議会の構成メンバーと、今回の登録伝達式に至るまでの経緯と協議されてきた内容をお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 手塚丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 手塚 明君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(手塚明君) 千曲川と依田川の合流部付近の塩川石井地区、下長瀬地区では、これまで幾度となく千曲川増水時の水位上昇により、支流である矢の沢川や小金久保川の流れが阻害され、市街地の浸水被害が繰り返されてきたところでございます。このような中、平成28年1月に国土交通省千曲川河川事務所から、河川と水辺の環境を一体的に整備する方策について助言をいただき、かわまちづくり支援制度の認定に向けた取り組みに着手いたしました。 この制度の特徴といたしましては、河川とそれにつながるまちを活性化するため、各地域の特性を生かし、自治体、民間事業者、地域住民及び河川管理者との連携のもと、河川空間とまち空間が融合した良好な空間形成の推進を図るものでございます。 かわまちづくり支援制度では、かわまちづくり計画を策定して国に登録されることにより、占用許可の緩和によるソフト面の国からの支援が図られるほか、ハード面では国における千曲川の防災事業が促進されるものでございます。 支援制度の認定に向けまして、昨年7月に事業予定地周辺の自治会、まちづくりを進める住民自治組織、河川でイベントを行う団体、河川環境を調査研究する団体、漁業組合など河川利用、管理団体、また行政側では河川管理者として国、県、そして市で組織する上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり協議会を設立したところでございます。 協議会ではこれまで3回開催される中で、事業の趣旨に沿った多くのご意見、ご要望をいただきました。具体的には、ハード面では親水広場整備、カヤックなどの体験エリアの整備、遊歩道、イベント広場の整備、そして千曲川や依田川の堤防整備などがございました。ソフト面では、アウトドアスポーツの体験、バーベキューや自然観察などでございました。最終的には、いただきましたご意見、ご要望や関係団体との協議内容を盛り込み作成しました計画案を提示し、目標として「かわを感じ かわと触れ合い まちが賑わう 千曲川、依田川地区」を掲げ、また基本方針としまして「かわを身近に感じて、川と触れ合う『自然空間の構築』」、「誰もが集い、まちが賑わう『まちの拠点の創出』」、「安全・安心な『河川空間の形成』」と定め、上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり計画としてまとめております。 この計画によりまして、本年1月には国へ申請を行い、3月26日に国土交通省のかわまちづくり計画の登録を受け、5月2日には北陸地方整備局河川部長から上田市長に登録証の伝達が行われたところでございます。 この計画が認定、登録されましたことにより、周辺一帯の治水対策が進み、またこの制度の趣旨であります河川空間を利用して「かわを感じ!かわと触れ合い!まちが賑わう」、そして訪れる方々がわくわくするような場所となり、地域の活性化と健幸都市の実現につながるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。今るる説明があったわけでありますけれども、防災対策にも配慮されていることがうかがわれました。また、ハード面、ソフト面さまざまなことが協議されているのだなということを知りました。 千曲川と依田川が合流する大石橋付近一帯がかわまちづくり計画の範囲でありますけれども、大石橋付近一帯は矢の沢川と小金久保川の流入もありますが、矢の沢川の改修をしないと、現状のままだと千曲川との合流点から上流にかけて近い流域の水没が心配され、国道152号の下を横切っている矢の沢橋橋桁と水面までの距離が短いことが危惧されております。小金久保川は千曲川の水位が上がると逆流するために水門があり、千曲川水位上昇時には水門を閉めて、7月から10月まで設置されているポンプで排水しないと千曲団地が内水被害に見舞われてしまいますが、矢の沢川及び小金久保川の影響への配慮はどうなっているのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 手塚丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 手塚 明君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(手塚明君) 千曲川と依田川の合流部につきましては、議員ご指摘のとおり、豪雨時において千曲川の水位が上昇した場合は、支流の下長瀬地区を流れる矢の沢川や石井地区の小金久保川では自然流下による排水が困難となり、河川から水があふれ出る溢水が発生する状況になります。このため、市が管理する小金久保川の千曲川への放流箇所におきましては、この梅雨の時期から台風の季節までの約5カ月間仮設の排水ポンプを設置し、大雨への備えをしているところでございます。また、県が管理する一級河川矢の沢川におきましても、豪雨時は国道152号の冠水が心配される状況でございます。 今回千曲川河川事務所の計画におきましては、千曲川の河床を掘り下げる事業が予定されております。このことにより、本流の千曲川だけではなく、支流の依田川、さらに矢の沢川や小金久保川におきましても洪水時の水位上昇が抑えられるものと考えております。 また、関係する河川管理者であります国、県、市の3者が連携して協議を進められることによりまして、特に矢の沢川改修の契機となり、地域住民の安全、安心な生活環境の整備が進むものと期待しております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。千曲川、依田川の氾濫はもちろんでありますが、千曲川と依田川の合流点の住民は、より身近な河川の増水が心配ですので、矢の沢川及び小金久保川への配慮がされている、また千曲川の河床等も下げるという説明がありました。 そこで、上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり計画が国土交通省かわまちづくり支援制度に登録されたことにより地元説明会が開催されましたが、地元説明会での反応と理解はどうだったのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 手塚丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 手塚 明君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(手塚明君) 計画が国に登録されましたことによりまして、本年度から本格的に事業がスタートすることになりました。このため、事業予定地隣接自治会であります石井自治会、下長瀬自治会両自治会へそれぞれ地元説明会を開催いたしました。この説明会では、両自治会合わせて50名を超える住民の皆様のご参加のもと、かわまちづくり支援制度について、かわまちづくり計画の概要、今後のスケジュールなどの説明をさせていただきました。住民の皆様からは、整備計画への期待が寄せられるとともに、地区の治水対策に対しまして多くのご意見やご要望をいただき、本事業について深い関心を寄せられていることが感じられたところでございます。 今後につきましても、協議会で検討しました内容は地元住民の皆様に随時お知らせをしまして、ご意見、ご要望をいただきながら、地域の活性化につながるかわまちづくり事業を推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。地元の皆さんは一番が防災上の配慮に理解が必要だと思いますので、ありがとうございました。 丸子町時代から懸案でありました千曲川と依田川合流点の防災上の問題解決のための河川改修は、市単独では対処できずにおりましたが、このたびの上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり計画が国土交通省のかわまちづくり支援制度に登録されたことにより、現状の防災問題への対応と河川空間の有効活用のためのハード面の施策がされることはうれしいことであります。近隣では信州国際音楽村への道路も整備され、夏には丸子からの小牧線と小牧橋の交差点改修も終了し、本年秋からはメルシャン椀子ワイナリーの建設も始まり、周辺環境の整備も進んでおります。現在の上田市になって初めての市長交代ですが、上田市千曲川×依田川地区かわまちづくり計画により、新たな上田市全体のにぎわい創出や健康づくり実現につなげる土屋市長の丸子地域へ寄せる思いと意気込みを語っていただきたいと思います。 ○議長(小林隆利君) 土屋市長。          〔市長 土屋 陽一君登壇〕 ◎市長(土屋陽一君) 金子議員の質問に答えさせていただきます。 千曲川と依田川の合流点におけるかわまちづくり計画におきましては、周辺地域の治水、防災対策の課題が発端となっておりますことから、この事業の採択を契機といたしまして、浸水被害の要因となっている支流の矢の沢川及び小金久保川の河川整備を関係機関にみずから積極的に働きかけ、安心、安全な生活環境整備に向けて取り組んでまいります。 さらには、これらの河川と交差し交通渋滞の激しい国道152号線の改良にもつながる事業でもありますので、早期の対策実現に向けて鋭意取り組んでまいります。 また、新たに生み出される河川空間につきましては、アウトドアをキーワードとした今までの上田市になかったランドマークとしての役割が期待できるものと捉えております。ご存じのとおり、丸子地域には信州国際音楽村やマリコ・ヴィンヤードといった特徴的な場所がございます。信州国際音楽村では31回目となります信州ルネッサンス2018が開催されており、ことしも大勢の方が来場されております。また、地元ボランティアの皆さんのご協力によりまして、春先の水仙、バラ、ラベンダーといった周辺環境整備による景観も大きな魅力となっておりまして、交流拠点としての知名度が高まっております。 また、先ほどご指摘ありました上田市では初めてのワイナリーとなります椀子ワイナリーが本年秋の着工に向けて進んでおり、大きな期待が寄せられております。市といたしましてもできる限りサポートをしてまいりますが、椀子ワイナリーが完成し、醸造が始まれば名実ともに上田市内でつくられたワインとなります。広大なマリコ・ヴィンヤードから360度の景観も相まって多くの方が訪れる交流拠点として発展していくことが大いに期待されております。 また、首都圏方面からの東の玄関口でもあります丸子地域がこのように整備されることによりまして、大きなポテンシャルを持った交流拠点同士の相乗効果も期待でき、新たな交流が生まれ、広がっていく拠点となる可能性が大きい地域として期待しております。 さらに、丸子地域には依田川に沿って依田川リバーフロント市民協働事業により、1周400メートルのウオーキングロードを持つリバーフロント市民の広場、「あたま・からだ元気体操」が行われております丸子ベルパークや依田川ウオーキングロードがございますが、ここにかわまちづくり事業で生み出された河川空間が加わり、市民にウオーキングやランニングで親しまれている依田川堤防道路に結ばれるということになりますので、健康づくりを初めさまざまな視点でこの場所が注目されてくると思います。そういう意味でもこれまで以上のポテンシャルを持つものであると思っております。 いずれにいたしましても、今まで築いてこられた地域資源を生かしながら、これから整備していく地域資源とともに一体として活用していくことによりまして相乗効果を発揮していただけるものと思いますし、そのように積極的に進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。土屋市長、ありがとうございました。これからの土屋市長率いる上田市に武石、丸子地域からの熱い視線を感じていただきたいと思います。河川改修のみならず、それに付随して国道152号東郷橋入り口交差点改良等々交通渋滞への緩和にもつながる、そんな答弁をいただき、うれしく思います。 続いて、全国から熱い視線が注がれている真田町地域菅平高原ですが、5月26日から6月3日まで、ラグビーワールドカップイタリア代表チームの菅平高原での事前キャンプが行われ、情報発信の絶好の機会を得ました。菅平高原は以前からラグビーの聖地と言われ、ラグビー関係者にはつとに有名でありましたが、今回のイタリア代表チームの滞在により菅平高原が高い評価を得たことはすばらしいことであります。残念ながら2019年ラグビーワールドカップ公認キャンプ地の選考からは漏れてしまいましたが、来年もイタリア代表チームの事前キャンプは開催されます。菅平高原はスキー、スノーボードで冬もにぎわいますが、サッカー、ラグビーの合宿でもにぎわっていることは周知の事実であります。芝生グラウンドと宿泊施設が整っているために全国から合宿に訪れるのですが、近年トップアスリートたちのトレーニングにおいて高地でのトレーニングが効果的であるとされております。そんな高地トレーニングの環境を求めるアスリートたちに積極的に上田市をアピールする必要性を実感しております。 タイムリーなことに、一昨日の日曜日の信濃毎日新聞にも紙面の半分を飾っておりましたが、上田市に本部を構える日本スカイランニング協会の代表を務める松本大氏は日本を代表するスカイランナーで、2012年には自己最高世界ランキング14位のアスリートであるために、国内のスカイランナーたちが全国から上田に集まってきます。スカイランニングの皆さんは日ごろから太郎山や菅平の根子岳、四阿山でトレーニングをしておりますが、日本スカイランニング協会が主管する本年で4回目を迎えた太郎山登山競走がゴールデンウイークに開催され、大会終了後にはスカイランニング世界大会出場選手の壮行会も上田で開催しております。太郎山登山競走への上田市のかかわりと支援はどうなっているのか伺います。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 太郎山登山競走への上田市のかかわりと支援についてご質問をいただきました。 市民の山、市のシンボルの一つとしても親しまれる太郎山を会場に多くの参加者が健脚を競う太郎山登山競走でございますが、今年度第4回の大会が5月に開催されたところでございます。この大会では幅広い世代の市民の皆様が身近な地域資源を舞台にスポーツを楽しむことができるとともに、ランニング競技や登山競技を通じたスポーツ振興が図れることから、市といたしましても平成27年の第1回大会以来支援を行ってまいりました。 市のかかわりや支援の具体的な内容といたしましては、大会の運営費として地域の魅力を高め、市民の交流を促進する事業を対象とした上田市わがまち魅力アップ応援事業補助金を第1回大会から交付しておりまして、来年度の第5回まで合計200万円を上限に交付する予定でございます。また、市からの備品の貸し出し、職員による会場の設営から運営及び撤収の協力、「広報うえだ」への掲載、行政チャンネルの放送、ポスター掲示といったPRのほか、開会式へのおもてなし武将隊の派遣協力など、多面的な支援を行ってまいりました。さらには、市で委嘱をしております上田市スポーツ推進委員や総合型地域スポーツクラブ、また一般財団法人上田市体育協会におきましても、参加者の受け付けや誘導、表彰のプレゼンター、走路員などとして協力をいただいているところでございます。 加えて、周辺自治会や地域住民の皆様、また会場周辺の自然環境を保護されております団体の皆様におきましても、走路整備や当日の安全確保などそれぞれの立場でご協力をいただいており、各関係団体の連携によるご支援のもと大会が成立していると思っております。 こうした取り組みの結果、次第に大会の認知度、注目度も向上してきておりまして、参加者も増加傾向にある中、上田市のスポーツ振興にも寄与しているものと認識しているところでございます。 この太郎山登山競走にはコースの難易度や距離に応じて参加種目を幾つか設定しておりまして、子供から体力に自信のあるシニア世代まで広く参加でき、山岳駆け登りレースと呼ばれるバーティカルレースと、出場に当たっては競技団体への登録やほかの大会での記録といった条件が求められ、山岳駆け登り・駆け下りレースと呼ばれるスカイレースがございます。市といたしましては、市民の皆様が気軽に参加できるバーティカルレースにつきまして、上田市がスポーツ振興計画において目標として掲げる生涯スポーツ社会の実現にも貢献する事業と考えられることから、引き続き支援を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。 偶然でありますけれども、スカイランニングはイタリア発祥のスポーツでありますので、上田市はイタリアとの縁が深いのかもしれません。本年で23回目を迎える上田市主催の信州爆水RUNin依田川企画室に、昨年秋松本大氏から相談があったそうであります。松本大氏の出身地がお隣の嬬恋村なのでありますが、冬に嬬恋村で雪の中を駆け抜ける爆雪RUN、「爆発」の「爆」に「雪」と書きますけれども、爆雪RUNを開催したいが、爆雪RUNの名前を使用していいのかという打診が信州爆水RUNin依田川企画室にあったそうであります。松本大氏は今までもスカイランニング協会として信州爆水RUNin依田川にもさまざまな協力をしてくださっておりましたので、爆水RUNin依田川企画室では、お互いに兄弟大会として連携してまいりましょうとの協力体制で本年2月3日に第1回嬬恋爆雪RUNが開催されました。 松本大氏の企画力と日本スカイランニング協会の発信力で今後も上田市が全国に発信されますし、太郎山登山競走を世界規模の大会の大会開催を視野に入れていると先日の信濃毎日新聞に記されておりましたので、今後の太郎山登山競走の展開が楽しみであります。 記憶に新しいところで、さきの平昌オリンピックスピードスケート女子団体追い抜きチームパシュートで金メダルに輝いた高木菜那、高木美帆、菊池彩花、佐藤綾乃選手が昨年夏に高地順応のために菅平高原で宿泊したことが金メダル獲得のドキュメント番組等々で紹介されたために、菅平高原が脚光を浴びました。ほかの事例では、2004年アテネオリンピックで女子マラソン金メダルの野口みずき選手がトレーニングしたことから、菅平牧場内には野口みずき選手クロカンコースと命名されたことに裏づけされるように、トップアスリートたちが菅平高原で高地トレーニングをしておりますが、上田市はどのように高地トレーニングの適地としてあっせんを行っているのか、また高地トレーニングの実績を把握しているのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 山宮真田地域自治センター長。          〔真田地域自治センター長 山宮 正久君登壇〕 ◎真田地域自治センター長(山宮正久君) 菅平高原におけるトップアスリートの高地トレーニングに関しましてご質問をいただきました。 菅平高原は標高約1,300メートルの準高地に位置しておりまして、冷涼な気候に恵まれた環境とスポーツ選手の運動能力向上に効果が期待できるいわゆる準高地トレーニングに適していることなどから、スポーツ合宿地として80年余の歴史を持っております。また、長い歴史を経る中で100面を超えるグラウンドや日本陸連公認の陸上競技場のあるサニアパーク菅平に加え、ことし9月に供用開始予定の屋内運動場やトレーニングジム等を備えた菅平高原アリーナも整備され、スポーツ合宿地にふさわしい施設環境も整いつつあります。こうした環境を持つ菅平高原はスポーツ合宿の聖地として日本国内では知名度が非常に高い状況でありますことから、毎年数多くのアスリートやスポーツチームが合宿を行っております。 現在菅平高原での合宿数につきましては、高校や大学、また社会人のチーム数を合わせ、ラグビーで約800チーム、サッカーで約200チーム、また陸上競技で約500チームでございまして、そのほかも含めますと1,500を超えるチームが訪れております。特にトップアスリートの皆様につきましては、先ほど議員からもお話ございましたオリンピックのメダリストを初め、全国大会に出場する実業団や箱根駅伝に出場する大学等数多くの選手が菅平高原で合宿を行っております。 また、菅平高原の準高地トレーニング環境を評価いただき、国内選手のみならず海外の選手も当地でトレーニングを行っております。ご案内のとおり、先ごろもイタリアのラグビー代表チームのトレーニングキャンプが行われたところでございまして、来年も菅平にお迎えする予定になっております。 今後も80年余の歴史を持つスポーツ合宿のメッカとしての知名度と環境を生かして、さらに国内に加え、海外のトップアスリートやスポーツチームが合宿やトレーニングに訪れていただけますよう、地元地域とともに取り組んでまいりたい、そのように考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員。          〔11番 金子 和夫君登壇〕 ◆11番(金子和夫君) 答弁をいただきました。80年を超える歴史に裏づけされ、1,500チームものチーム合宿が菅平で行われていることを知り、ぜひともサッカー、ラグビー以外にも高地トレーニング、準高地トレーニングの適地としてオールシーズン注目される菅平高原にますますなってもらいたいと期待をいたします。 積極的に高地トレーニングの適地として先んじて発信している小諸市と東御市でありますが、高峰高原から三方ヶ峰、湯の丸高原は林道でつながっていることもあるかもしれませんが、連携して高地トレーニングの適地としてスポーツ界に売り込んでいる印象を受けております。東御市にある身体教育医学研究所顧問の武藤芳照氏は、ロサンゼルス、ソウル、バルセロナオリンピックの日本水泳チームドクターで、現在のスポーツ庁鈴木大地長官がソウルオリンピック100メートル背泳ぎで金メダルをとったときのチームドクターだったつながりから、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向かって、「湯の丸からセンターポールに日の丸を」を掲げ、高地トレーニング施設を整備しております。今まで教育委員会で主管していたスポーツ振興を市長部局の企画振興部文化・スポーツ振興室に事務移管をして取り組んでいることからも、高地トレーニング施設に力を入れていることがうかがえます。現在スポーツ界で重要視されている高地トレーニングの需要を受け入れるべく、小諸市、東御市、上田市が高地トレーニングの適地として連携することが必要不可欠だと思うが、現在の3市の連携状況と今後の展望を伺い、今後の高地トレーニング好適地への期待を込めて、私からの質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) 小諸市や東御市との連携状況と今後の展望についてご質問をいただきました。 東御市の湯の丸高原と当市の菅平高原が高地トレーニングを行う適地として多くのスポーツ関係者の方々に選ばれていることはすばらしいことであり、スポーツを通じた誘客促進も期待されるところであります。現在湯の丸高原におきましては、陸上トラックや室内競泳プールなどの施設整備が着々と進められており、また小諸市ではJA長野厚生連浅間南麓こもろ医療センターが主体となって運営する浅間山麓スポーツ医学研究所が設立され、スポーツ選手への医学サポートや高地トレーニングへの支援が行われております。スポーツ合宿の聖地であり、トップアスリートの方々がトレーニング合宿に訪れていただいている当市の菅平高原にとっても、これらのエリアや施設との連携を促進することが一層の躍進につながるものと考えるところであります。 こうした中、夏季シーズンにはトレーニング合宿が集中することから、湯の丸高原の陸上施設と菅平高原サニアパークの間では利用可能な日程を共有し、利用者の方々に紹介するなど、既に相互の連携を図りながら利用者の方々の利便性を第一に対応しているとお聞きしておりまして、今後は9月に完成予定の上田菅平高原アリーナの有効活用も考えられるのではないかと思っております。 いずれにいたしましても、2020年東京オリンピック・パラリンピックといったビッグスポーツイベントが開催される中で、首都圏からの交通のアクセスのよさを生かし、エリアが一体となったスポーツツーリズムの振興を図ることによって、例えば不足する宿泊施設については上田市内の宿泊施設を利用していただくなど、観光産業全般にも好影響がもたらされることを期待するところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金子議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時09分   休憩                       ◇                                午前11時25分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)生ごみの減量化に向けた政策について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第5号、生ごみの減量化に向けた政策について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) 通告に従い順次質問してまいります。今回は生ごみ減量に関する各種施策について、確認及び私なりの提案も含めて質問してまいります。 資源循環型施設の建設に関する方針の確定及び早期実現は土屋市長にとって喫緊の最重要課題だと思います。就任直後から早速解決の糸口を模索され、市民の皆様との対話する機会を求め、またご理解をいただくためにさまざまな実践をされ、土屋市長のこの難題解決に向ける情熱に対して大いに期待しているところでございます。 ご承知のように、上田市は広域連合地区全体のごみの総量の80%以上を排出しております。また、広域連合の中心母都市であり、上田市の対応を関係市町村も注視され、その影響及び責任に関して早期の対応を実施することは上田市としても最重要課題だと考えております。関係市町村も新たな資源循環型施設の建設に向けたごみ処理問題に対しては最大限のご協力をいただき、各市町村が独自の対策をさまざま実施されており、その中でも生ごみの減量化対策には最も力を入れていただいているのではないでしょうか。生ごみは排出される可燃ごみの総量の40%以上を占めるとも言われています。そのため、いかに生ごみを確実に減量化することは、すなわちごみ処理問題の改善に直結する課題であると言えます。 では、現状上田市はどうでしょうか。最近実施された生ごみリサイクル野菜循環ポイント事業としての「やさいまる」の実施や、大型生ごみ処理機器の市民への貸し出し、家庭用生ごみ処理機の購入補助制度からピートモスと薫炭を混ぜた段ボールコンポスト基材「ぱっくん」の無料配布など各種政策を実施しています。私は、さらにごみの減量化をより確実に推進するためには、ここで再度これらの既存の各種政策の成果や今後の方針などを再検討し、改善を含めた充実をする必要があるのではないかと考えております。ごみの削減に関するたゆまない地味な努力と継続こそが難航する資源循環型施設の早期実現に向けた最善の方法であると思うからでございます。 そこで、お伺いいたします。最初に、生ごみの減量化対策について、上田市の状況及び方針に関して4点伺います。まず、市民を対象とした新たな生ごみ減量化対策などは検討しているのか。 2つ目として、ことし3月に上田市ごみ減量アクションプランを策定されましたが、市民や市内事業者に対する協力依頼はどのような形で行うのか。特に家庭系生ごみの減量化に対する依頼についてはどのように検討されているのか伺います。 3として、上田市ごみ減量アクションプランでは、行政の役割として3Rの推進を定めておりますが、生ごみを本格的にリサイクルするための循環型システムを構築し、さらに推進することを具体的に検討しているのか。 4として、順調な滑り出しをしている生ごみリサイクル野菜循環ポイント事業「やさいまる」の実績や評価、今後の方針等はどうか。 以上4点を伺い、私の第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみの減量化についてご質問をいただきました。順次お答えいたします。 上田市の燃やせるごみの中に含まれる生ごみは約4割を占めていると見込まれ、平成29年度では1万3,400トン程度と推計されます。生ごみの資源化を図ることは燃やせるごみの減量につながることから、これまでにごみ減量化機器購入費に対する補助金交付、段ボールコンポスト用の基材「ぱっくん」の無料配布、生ごみ出しません袋の導入、生ごみリサイクル野菜循環ポイント事業「やさいまる」などを展開してまいりました。また、エコ・サポート21やごみ減量アドバイザーなど関係する団体との連携した啓発の継続は生ごみの自己処理を促すなど、一定の減量効果を上げることができたものと考えております。 ご質問の新たな生ごみ減量化への取り組みにつきましては、生ごみの多様な処理方法を含め、庁内関係課において研究を進めているところでありまして、今のところ事業として具体化しているものではありません。 次に、ごみの減量化について市民、事業者への協力依頼についてでございます。上田市ごみ減量アクションプランは今年度から5年間の計画として新たに策定いたしました。本プランは、ごみの減量目標値を定め、市民、事業者、行政が連携、協力のもと、その達成を目指して各主体の具体的な減量行動を示し、取り組みを促すものであります。生ごみ減量の取り組みとしましては、食材の使い切り、料理の食べ切り、それでも出た生ごみは水を切るなど簡単に実践できる方法をお示ししております。この計画をできるだけ広く伝えるため、「広報うえだ」、市のホームページなどを活用した周知、啓発を図るとともに、自治会、事業者団体への説明会、市民を対象とした講演会など、対話の機会を捉えて減量への取り組みについて理解と協力を働きかけてまいります。 次に、生ごみリサイクルシステムのご質問でありますが、ごみ減量アクションプランにおいて行政のアクションに示す課題への対応としまして、生ごみリサイクルシステムの検討を掲げております。この生ごみのリサイクルにつきましては、これまでのモデル事業の成果や先進自治体の事例を参考に、堆肥化だけでなく、飼料化、また下水汚泥などとの混合処理によるバイオガス化など、生ごみを有用な資源として活用するためのシステム構築について、庁内の関係課を集めて調査研究を始めたところであります。 次に、生ごみリサイクル野菜循環ポイント事業「やさいまる」につきましては、生ごみ処理機や「ぱっくん」で処理した乾燥生ごみ等を家庭で活用できない場合、市へ持ち込んでいただくと市内のJA直売所等8店舗で買い物が可能なポイントと交換できるという取り組みでありまして、平成27年5月に新規事業として開始いたしました。その後28年9月に丸子、真田、武石の各市民サービス課にも窓口を拡充し、平成29年5月にはポイント制度を利用しやすく見直すなど、利用者の拡大に努めてまいりました。 乾燥生ごみ等の回収量は、平成27年度が897キログラム、28年度が1,579キログラム、29年度が1,960キログラムでありまして、3年間での累計では約4.4トンを回収し、堆肥化することができました。また、登録者数も年々増加し、本年5月末現在では180人となりました。さらに、ためたポイントにより直売所等で買い物ができるポイントカードの利用数につきましても、平成27年度が58枚、28年度が171枚、29年度が279枚と増加しております。生ごみを燃やさずリサイクルすることによって野菜などの地産地消につながる「やさいまる」の取り組みが拡大することで、市民にも着実に資源循環の輪が広がっているものと認識しております。 今後も特に市街地を中心とする世帯に向けて「やさいまる」事業の周知、啓発を図り、生ごみ減量施策として引き続き普及に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。まず、非常に前向きなご答弁をいただいたというふうに思います。生ごみのリサイクルシステムの構築、特に資源化に向けたさまざまな庁内の取り組みに関しては今後大いに期待するところであります。 また、「やさいまる」に関しても、わずか3年で4トンの乾燥したものが持ち込まれたということで、これ乾燥させている状態ですから、現状の生ごみからすると相当量のものが縮減できているということで、今後非常に期待するところであります。 次の質問に移ります。JA信州うえだとの生ごみ堆肥化モデル事業について伺ってまいります。ごみを出さない、減らす、再活用する、いわゆる3Rの活動の中でごみの再資源化は大変難しい課題ではありますが、ごみの資源循環型体制構築に向け、どこの自治体もさまざまな方法で取り組まれておられます。上田地域広域連合の関係市町村においても生ごみの減量化、再資源化に向けてご尽力いただいており、東御市では昨年12月から堆肥化処理施設を新たに稼働させ、年間約450トンの生ごみから84トンの堆肥をつくり出す計画を実行されておられます。長和町でも平成24年度から生ごみの分別回収を始められ、長門牧場内の生ごみ処理施設で堆肥化に取り組んでおられます。 上田市も同様に平成23年度からモデル事業として、JA塩田堆肥センターにおいて生ごみによる堆肥化の実証実験に取り組んでおります。平成29年度実績では、学校給食の調理くずが7カ所から約7トン、先ほども答弁にありましたように、「やさいまる」事業において回収された乾燥したもので1,960キロと、合わせて約9トンの生ごみを回収し、市内の牛ふん約616トンなどと調合して堆肥化、JA信州うえだなどで販売している一般作物用肥料スーパーコン40リットル、販売価格は約500円前後だと思いますが、を再資源化して年間約2万袋製造され、ほぼ完売しているそうでございます。これは、一定の堆肥化の成果が実現しているわけでございます。 ただし、今後さらに大量の生ごみ、特に種類が多くさまざまな問題を含む一般家庭からの生ごみを確実に堆肥化するためには大規模な改善が必要であるとも感じています。現状は生ごみの総量のわずか0.07%程度の利用実績であり、それも非常に条件のよい学校給食など限定された厨芥類のみの実績であります。今後は一般家庭及び市内事業者から日々排出される多様な生ごみを確実に堆肥化する実証実験も必要ではないかと思います。 また、このモデル事業を実施している富士山の塩田堆肥センターに今回初めて私も伺ったのですが、昭和58年開設の施設の老朽化は著しく、生ごみの悪臭はこの時期に既に発生しており、これから迎える暑い季節にはさらに強烈に発生することが容易に予想されています。また、カラスやキツネなどの野生動物対策なども不十分であり、堆肥化していただいている作業環境も非常に厳しい状態であると感じました。施設の早急な改善が必要ではないでしょうか。堆肥化の方法も生ごみと牛ふんを攪拌して自然発酵させながら2週間に1度の切り返し、これは堆肥に発酵を促進させるために空気を入れる作業ですが、それを繰り返して約3カ月程度保管するシンプルな方法で製造されています。ご承知のように、生ごみの資源化は日々進化しており、全国でも確実に成果を上げている自治体や民間企業もふえ、最新の堆肥化技術も確立されつつあります。施設の改善と並行して堆肥化方法に関しても再検討が必要だと感じております。 以上の状況を踏まえ、この堆肥化モデル事業の現状の評価や今後の事業継続に対する方針はどうか、上田市の基本的な考えを伺います。また、施設の老朽化や環境改善に関する支援などは検討しているのか。堆肥化方法のさらなる研究や生ごみの受け入れ先の変更などを実施し、家庭系生ごみの対策の実施に備えた情報や対策、ノウハウの蓄積を実行するようにモデル事業の内容の再検討はできないか。 以上3点に関して上田市の見解をお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみ堆肥化モデル事業の評価と今後の方針についてのご質問でございます。 生ごみ堆肥化モデル事業につきましては、自校給食の調理くずや家庭からの乾燥生ごみ等を堆肥化するため、平成23年からJA信州うえだが所管する堆肥センターを受け入れ施設として委託契約を結び、事業を実施しております。平成29年度実績では、自校給食の調理くず約7トン、乾燥生ごみ等約2トンを受け入れ、畜ふんとの混合により堆肥として農家などに利用されております。 これまでの継続した取り組みから生ごみと畜ふんとの混合による堆肥化を検証してきましたが、畜ふんの量が限られることから、生ごみについては現況の量が最適であるとされております。このため、これ以上の生ごみの受け入れは堆肥の成分に影響があることなどから難しい状況にあります。このことからも、持続的かつ効果的な取り組みとしてこの事業を継続していくためには、事業内容について見直しを図ることが必要であると考えております。 次に、JAの堆肥センターの施設維持へのかかわりとしましては、現在の生ごみ堆肥化モデル事業において老朽化する設備等への修繕や機器等の補助を行ってまいりました。施設の老朽化も進みつつありますので、今後の施設の改善につきましては、JAや関係課と協議し、事業内容の見直しを含めて検討してまいりたいと考えております。 次に、生ごみの堆肥化方法の研究などについてでありますが、生ごみ堆肥化について毎年生ごみ処理やリサイクルに関する講演会の開催や広報を通じて市民への啓発を重ね、情報提供を行っております。生ごみの分別収集を伴った資源化につきましては、さきにも触れましたように、他市の先進的な事例や民間の知見も参考に庁内関係課において研究をしてまいりたいと考えております。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。こちらのご答弁に関しても非常に前向きに考えていただいて、事業を見直していくというご答弁だったと思います。また、さまざまな研究もより進めるということで、今後の対応を注視するところでございます。 次の質問に移ります。近年の生ごみ減量化に関する施策に市民への大型生ごみ処理装置の貸し出し事業がございます。この事業モデルになった先進地である東京都町田市には、私が所属する新生会でもこの事業が開始される以前に行政視察をさせていただき、実際にうまく運用されている現状を拝見しております。上田市でも同様の取り組みが2015年度より実施され、大いに成果を期待していたのですが、現状は導入実績がわずか2カ所のみであり、当初最低4カ所程度は導入を想定していた事業規模の半分程度の実績です。最近は上田市も積極的にこの事業をPRする姿勢が感じられないような状況であり、せっかくのよい生ごみ減量モデル事業が埋もれてしまっていると思います。 先進地である町田市では、大型生ごみ処理装置が現在65台稼働され、実証期間も含めて10年間で生ごみを推定400トン以上減量されたと伺っております。処理装置に投入した生ごみは総量の98.5%減量され、約1.5%一次生成物、すなわち堆肥のもとができ上がり、確実な成果を上げておられます。このようにごみはできるだけ発生した場所近くで自己処理できることが理想であり、家庭内で処理できない地域やケースにはこの事業はまさに現状実現できる数少ない理想的な生ごみ処理方法であり、生ごみの減量化はもちろん、それ以上に市民への生ごみ処理に関する啓蒙活動にも大きな成果を上げるのではないかと思います。ぜひ多くの皆様が利用できるよう、方法の改善やPRの推進を希望するところでございます。 そこで、市の大型生ごみ処理機の設置事業の現状の評価及び推進について伺います。まず、今までの実績に対する評価はどうか。また、今後の方針はどうか伺います。特に事業開始時に公募した箇所数に対して応募があった箇所数は少ないが、改善を行うための抜本的な対策などは検討しているのかを伺います。 先進地を参考にして大型生ごみ処理装置の設置事業の推進を図るため、市内公共施設等への導入をさらに推進し、運用実績や運用方法などの情報を蓄積する考えはあるのか、市のこれからの見解をお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 大型処理機による生ごみ堆肥化モデル事業につきましては、市が処理機をリースし、自治会や隣組などの一団となった地区で家庭から出る生ごみを共同処理するものでありまして、平成28年3月から真田地域の真田自治会、平成29年1月から半過地区の上田道と川の駅おとぎの里が開始しております。平成29年度末の実績では、真田自治会の生ごみ投入量が累計で約7トン、生成された堆肥のもとの排出量が約1.5トン、半過自治会の生ごみ投入量が約2.4トン、堆肥のもとの排出量が約0.4トンでありました。大型処理機はいつでも生ごみを投入することができるため、自宅でのにおいを気にすることなく、台所も清潔に保てるといった利点があります。さらには、モデル事業を起点として可燃ごみの減量やごみの分別への意識の高揚が図られるなどの効果があったものと受けとめております。 今後については、現在2カ所が農村部での実施でありますので、市街地を初め多様な場所に設置してノウハウの蓄積を図ってまいりたいと考えております。 次に、大型生ごみ処理機の設置をふやす対策でありますが、これまでも事業への問い合わせは複数あり、説明もしてまいりましたが、設置場所や堆肥のもとの処理、また日常の維持管理などにおける手間などの課題があり、新たな設置には至っておりません。これらの課題に対する解決策を探りながら、地域において受け入れやすい制度の見直しを検討することで事業の推進を図ってまいりたいと考えております。 次に、大型生ごみ処理機の市内公共施設等への導入についてであります。市街地においては大型生ごみ処理機の設置場所は大きな課題でもあるため、学校などを含む公共施設への設置については有効な手段であると考えられます。学校などの公共施設に大型処理機が設置できれば、その施設を拠点とした新しい地域コミュニティーの形成なども期待できますので、関係する部局との調整を図りながら設置について検討してまいりたいと考えております。 なお、お尋ねの大型処理機による生ごみ堆肥化モデル事業とは別に、事業系の生ごみの適正な自己処理を目的として、既に一部の小学校や保育園、食事を提供する公共施設には生ごみ処理機の設置が進んでおり、生ごみの堆肥化が行われているところでございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。私も地元の自治会でこの大型処理機を導入する提案をしたのですが、市民の皆さんやはり情報不足から来る大きな誤解が多くて、なかなか実現にはできませんでした。先ほどご説明した町田市では、そのような誤解をなくすための担当の専門員、そしていつでも市民の皆さんが見られるような実機の配置、そしていろいろな多様な要望に対して10キロぐらいの小さい機械から実証実験で導入を図っているということで、よりきめ細かい推進を希望するところでございます。 次の質問に移ります。今回生ごみの減量化に関する質問を準備するために多くの方々にお会いいたした中で、一番関心を持っていただいたのは市民の皆さん、特に女性と高齢者の方々でございました。皆さんは資源循環型施設の更新について、上田市長がかわり新たな展開が始まることを期待されておられ、同時に自分たちでもできる範囲でごみの排出を抑制する努力を行う決意やご意見をたくさんいただきました。大変ありがたく、私たち議員も資源循環型施設の早期実現に尽力し、率先してごみの減量化に取り組まなければならないと改めて感じた次第であります。 環境省が実施した平成28年度一般廃棄物処理事業実態調査では、長野県は3年連続で1名1日当たりのごみ排出量が822グラムで日本一になりました。上田市は710グラム、県内19市中4位、1位はお隣の東御市の605グラムでした。また、リサイクル率では長野県平均22.1%に対して27.1%の3位など、ごみ減量、再資源化に向けた一定の成果はあらわれているとは思いますが、今後さらにごみの減量化に向けて各政策の充実、推進を図らなければなりません。そのために、市民の皆様へご理解とご協力は必要不可欠であり、啓蒙PR活動は大切だと考えます。 そこで、日常生活で基本的によく使用する生ごみ処理に関する2点について伺います。まず、生ごみ専用回収袋の採用について伺います。ご承知のように、現在の区分は基本的に燃えるもの、燃えないもの、危険物の3種類です。私は、さらにごみの減量化、資源化を推進するためには生ごみの専用の回収袋を採用することは必要であると考えます。また、新たな生ごみ専用回収袋には水分を絞り込む機能などを工夫し、大きさも現状の燃えるごみの回収袋の小サイズ、約15リットルよりも小さいサイズの回収袋も作成することで、今後増加が見込まれる高齢者世帯や単身世帯にも生ごみの回収処理がしやすいように配慮すべきと考えますが、市の見解を伺います。 また、生ごみは捨てる前に一絞り水分を抜く手間をするだけで約10%以上重量が減ると言われています。一般的に生ごみの七、八十%が水分と言われ、いかに水分を抜いて回収袋に入れていただくのかが重要なポイントになるそうです。そこで、家庭内の生ごみを一時的に保管している三角コーナーや水切り器などを市民の皆様に配布して、水分量の削減のご協力をいただきながらごみの減量化を実現することができないでしょうか。最近では便利な製品も開発され、三角コーナーがシリコン製で柔らかくつくられており、生ごみを捨てる際もそのまま手で絞って水切りを簡単に実行できるなど、すぐれたアイデア商品もたくさんあるようです。そのための経費捻出に関しても、生ごみの水分をご家庭でしっかり抜いていただくことで回収費や処理費などの経費も大幅に削減されることが予想でき、その費用で十分対応することが可能だと考えます。 以上2点上田市の今後のお考えをお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 現在上田市の燃やせるごみ指定袋は大、中、小の3種類ありまして、それぞれの容量は50リットル、25リットル、15リットルと、それぞれのご家庭の状況に応じてご利用いただいております。家庭用指定袋の過去5年間の販売状況の動向を見ますと、大、中の袋の販売枚数が減少してきているのに対し、小の袋の販売枚数が少しずつではありますが、増加してきている状況であります。これは、この5年間の平均世帯人数が2.47人から2.38人と核家族化が進行していることのほか、ごみの適正な分別や減量に対する取り組みが浸透したことにより、袋のサイズダウンが進んだことも要因の一つと考えております。 ご質問の生ごみ専用の袋の導入については、生ごみの堆肥化などの目的があって必要となるものでありますので、現段階においては導入の考えはございません。また、小の袋より小さい少量排出者向けの袋については、市民の皆様の要望をお聞きする中で検討してまいります。 次に、三角コーナーや水切り機器を市民に配布し生ごみの減量化に役立てる考えはどうかであります。一般的に生ごみの70から80%が水分と言われており、生ごみの水分をよく切るだけで重さを10%程度減らすことができます。また、水分が少なくなると嫌なにおいが減ることや、ごみが軽くなってごみ出しが楽になること、集積所が清潔に保たれるなどさまざまな利点が挙げられます。議員からご提案の水切り機器についてはさまざまな商品があり、利用者からは容易に水切りができるとのお話もお聞きしております。三角コーナーや水切り機器を単に配布する考えはありませんが、モニターなどにより利便性や有効性、継続使用などが確認できれば、例えばイベント会場などで販売促進品として頒布などさまざまに検討してまいりたいと考えております。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。残念ながらなかなかそのような考えは現状ないということでございました。 時間も少なくなってまいりましたので、次の質問に移ります。具体的な現状施策の確認及び提言をしてまいりましたが、次の質問は、生ごみを再資源化、再利用化できる循環型リサイクル体制の構築の実現に向けた第1段階目の具体的な活動に関する質問をいたします。 まず、先ほど質問で生ごみの専用袋の採用に関して伺いましたが、生ごみは新たな方法で分別回収すべきだと考えています。近年先進地域でのごみ処理に関する多くの自治体は、生ごみは他の廃棄されるごみとは完全に分けて分別回収されておられます。また、その際にできれば週3回程度回収していただければ市民の皆様も大変助かりますし、悪臭や腐敗などの問題も軽減されると思います。早期回収はその後の再資源化するためにも大変有効な手段であるとも考えています。 しかし、先ほどもご答弁にあったように、残念ながら現状では大量の生ごみを再資源化する具体的な施策実現は難しく、最終的には焼却処分することにしても、その前段階で水分調整することで効率のよい燃焼効果を実現することが可能となります。生ごみの再資源化に向けた具体的な施策の第一歩として、分別回収体制に関して市の見解を伺います。 次に、生ごみの再資源化に関しては現在さまざまな方法が研究され、実証実験なども多くの自治体で実施されていますが、総務省の調査によると、メタンガス抽出によるエネルギー資源化率は全国的にはわずか0.07%程度であり、その後の残渣の処理などが必要なことから、やはり堆肥化して再利用することが一番多く、バイオマスエネルギーを推進するにしても、循環型エネルギー体制構築では肥料化は一番自然な形だと考えます。 そこで、さまざまな生ごみ処理の最新技術の研究を上田市としても真剣に検討すべきだと考えております。上田市内には信州大学を初めとした研究機関機能を持った各大学や優秀な民間企業、JA初め農業関係者の方々、そして市民の皆様など実に多くの方々がさまざまな取り組みを研究、実践され、成果も上げておられます。そのような皆様にご協力をいただき、上田地域で一番的確に生ごみ処理を検討する研究機関を上田市が率先して立ち上げることで、一日でも早く大量の生ごみの資源化を実現すべきであり、その環境整備は行政しかできない重要な役割ではないでしょうか。市長が提案されるまさに市民政策集団であり、積極的に協力を求めるべきと考えます。 並行して再資源化した堆肥をうまく活用する体制構築も確立する必要があると考えます。せっかく堆肥化しても活用されず、在庫の山ができるようでは問題です。しかし、実際に多くの地域ではこのような問題が多発しており、生ごみの再利用を実現するためには、でき上がった堆肥を活用していただく窓口の確保、出口戦略は重要であります。この分野でもJA初め農業関係者はもちろん、市民の皆様ともこの課題に関しても早急に協議する必要があると考えますが、上田市の見解をお伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 生ごみの分別収集につきましては、生ごみだけを専用車両で集めて資源化を容易にするために行うものでありますので、市民の皆様には新たな分別が、また市には分別処理に係る新たなコストといった手間や負担が発生いたします。また、生ごみの資源化については、例えば堆肥化施設を検討するにしましても、その前提となる施設の臭気対策、収集システムの構築、生成される堆肥の有効活用といった点、そして何よりも施設の設置場所の選定が大きな課題となります。市では生ごみのリサイクルシステムづくりについて、先進自治体の事例などを参考に庁内の関係課を集めて調査研究を始めたところであります。そのため、その方向性が出された上で生ごみの分別収集の検討の段階になるものと考えております。 次に、研究組織の考えについてであります。生ごみのリサイクルには市民一人一人の理解と協力があって成り立つものであり、市民協働によるシステムづくりは重要な視点であると考えております。このため、生ごみの資源化を実践している市民の知恵や最新の処理技術の動向に詳しい専門家の知見を集めるなど、体制づくりについて研究してまいりたいと考えております。 次に、堆肥化後の利用方法等につきましては、生成された堆肥が有効に利活用できる出口の確保が重要になりますので、JAや農業関係者との協力体制を構築してまいりたいと考えております。 ○議長(小林隆利君) 松山議員。          〔20番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆20番(松山賢太郎君) 上田市が平成28年度実施したごみに関する大規模かつ詳細な調査結果が可燃ごみ、燃やせるごみ指定袋の組成調査及び可燃ごみ物理組成分析としてまとめられております。まず、長期にわたりこのような詳細かつ大変な作業を調査をいただいたことに関して、関係各位に対して敬意を申し上げます。この調査では市民のごみの実態がよく把握でき、これからのごみ処理に関する課題や解決に向けた的確な指標となる大変重要な調査結果であると考えています。その調査によると、生ごみは可燃ごみの約47.1%、年間1万トン以上と推測されています。さらに、その生ごみの水分量は、上田クリーンセンターに持ち込まれたもので65.3%、丸子クリーンセンターで50.3%、平均して57.8%であり、実に可燃ごみの半分以上である5,780トン以上が水分と推測されます。仮に水分量を20%抑えることができれば、それだけで年間1,150トン以上の生ごみ処理量が軽減されるわけであります。 さらに、成分分析をすると堆肥可能な厨芥類が上田クリーンセンターでは42.8%、丸子クリーンセンターでは24.5%と、これらあくまでも調査から数値をもとに概算的な重量計算ですが、年間約3,360トンが上田市の堆肥化できる可能性がある生ごみであると私は推測します。 以上を踏まえ、市内の民間企業が生ごみ減量化や堆肥化に関する研究や製品開発をする際に市独自の支援体制を構築できないか伺います。 次に、生ごみの減量化や堆肥化施設などを市内企業が設置、運営する際に支援策を導入する考えがないかお伺いします。これは、民間企業が生ごみ処理委託事業として設置する場合と、スーパーや商社など食品流通系事業者や飲食店事業者等が自社から排出される生ごみを独自処理するための設置について2通りを想定して質問しています。 以上、上田市の今後の見解を伺い、私の一般質問を終了いたします。 ○議長(小林隆利君) 山口生活環境部長。          〔生活環境部長 山口 泰芳君登壇〕 ◎生活環境部長(山口泰芳君) 市内の民間企業が研究や製品開発する際に市独自の補助についてのご質問であります。 市には新技術の開発や新産業の創出のための研究開発の一部を助成する上田市新技術等開発事業補助金がありますので、条件が該当すれば補助の対象となりますので、ご検討いただければと考えております。 次に、民間事業者が廃棄物処理施設を設置することについて、市の支援制度はありませんが、生ごみの資源化など市の施策を推進する上で市が独自に施設を設置するよりも民間の施設を有利に活用できる場合には補助の検討も考えてまいります。また、民間事業者がみずから設置した既存の生ごみ処理施設、生ごみ堆肥化施設等を市が利用できる場合には、施設の設置場所、処理能力、コスト、堆肥の還元方法などの条件を総合的に勘案した上で、民間の力を活用していくことも考えられます。 次に、事業系生ごみ処理機の設置に伴う補助についてのご質問ですが、これについては廃棄物処理法において事業活動に伴って生じた廃棄物はみずからの責任において適正に処理しなければならないと定められております。事業系ごみの減量については、上田市ごみ処理基本計画において重要施策として位置づけられており、まずは適正な自己処理の確保と減量について周知、啓発を図ることが必要であります。その上で他市の事例や市民の意見をお聞きしながら、生ごみ処理機の事業者への助成について検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午後 零時09分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第6号、市政について、齊藤加代美議員の質問を許します。齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) まず初めに、この議場で発言させていただけること心から感謝し、初めての一般質問とさせていただきます。 それでは、通告に伴い質問は3つ進めてまいります。まず初めに、上田市立産婦人科病院の特色についてですが、BFH「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されている県内で2カ所、それも県下初18年前、2000年に認定を受けた公立病院です。病院のホームページトップでもお母さんと赤ちゃんが母乳育児に取り組めるようスタッフがお手伝いしますとはっきりと特色が打ち出されています。 私の出産の経験を少しお話しさせてください。地域の産科医の皆様やスタッフに見守られ、第1子、第2子通常の分娩で、おかげさまで母乳育児ができました。第3子は隣接する子育て支援施設ゆりかごを利用したく、上田市立産婦人科病院の前身、旧上田市産院での出産を望み、兄弟立ち会いのもと主体的なお産を体験したのが13年前です。旧産院で体験した助産師さんが寄り添い、お産前から母乳ケア等の意識づけ、出産後の心と体のケアアドバイスが間違いなく私の育児の自信へとつながりました。母親たちはお産を契機に産科医、助産師、医療スタッフの大きな支えを得て健全な育児へと移っていきます。特に母乳育児を推進する、しかも公立の赤ちゃんに優しい病院があり、隣接に信州上田医療センターが構えていてくれることは、上田市で安心した子育てのスタートができる、このことは大きな財産であり、子育てしやすいまち、イコール安心してお産ができるまちとして上田の魅力と私は確信いたしました。現に移住定住ツアーでは上田市立産婦人科病院の見学があります。この特色がきっかけで上田への移住を決めた方もいらっしゃいます。生産年齢人口の増加、少子化対策の一助も担っているとも言えます。 しかし、近年出産の高齢化、お産のスタイルの多様化、里帰り出産の受け入れなども踏まえ、私の経験したころとは母親たちの意識が時代とともに多様化していると、このごろ子育てサークル等の参加をし深く実感をしたところであります。 こうした時代の背景も重なるのでしょうか、大変残念なことに病院の理念でもある最も大切なことである母乳率が年々低下しているとお聞きしています。今も昔も変わらず命をつなぐ大切にしてきたことを根底に、中学校への出前講座、命の授業の開催等、公立だからできることを積極的に実施し、母乳育児を推進する、その理念を長期的に次世代につなげていく努力を強く願います。 そして、この理念を地域に根づかせるためには、経験豊富な先輩ママたち、パパたち、そしておばあちゃん、おじいちゃん、まさしく土屋市長がおっしゃっている市民力、共感力をおかりして仲間づくりを積極的に進め、継続可能な理念経営を行っていただきたいと願っております。 それでは、お伺いします。BFH認定「赤ちゃんにやさしい病院」についての実践について、1つ目、母乳育児支援を特色としていますが、妊産婦への母乳育児の意識づけをどのような考えで、手段で行っていますか。また、母乳育児支援を行うことにより妊産婦の意識は母乳育児へ向かっていますか。 2つ目、母乳率などによる現状把握や検証結果を踏まえた今後の取り組み等についてはどうでしょうか。 そして、3つ目、母乳育児成功のための10カ条の中に、母乳育児のためのグループを支援し、退院する母親にこのようなグループを紹介するという一条があります。市内の母乳育児グループは機能していますか。先輩ママたちと交流できる機会の提供は積極的に行われていますか。 そして、4つ目、母乳育児を志しても母乳の出が芳しくない場合のケアはちゃんと用意されていますか。 以上4件お伺いします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 上田市立産婦人科病院につきまして何点かご質問頂戴しました。 最初に、母乳育児を特色としている病院として妊婦の方への意識づけ、そして妊婦の意識が母乳育児に向かっているかのご質問でございますが、産婦人科病院は、議員のご質問にもございましたが、平成12年度にユニセフから認定を受けたBFH「赤ちゃんにやさしい病院」を基本理念とし、母乳育児を推進してまいりました。赤ちゃんに優しい病院とは、ユニセフによる母乳育児成功のための基準となる母乳育児を成功するための10カ条、これを実践する産科施設等を認定する制度でございまして、母乳育児への思いのある方、またはそうでない方も全ての母子を対象として母乳で育てることの必要性を提唱し、母乳育児に取り組めるよう支援を行う制度でございます。産婦人科病院では診療開始前のミーティングにあわせまして基準となる10カ条を全員で唱和することにより、母乳育児支援に取り組む職員の共有化を図っております。また、母乳育児支援は全スタッフが一丸となり取り組むことが不可欠でございまして、医療スタッフのみならず、産婦人科病院にかかわる全ての職員を対象として、母乳育児への意識あるいは知識向上を図るための学習会を実施しております。このように職員一人一人が母乳育児の必要性を理解し、全職員が一丸となって母乳育児推進への取り組みを進めております。 また、産婦人科病院での母乳育児推進は妊娠初期からの取り組みを開始しております。しかし、全ての妊婦の方が母乳育児に関心を示されているというわけではないため、母乳育児推進をすることが負担とならないよう、妊婦からのご要望も傾聴しながら、母乳育児のよさを伝えて少しでも母乳育児ができるように支援をすること、また母乳育児ではなくても安全で安心な出産により順調に子育てが開始できる支援に取り組むこと、これらを基本といたしまして支援に取り組んでいるところでございます。 具体的には、これらを実践するために4つの取り組みを実施しております。1つ目として、妊娠中から集団指導として母親学級への参加の呼びかけ、2つ目として、助産師外来において母乳育児への導入として乳房の手入れなどの指導、声かけ、また3つ目といたしまして、外来において出産するまで乳房の手入れができているかどうかの確認、最後に4つ目といたしまして、出産後に必要な情報は妊娠中から収集し、産後へつなげていく仕組みであります。これらを実践するに当たりまして、看護課全体で母乳育児を支援するための支援チームを編成いたしまして取り組みを進めております。 さらに、分娩を終え安堵と疲労を抱える母親の皆さんをいたわる、励ます、褒める、支える、尊敬するという意識を持ちながら母乳育児支援に取り組んでおるところでございます。 議員のご質問にもございましたが、BFHの認定を受け18年を経過いたしましたが、「赤ちゃんにやさしい病院」を基本理念としていることで産婦人科病院を分娩場所としてご選択いただける妊婦さんがおいでになること、また母乳育児支援での取り組みを切れ目なく行っていくことによりまして、母乳率も年々このところ上昇の傾向が見える状況となっております。このため、妊産婦の母乳育児に対する意識の向上も同時に図られているのではないかというふうに捉えているところでございます。 次に、母乳育児などの現状の把握、検証の結果を踏まえた今後の取り組みについてのご質問でございます。先ほど申し上げました平成12年度にBFHの認定を受けてからこの間、旧産院の存続問題、産婦人科医師の確保の状況、看護スタッフの離職など職員体制や取り巻く環境の変化によりまして母乳育児支援の取り組みが低迷し、結果として母乳率の低下を来す時期もございました。その後平成24年に上田市立産婦人科病院として移転新築をいたしまして、施設の充実や医師及び看護スタッフの確保によりまして新たな体制となりました。これを契機といたしまして、母乳育児支援の取り組みを強化するため、院内に母乳育児支援委員会を組織いたしまして、看護課を中心とした体制により母乳育児に対する調査研究の取り組みを行うことで、母乳育児率も年々向上の状況を見ております。29年度の退院時の母乳率の実績でございますが、87.0%となっております。これまでの取り組みが一定程度の成果として出ているものと受けとめております。 母乳育児は、母乳で育てることが全てではなく、母乳で育てることへの必要な知識を持ち取り組むことが「赤ちゃんにとってやさしい」という理念でありまして、このための母親や母子を取り巻く家族を含めた総合的な支援を行う取り組みとなります。 また、BFHの認定後、産婦人科病院の助産師による「命の大切さを伝える性教育」を出前講座として始めました。「命を繋ぐ、命を育む、産み育てる、それは母乳育児が原点にある」をテーマといたしまして、昨年度は市内で10の中学校に講座として実施をさせていただきました。産婦人科病院のスタッフに対しまして、この講座を聞かれた当時生徒であった方が母親となり、産婦人科病院で出産された方からは、中学生のときに参加した産婦人科病院スタッフによる講座での母乳の話を覚えている、また自分が子供を母乳で育てたので子供にも母乳で育ててほしいと思うようになったなどのお声も寄せられておるところでございます。 今後も母乳育児支援の取り組みが母乳で育てることの意味やその大切さを次世代へ紡ぐ取り組みになっていくことを期待するところでございます。 続きまして、母乳育児グループのご質問でございますが、旧産院当時出産されたお母さん方が中心となりまして設立した育児サークルは、後継者不足などから残念ながら現在は活動休止状態となっております。このような状況の中、育児サークルの再始動に向けましての取り組みといたしましては、産婦人科病院で同時期に出産された母子の集いとして、赤ちゃん同窓会を定期的に院内で開催しております。この同窓会が独自の育児サークルへと移行し、さらには出産同窓生の枠を超えまして先輩ママあるいはパパの皆さんたちを含めた新たな交流のできるサークルへ発展できるよう、継続的な開催を進めてまいりたいと考えております。 次に、母乳育児が難しい方の場合のケアについてのご質問でございますが、子育てされている方の中には時には母乳で育てることが苦痛になるといったお声をお聞きすることもございます。この一番の原因は母乳の出方が芳しくないといった母乳トラブルによるものが多く、その原因は多種多様であります。対応といたしましては、個人のトラブルを早期に発見し、助産師による母乳指導や必要に応じて医師の診断によるケアの取り組みを行っておるところでございます。また、母乳トラブルを抱えたり負担感の強いという母子の方については、看護スタッフにより母親の悩みをできるだけ負担感が少ない、そういったことが緩和されるような傾聴を行った上で、個別の対策会議により検討を行っております。 今後も退院後の支援も含めまして切れ目のない子育て支援が継続できますよう、その取り組みを進めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁いただきました。私の認識不足により母乳率が上昇していることをお聞きし、大変安心をいたしました。そして、出前講座、新規に命の授業を体験したことが自分の命を大切にできる、時を経て命をつなぐ女性である意識を育める、とても大切なことを行っていただいております。引き続き経営理念へのご努力を期待し、注視してまいりたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。お産から切れ目のない子育て支援についての質問です。核家族化の進行、共働きの増加など子育てを取り巻く環境が大きく変化する中、妊娠期、出産直後、子育て期にわたるまでそれぞれの担当部署での対応となりますが、母親が一番安心して子育てができるためには、すき間なく切れ目のない共通な観点を持って寄り添い続けてもらえる支援体制が大切であります。この件につきましては、横断的な支援ではないと心配される市民の方の声を多くお聞きいたしました。 そこで、上田市では平成28年度から子育て世代包括支援センターとしてワンストップ相談窓口を置くひとまちげんき・健康プラザ、市内中央で機能し、母子保健コーディネーター、助産師がいてくれることを知り、先進的に支援体制が整っていることがわかりました。この制度は平成27年度秋、厚生労働省から通達があり、翌年実施され、上田はいち早く取り入れていただいていることは深く評価いたします。このように継続性を持ち、寄り添った子育て支援が既に実行されていることは、子育て世代家族にとって安心した子育てにつながるものだと信じております。あわせてこのような支援体制が整っていることももっと積極的に周知があれば、より子育て世代に安心が提供できるのではないでしょうか、と考えます。 そして、さらに望むのは、新生児訪問も実施されている中、出産の退院後できる限り早い新生児訪問の実施ができれば、一番大切な時期の産後鬱等の早期発見、予防につながり、子育てがスムーズに進むことにつながると考えます。産後の心は想像以上に不安定になっています。先日も第1子が2カ月になるママは、こんな小さな子を外に出していいのか、不安でいっぱいになりながら、葛藤しながら西部公民館のプレ親子ののびのび広場に参加しました。アパートで昼間赤ちゃんと2人のことも多く、実家も遠いことから助言者も近くにおらず、数日後の新生児訪問を心待ちにしておりました。本当に困っている人は外に出られない、迷って迷ってよっぽどの覚悟を決めないと行動に移せないのです。だからこそ玄関のドアをたたいてママの心の不安に寄り添ってほしい、新生児訪問が一日でも早く実施してほしいという願いでいっぱいです。 そこで、お産から切れ目のない子育て支援について、まず最初に産後鬱の予防、早期発見のための施策について、予防や早期発見には産後2週間目のケアが今重要とされていますが、産後2週間目のケアのための施策を実行または検討されていますか、お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 産後2週間目のケアのための施策の実行または検討しているかのご質問でございますが、産後鬱病は、出産後の女性ホルモンの急激な変化などにより心身に大きな影響を受け、加えてなれない育児などのストレスや疲労で情緒不安定あるいは自信喪失などの心の不調が続いた状況により発症すると言われております。産婦の約10%に見られるとされておりまして、多くは産後一、二週間から数カ月ごろに発症をいたしまして、また最近の国の調査では、議員ご指摘のとおり、産後2週間をピークとした1カ月の短い期間にリスクが高まることがわかってきております。産後鬱病の対策として大事なことは、育児不安や育児疲れとして時期が来れば自然に治ると見過ごされてしまうことがありますので、専門職により早期に発見し、対応することが必要とされております。 上田市では産後全ての乳児と産婦に対し、助産師、保健師が病院から帰宅後なるべく早い時期に新生児訪問を実施しておりまして、この訪問時には専門の診断ツールといたしまして開発された「エジンバラ産後うつ病質問票」を用いまして産婦の心の状況も確認することとし、産婦の抱えていらっしゃる不安などに寄り添いながら、傾聴しながら支援を行っております。 新生児訪問でありますが、具体的には生後14日以内に出生届を出していただいた後、各保健センターで確認し、母子保健コーディネーター等から電話をさせていただいて具体的な日程打ち合わせをして訪問に至ると、こういった流れとなります。里帰り出産など実家からお戻りになれる期間が不確定な場合もありまして、延長されることの場合もあり、産婦の状況やご家庭の予定に合わせて必要なタイミングで新生児訪問をさせていただいております。 また、母親の不安感が強い等で出産後の様子により早目に新生児訪問が必要と思われる方に対しましては、医療機関から市へ直接連絡をいただくこともございます。そうした場合には、地区担当保健師、また母子保健コーディネーターが速やかに連携いたしまして、必要に応じて医療機関に出向き支援を開始することもございます。 また、通常出産後1カ月をめどに定期健診を医療機関で受けていただいておりますが、産後2週間ころのリスクが高い状況がわかってまいりましたことから、産後2週間目にも健診を行う、いわゆる産婦健康診査の導入が全国的にも始められてきております。このため、切れ目のない子育て支援の対応といたしまして、この産婦健康診査につきましては、上田市といたしましても今後前向きに導入を検討してまいりたいと考えておりますが、当面この10月から子育て支援施設ゆりかごにおいて母子保健担当と産婦人科病院とが協働いたしまして、専門職の助産師を派遣した産後ケア事業を実施することとしておりまして、関係経費を今議会に補正予算として計上させていただいておるところでございます。この産後ケア事業は、産後間もない時期に休養しながら育児支援、母乳指導などを受けられる事業でございまして、鬱傾向があると思われる産婦の方への支援事業としても位置づけられており、産科医療機関とより連携を密にいたしまして、産後鬱の方に対する支援につきましても進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) 前向きな取り組みをお聞きし安心をしました。このような施策についてぜひとも周知のほうもあわせてお願いいたしたいと思います。 続きまして、出産、子育て包括支援体制についてです。1つ目、平成28年度から子育て世代包括支援センター機能を導入していますが、これまでの運営状況をどのように自己評価していますか。 そして、2つ目、子育て世代包括支援センターはひとまちげんき・健康プラザうえだにおいて、助産師や看護師、保健師の連携とあわせ、母子保健コーディネーターを配置しワンストップで行われていますが、今後丸子、真田、武石地域においても母子保健コーディネーター等を配置し、強化、整備することはできないのでしょうか。 2点お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 平成28年度から子育て世代包括支援の導入を行っているが、その運営状況、そして評価についてのご質問でございますが、近年の核家族化と多様な家庭及び家族の状況等によりまして、妊娠、出産、そして子育てに至るまで限られた家庭または個人が行うといった、こういった状況も見られるところでございます。安心して妊娠期から子育て期までを過ごすために、身近な地域で必要な支援を受けることができる、またその環境が必要となってきております。 こうした社会背景の中、母子保健と子育て支援は両面からおのおの多様な支援の充実にこれまでも努めてまいりましたが、必要な情報が十分に届けられていなかったり、支援に一貫性を欠いているなどの課題等のご指摘もいただいたところでございました。また、支援には多くの関係機関がかかわりますことから、関係機関の相互での情報共有や連携をいかに密にして対応していけるかが課題となっておりました。 これらの課題があることを踏まえまして、国では子育て世代包括支援センターを各市町村に設置し、妊産婦、乳幼児の状況を継続的、包括的に把握いたしまして、必要な支援の調整や関係機関と連絡調整をし、妊産婦や乳幼児等への切れ目のない支援を提供する機能として位置づけをいたしております。 市では平成27年度10月より子育て支援コーディネーターを配置し、翌平成28年度より母子保健コーディネーターを子育て・子育ち支援課と健康推進課にそれぞれ配置いたしまして、子育て支援センターや子育てひろばの巡回等による相談事業と、支援サポートや地域の情報収集の実施を子育て支援コーディネーターが、また妊娠届からの全ての妊婦の把握とアセスメント、必要により支援プランの作成等の妊婦支援の実施を母子保健コーディネーターがそれぞれ行っております。また、それらの状況を月1回の定例会議で共有し、活動において課題となったことにつきまして検討を行うこととしております。 子育て支援コーディネーターが地域で行われている民間も含めた支援情報の収集により、母子保健コーディネーターが行っております個別支援に生かすことにつながり、子育てひろばで支援を求めておいでになる母親からスムーズに保健師、助産師への支援につなげる、こういうことができるようになったものと受けとめております。引き続き情報共有と連携によりまして早期に適切な支援に結びつける取り組みを進めてまいりたい、このように考えております。 なお、さらには産後及び妊娠中からの母子の支援といたしまして、その連携強化として、産婦人科病院の職員も会議のメンバーに加わりまして検討等を行っておるところでございます。 次に、包括支援につきまして、各地域においても整備することはできないかのご質問でございますが、平成28年度よりひとまちげんき・健康プラザに子育て世代包括支援センターを設置しておりますが、この機能は市内の全域を対象にしたものでございます。母子保健コーディネーター的役割を担う保健師が各地域の保健・健康センターに配属されておりますので、定期的に会議を実施いたしまして、センターに市内全域の状況を集約いたしております。また、地域のニーズとして専門の母子保健コーディネーターが必要な際には、随時地域に赴きまして支援を行っているところでございます。子育て支援コーディネーターにおいても、市内全域の子育て支援センターや子育てひろばを巡回いたしまして、各地域の状況を把握したり、支援のサポートを実施しているところでございます。さらに、各地域の保健センターや子育て支援センターにおいても、それぞれ連携、協力体制をとりながら支援をしておるところでございます。 したがいまして、当面はこの体制を継続いたしまして、お住まいの地域によってサービスに差を来さぬように行うとともに、子育てにかかわる皆さんの不安感や心配事が解消されるよう、安心して子育てができるよう、今後とも母子保健と子育て支援の連携を密にしながら、効果的な、総合的な支援に努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員。          〔7番 齊藤 加代美君登壇〕 ◆7番(齊藤加代美君) ご答弁をいただきました。引き続き強化、整備を期待いたします。 続きまして、3つ目の質問です。公共施設の利用についてです。市内には多くの公共施設や芝生公園があり、子育て世代から、そしてシニアの学習の場としてさまざまな幅広い利用があり、特に公民館などは地域特性が発揮できる市民力が結束した生きがいの場として、自由大学運動の発祥地らしい活発な利用がされていると感じております。 しかし、この3月政治活動中、こんな上田になったらいいなと多くの方のご意見をお聞きした際、若いお母さんたちが大変活躍する真田地域において、公共施設の利用を統一性を持って使わせてほしい、活躍できる場を提供、行政がもっと理解してくれたらいいなと要望がありました。その内容をお聞きすると、若い世代の方たちは今までの公共施設の利用の方法とは違った観点で新しいアイデアで利用する、いわば目的外利用に当たるものでした。その新しい利用の一例として、近年地域で開催されている手づくりマルシェ、フランス語で市場という意味があります。この上田地域でも「別所線と走ろう、歩こう」、真田地域では「さとのわマルシェ」、丸子地域では信州国際音楽村ルネッサンスなどで開催されたばかりです。それらのマルシェでは、地域で活動、活躍する女性たちの多いことに大変驚かされます。それらはいずれも施設の外の広場を使った催し物になります。 そこで、どの場所がどうやって利用できるのか、料金は幾らなのか調べてみると、このような具体的な利用に当たっては利用条件や利用料金等について条例を調べなくてはならず、なかなか見つかりにくく、積極的に公開されているものではありませんでした。また、同じ施設や敷地を利用する場合でも別に目的外利用の手続が必要な場合もあることから、利用希望者が理解するのに大変時間を要してしまったようです。 土屋市長の施政方針の1つ目のまちづくりの視点、市民が主役、市民力を高めるまちづくり、それを市民の皆様が実践していただくためには、多様化する施設利用要望に柔軟な対応が求められると考えられます。 多様化する施設利用要望対応についてのご質問です。1つ目です。今後も公共施設の中庭や芝生広場を利用してマルシェなどのイベントを開催したいといった利用要望が多くあると考えます。利用者視点に立った利用方法をもっとわかりやすく、周知方法や目的外利用についての施設間の統一的な対応が必要と考えますが、いかがですか、伺います。 そして、2つ目、文化交流施設サントミューゼの交流芝生広場は立地条件や規模から利用価値が大変高い場所であると考えますが、一般のイベント利用、販売を含む場合についてどのように考えているのか、2点お伺いいたします。 私の一般質問をこの質問を最後とさせていただきます。 ○議長(小林隆利君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 私からは公共施設の中庭や芝生広場について、利用方法のわかりやすい周知、また目的外利用について施設間の統一的な対応がとれないかについてご答弁申し上げます。 公共施設の中庭や芝生広場などには、貸し付けや使用のために設置されている場所とそれ以外の場所がございます。このうち貸し付けや使用のために設置されている場所につきましては、議員ご指摘のとおり、それぞれ条例に使用手続と使用料などが定められておりますが、これらの情報についてご利用の皆様のニーズを踏まえた上で利用者視点に立ったわかりやすいものとなるよう、周知方法の工夫に努めてまいります。 一方、貸し付けや使用のために設置されている場所以外の中庭や広場につきましては、行政財産の一部となっておりまして、緑地などの目的や用途、こういったものを持った場所でございます。これらの行政財産を本来の用途や目的以外で使用する場合は、行政財産の目的外使用の手続により許可を受けていただく必要がございます。この使用許可の可否につきましては、施設を所管する財産管理者が条例や規則に定められた規定に基づき判断をしておりますけれども、具体的にはその使用が行政財産の用途または目的を妨げないものである場合や、行政財産の効用を助長させる場合に例外的に一時的な使用の許可ができることとなっております。 このように行政財産の目的外使用の許可につきましては、その性質上、施設ごとの状況等により個別の判断が必要となりますことから、施設間の統一的な対応は難しい状況でありますけれども、使用に関するお問い合わせや手続に対する窓口での説明をわかりやすく行う、こういった対応に心がけてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 私からは以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 私からはサントミューゼの芝生広場についてご答弁申し上げます。 サントミューゼの芝生広場は、交流芝生広場といたしまして、市民の皆様が自由に行き来し、使うことができる広場として開放しております。また、大ホールや小ホール等における有事の際の避難場所としての位置づけにもなっております。現在親子連れでのピクニックや散歩コースとしての使用、また学生によるサッカーやダンスの練習、学校行事等での集合場所等多様な使い方をしていただいております。 一方、多くの方に自由に使っていただく広場として開放しておりますことから、芝生広場のみを占有して使っていただくことはご遠慮いただいております。ホールの使用者が関連イベント等で使用する場合ですとか、昼食場所等としての使用については認めているところでございます。 しかしながら、議員ご指摘のとおり、芝生広場を使用したいというご要望はこれまでもいただいておりますので、今後は育成と芸術文化の振興を基本理念に掲げるサントミューゼの設置趣旨を踏まえまして、市民の憩いの場としての使用はもちろんのこと、にぎわいの創出につながる有効な利活用について、ご要望をお聞きする中で対応してまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 齊藤加代美議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時40分   休憩                       ◇                                午後 1時55分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇
    △(5)市政について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第7号、市政について、松尾議員の質問を許します。松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 通告に従い順次質問してまいります。 まず初めに、防災拠点としての指定避難所等への公衆無線LAN、ワイファイを整備することについて伺います。東日本大震災は広域にわたって多くの家屋や公共施設などが大きな被害を受け廃墟となりました。その結果、広範囲にわたって通信が途絶しました。通信途絶は津波による災害に限ったことではなく、地震による大規模な災害の発生や集中豪雨による土砂災害などが原因になるため、上田市においても通信途絶の可能性はあるということでございます。また、災害が発生し、通信設備に被害が及んだ場合、その被災地に対して通信ネットワークのふくそう状態になります。ふくそうとは寄り集まって混み合うことですが、東日本大震災の際にはNTTの通信ネットワークは通常時の約9倍、携帯事業者によっては50倍から60倍になったということでございます。固定電話、携帯電話ともに通信回線上で一定時間内に転送されるデータ量が極端に増大し、警察や消防などの緊急通信や有線電話などの重要通信への影響も懸念されます。災害発生時に通信ネットワークのふくそうを軽減するために、メールや災害用伝言板など回線使用効率がいいパケット通信を利用することが有効と考えられておりますけれども、そのためにはインターネット環境の整備が必要になります。 こういったことから、災害時に必要な情報伝達手段を確保することは大変重要な課題であり、上田市においては指定避難所等に公衆無線LAN、ワイファイを整備することが有効と考えます。 そこで、第1問として、既に観光拠点としてではありますが、上田市内で8カ所に公衆無線LAN、ワイファイが設置されております。これらの施設の公衆無線LANの整備の経緯についてはさまざまあると伺っておりまして、防災拠点としての指定避難所等への公衆無線LANを整備するという趣旨では参考にならないと思いますけれども、観光等の情報の伝達、収集手段だけでなく、災害時においても市内外から来られた方や外国から来られた方にも利用していただけるという利点があると思います。上田市内で公衆無線LANが整備された8カ所の具体的な施設はどこか、また広く周知をするという意味で改めてお伺いいたします。 また、上田市においては災害発生時には災害の危険から逃れるため指定緊急避難場所と被災者が一定期間滞在し、生活環境を確保するための指定避難所があります。指定避難所は従来の広域避難場所に当たり、市内全ての小中学校が指定避難所になっていることから、市内全ての小中学校への公衆無線LANの整備が考えられます。上田市においては小中学校の多くは体育館が指定場所になっております。公衆無線LANは防災の観点から小中学校への整備が考えられるわけですけれども、平時の活用を考慮してICT教育も見据えた整備が必要になります。 そこで、まず市内の小中学校の教科指導におけるICT活用の現状について伺います。小中学校の普通教室における公衆無線LAN、ワイファイの整備状況、先生によるICT活用、また児童生徒によるICT活用についての現状はどうか伺います。 さらに、次期指導要領の導入により小学校でプログラミング教育が必須とされることや、各教科の中でICTを活用する必要性や効果をどのように捉えているのか、また今後の取り組みについてどうかお伺いをいたしまして、1問とさせていただきます。 ○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 公衆無線LANの整備についてご質問を頂戴いたしました。 議員ご指摘のとおり、公衆無線LANは観光などの情報の伝達、収集手段だけではなく、災害時におきましても市内外や外国から来られた方にも大変有効な情報伝達手段と認識をしております。現在上田市内では観光施設を中心に8カ所公衆無線LANが設置されておりまして、場所とすれば、上田市観光会館、上田駅観光案内所、上田城跡公園、鹿教湯温泉交流センター、クアハウスかけゆ、サニアパーク、ゆきむら夢工房、あさつゆ、以上の8カ所でございます。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 私からは小中学校のICT活用の現状について答弁をさせていただきます。 最初に、小中学校の普通教室におきます公衆無線LANの整備状況についてでございます。現在各小中学校にパソコン教室がございまして、授業中等に児童生徒が高速インターネットに接続できる環境整備が整っております。また、普通教室への大型モニターの整備や特別支援学級へのタブレットパソコンの全小中学校への整備が完了しておりまして、特別支援学級におきましては無線LANの環境が整っております。 しかしながら、普通教室におきます公衆無線LANについては今のところ整備が進んでいない状況でございます。今後無線LANを整備する場合には、学習環境を守るため、通常は限られた機器のみアクセスできる無線LANを整備して、災害時などには外部の方もアクセスできる公衆無線LANに切りかえるなどの対応ができるシステムの構築が必要でないかと考えております。 続きまして、ICTの活用の現状でございますが、国が行っております教員へのICT指導活用力調査の結果からは、教材研究、指導の準備、評価などにICTを活用する能力や授業中にICTを活用して指導する能力などに自信を持つ教員が上田市でもふえている状況がうかがえます。また、児童生徒についてもインターネットを活用しての学習の際の調査や資料づくりなどを行っております。 次に、ICT活用の重要性についてのご質問でございますが、小学校では平成32年度から完全実施されます新学習指導要領におきましてプログラミング教育が新たに導入されるなど、情報活用能力が重要視されていることから、今後ますます教育現場におけるICT活用が必要になると認識をしております。 効果につきましては、ICT機器を活用することで情報手段の基本的な操作の習得に関する学習活動及びプログラミングの体験を通して論理的思考力を身につけることにつながっていくものと考えております。 今後の取り組みについてでございますが、教育委員会といたしましては、教員のICT活用能力を伸ばすために、今年度は地区ごとにタブレットパソコンの使い方の研修を行うほか、夏には情報教育研修会を計画しておりまして、情報教育の現状に関する講演会や教員による実践発表などを行う予定でございます。 機器の整備につきましては、小学校の普通教室に教材提示装置の整備を計画しておりまして、大型モニターと組み合わせて活用することにより、自分の作品やノートなどを瞬時に画面に映して発表するなど、児童の授業への関心や集中力が高まり、学力向上にもつながるものと期待をしております。 また、パソコン教室にございますデスクトップ型のパソコンのOSの更新を順次迎えることから、今後無線LANにも対応する機種も現在のパソコンの後継機の候補の一つとして考えられますので、関係各所と導入機器について協議の上、整備を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) それでは、指定避難所となっている市内の全小中学校に公衆無線LANを整備するための概算の費用、総額はどれくらいか、また小中学校の数についてもお伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) まず、公衆無線LANを整備する財源でございますけれども、総務省の防災等に資するWi―Fi環境の整備計画に基づく補助制度がございます。この補助制度では、整備した公衆無線LANの災害時における活用だけではなく、平時においても観光関連情報の収集や教育での活用などによりまして、利便性の向上を図れることとしております。 ご質問の指定避難所となっている市内の小中学校の数でありますが、小学校が25校、中学校は10校でございます。 総務省の補助制度を活用して災害時の指定避難所となります小中学校の体育館全部に公衆無線LANを整備するとした場合の事業費でありますけれども、約8,000万円と試算をしておりまして、補助率は事業費の2分の1ということでございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁いただきました。市内の全小中学校への公衆無線LANの整備費用についてお答えいただきましたけれども、学校等への公衆無線LAN、今後を考えますと普通教室での使用も想定してということが課題になるかと思います。総務省の防災等に資するWi―Fi環境の整備計画と、また一方で文部科学省が進めるICTの環境整備計画があります。 そこで、指定避難所等への公衆無線LANを整備することによって次世代を担う子供たちの教育にも広く活用できることについて市の考えや見解をお伺いいたします。また、学校現場において災害時の利用と平時の利用を想定しながら、国の補助制度を活用して必要な公衆無線LANの整備をすべきと考えますが、市のお考えをお伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 国の2つの補助制度の活用による公衆無線LANの整備でございますけれども、議員ご提案のとおり、災害時の指定避難所となります市内の全小中学校の体育館に公衆無線LANを整備することは、有事の際に大変有効であると考えております。また、災害時における使用にとどまらず、平時におきましては教育環境においても効果的な利活用が可能となりますことから、事業効果の高い取り組みと捉えております。 総務省の補助制度とは別の新たな枠組みといたしまして、文部科学省では新学習指導要領の実施を見据え、教育のICT化に向けた環境整備5か年計画を策定いたしました。この計画により無線LANの整備、学習用及び指導者用コンピュータ整備など、2018年以降におけるICT環境の整備方針において目標とされている水準に必要な経費として、2022年度までの5年間にわたり単年度1,800億円余の地方財政措置を講じることとしております。 上田市といたしましては、総務省と文部科学省の補助制度の有効活用を含めまして、平時における教育分野、さらには観光振興等での活用も視野に、市全体としての整備方針を定める中で計画的に公衆無線LANの整備を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁をいただきました。 次に、さらなるバリアフリー化を進めるための質問をしてまいります。高齢者や障害者が円滑に移動できる社会を目指すバリアフリー法が12年ぶりに改正されました。急速な人口減少、少子高齢化に対応することでバリアフリー化を一段と加速させることが目的とのことです。上田市においては、障害者基本法やバリアフリー法、長野県の福祉のまちづくり条例に基づいて、施設の新設等はユニバーサルデザインを取り入れ、また既存の施設については、その施設の管理する部署が予算の範囲でバリアフリー化に向けて改修をしているとのことです。 第二次上田市総合計画の住民アンケート調査結果報告書の中で、土地利用に対する住民の意向について、将来どのような地域になることを希望するかとの問いに対し、高齢者、障害者が暮らしやすいまちと回答された方が最も多く、63.5%となっておりました。年代別の回答でも全ての年代が50%を超えております。また、同じアンケートで市の全般的な施策や事業に対する評価で、市の施策に対する満足度の問いでは、身近な生活道路や主要幹線道路の整備や鉄道、バスなどの公共交通の利便性に対する満足度が目立って低い結果となっております。さらに、現在公明党では全国の議員が中心となって100万人訪問調査運動を行っており、そうした際、私自身も障害のあるなしにかかわらず、さまざまな方から市内の公共施設等も含めてバリアフリー化が十分でないとご意見を伺っております。同じ視点に立ってみないと気がつかない箇所も多いと感じておりまして、施設の利用者のうち障害のある方などを対象とした調査を行うべきと考えます。 そこで、伺います。これまで既存の公共施設のバリアフリー化について、バリアフリー新法や長野県福祉のまちづくり条例の施行規則に基づき適正に整備を行っているというふうに伺っておりますけれども、整備を進めてこられた経過で既存の施設別の実情や利用者ニーズの調査は行っているのか。また、定期的、継続的に把握するための方法についてはどうか。また、現在の法令や県条例の施行前に建設した施設には現行の整備基準を満たしていないものがあります。こういった施設のバリアフリー化への実施状況はどうか。今後バリアフリー化を行う施設の選定に対する考えはどうか。さらに、公共交通のバリアフリー化に向けた実施状況はどうか、お伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 公共施設と公共交通のバリアフリー化に向けた実施状況などについてのご質問をいただきました。 バリアフリーに関しましては、高齢者や障害者などの自立した日常生活や社会生活を確保するために、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー新法ということで平成18年に施行されました。さらに、議員ご指摘のように12年ぶりに改正されまして、本年5月に改正法が公布されておるところでございます。これらバリアフリー法では、学校等公共施設を含めた建築物、道路、公園などの公共施設、駅や車両等の旅客施設等が対象となっております。また、運用に当たっては一定の基準を満たす施設という規定はございますが、新設、改良時の場合はバリアフリーが義務化されておりまして、既存施設については努力義務となっております。 また、今回の改正では新たに市町村がバリアフリー方針を定めるマスタープラン制度が創設されております。公共施設のバリアフリー化につきましては、安全、安心な暮らしやすいまちづくりにつながる重要な施策でありまして、上田市におきましてもこれまで積極的に取り組んでまいりました。 公共施設のうち建築物のバリアフリー化の実情につきましては、バリアフリー法や長野県福祉のまちづくり条例などに基づきまして、新営施設については現行法令の基準を満たすよう整備しておりますが、既存施設の中には現在の基準を満たしていない施設も当然ございます。 バリアフリーに関する利用者ニーズの把握につきましては、施設を所管する担当課において、日ごろ当該施設を利用する関係団体からのご意見やご利用者からのご要望をいただく中でニーズ把握に努めております。今後においても機会を捉えて適時ニーズ把握に努めてまいりたいと考えております。 既存施設のバリアフリー化につきましては、各施設の利用者ニーズを踏まえ、担当課において実施箇所の選定を行い、適時バリアフリー化の実施に努めているところであり、引き続き基準への適合に向け努力してまいりたいと考えております。 公共交通のバリアフリー化につきましては、特に平均利用者が1日3,000人以上の鉄道駅にエレベーターなどのバリアフリー化施設の整備に関する努力義務が課せられておりまして、既にJR上田駅、しなの鉄道上田駅にはエレベーターが整備され、バリアフリー化がなされております。これらのほか、平均利用者が1日3,000人未満の駅ではありますが、しなの鉄道信濃国分寺駅においてもエレベーターが整備されております。 次に、公共交通のバスのバリアフリー化に関しては、バリアフリー法に基づく公共交通移動等円滑化基準では、床面の地上からの高さは650ミリメートル以下でなければならないとされております。現行市内で運行しております市営バスと路線バスの車両は、小型バスを除いて全体で58台、そのうち床面高さ350ミリ程度のノンステップバスが13台、床面高さ530ミリメートル程度のワンステップバスが42台となっておりまして、90%以上の車両についてバリアフリーの現行基準を満たしている状況でございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) それぞれ取り組みの現状について答弁をいただきました。 続いて、次の質問に参ります。建築物のバリアフリー化がそれぞれ取り組まれていても、高齢者や障害のある方等が移動する際に障壁を感じることが多いとお聞きをしております。こういったことがさきの住民アンケートの住民の意向として高齢者、障害者が暮らしやすいまちになること、つまりハードやソフト整備を含めた一体的なまちづくりを希望しているという結果につながっているのではないでしょうか。 そこで、移動の際、駅や公共交通等の障壁の解消や軽減に対する取り組みについては民間の協力を得て取り組むことが必要です。さらに、改正バリアフリー法では、公共交通事業者等によるハード、ソフト両面の対策計画の作成や取り組み状況の報告及び公表を国から義務づけられております。今後市は民間事業者との連携、協力についてどんなことを行うべきと考えているのか、お伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 駅や公共交通等のバリアフリー化に向けて市の役割についてのご質問でございます。 先ほども少し触れましたけれども、鉄道駅についてのバリアフリー法に基づく国の基本方針においては、平均利用者3,000人以上の駅はエレベーターなどのバリアフリー化施設を整備する努力義務が課されております。現在市内の鉄道駅につきましては、JRの上田駅、しなの鉄道の上田駅、大屋駅、信濃国分寺駅、西上田駅の4駅、上田電鉄別所線の上田駅から別所温泉駅まで15駅、合計20駅がございます。このうち駅利用者が3,000人以上の駅はJRの上田駅としなの鉄道上田駅の2駅でありまして、先ほど申し上げましたが、エレベーターや点状ブロック等の転落防止施設が整備されておるところでございます。 なお、平均利用者数1日3,000人未満の駅におきましては、しなの鉄道の信濃国分寺駅でエレベーターが設置されておりますが、その他の駅におきましては、当面エレベーターを初め接触防止のホームドアなどの施設整備を予定していないというふうにお聞きしております。現時点では利用者が少ない駅におきましてバリアフリー化がなされていないことから、高齢者、障害をお持ちの方の乗降に支障が生じているものと認識しているとともに、利用者の利便性の向上を図り、利用促進を図るためには、利用者が少ない駅においても今後バリアフリー化を進めていくことが重要であるというふうに認識をしております。また、今回の法改正によりましてバリアフリー情報の積極的な提供がうたわれていることなどから、こうした対応も必要になってくるものと考えております。 ただし、鉄道事業者の経営は大変厳しく、単独で速やかにハード整備に対応することが困難な状況であることから、市といたしましては今後バリアフリー化を積極的に推進するため、国の補助制度の充実について現在市長会なども通じて国へ要望しているところでもありますが、さらに機会を捉えて強く要望してまいりたいと考えております。 次に、公共交通のバスにおける現時点におけるバリアフリー化に関しましては、先ほどもお答えしたとおりでございますが、今後高齢者等の乗りおりに配慮したバスを100%整備するためには相応の費用を要することになりますので、市といたしましては、今後このことに対する運行事業者の理解と協力を得るとともに、国や県の補助事業など財源確保に努めてまいりたいと考えております。 いずれにしましても、今回の法改正によりましてさらにバリアフリー化に対する要請が高まってまいりますので、基準の改定や国の制度等に注視をしてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 改正バリアフリー法では、国に障害のある方等が参画してバリアフリー施策を評価してもらう会議の開催が義務づけられております。高齢化社会に対応するため、こうした組織や仕組みづくりを上田市においても設置することについての見解はどうか。また、こうした組織等の会議で挙げられるさまざまな障害特性に応じた意見や要望を適切に反映されるよう、庁内横断的な組織を設置し一元的に検討するべきと考えるが、市の見解はどうか、お伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 改めてバリアフリーという言葉について申し上げますと、皆さん既にご承知のこととは存じますが、高齢者や障害者が社会生活を送る上で障害物を取り除くという意味であり、当初は道路や建物の段差や仕切りをなくすといった物理的な概念を指していましたが、現在では社会制度、人々の意識、情報提供などに生ずるさまざまな障害を取り除くといった精神的な概念も含めた言葉となっています。 障害者の動向につきましては、昨年の6月定例会で身体障害者の高年齢化について松尾議員の質問にお答えをしたところでありまして、また現在上田市の高齢化率は約30%となっています。今後も高齢化は進行し、特に介護が必要となる可能性が高い後期高齢者数の増加が見込まれています。 こういった状況を踏まえ、各種施策を担当する全所属、さらには職員一人一人が物理的、精神的双方のバリアフリーの概念を念頭に置き、共感力を持って施策を実行していくことが大変重要な時代となってきていると認識をしております。バリアフリーの概念の一つである物理的な障害の除去になりますが、各施設を担当するそれぞれの課において基本的にバリアフリー法を遵守し対応をしているところです。 議員からご提言のありました評価をするための仕組みづくり、今回は国の責務としての努力義務というふうに理解をしているところでございますが、市政全般を含め公共施設や道路等に関しては、現在市長への手紙のほか、各施設において手法は異なりますけれども、アンケートあるいは使用簿の活用等により利用者からご意見等をいただき、施設運営や整備に反映するよう努めております。利用者のご意見を大切にするとともに、まずはバリアフリー化を通じて誰もが利用しやすい施設環境にするといった組織的な意識づけが大切であると認識をしております。 また、一元的に検討する庁内横断的な組織とは、公共施設を所管する担当課を初めとした関係部署が連携した庁内検討委員会というイメージというふうに理解をいたしましたが、何と申しましても全部局がそれぞれ障害者、高齢者が安全かつ円滑に利用できるバリアフリーな環境は障害の有無、性別、年齢にかかわらず誰もが住みよいまちづくりになるという共通認識を持ち、公共施設のバリアフリー化を進めていくことが重要であると考えております。 その一つとして、職員を対象に平成27年度から障害に対しての理解を深め、障害特性に応じた対応がとれるよう、意識啓発を目的とした研修を継続して行ってきております。また、昨年度には認知症について正しく理解し、職務に生かすことを目的にした研修も実施いたしました。今後もこのような職員研修を活用し、バリアフリーは障害者や高齢者のためのことといった固定観念を突き崩し、年齢や障害等の有無によって分け隔てられることなく、全ての人が安全に暮らせる社会をつくることという考えが根づくよう、まずは職員の意識改革に努めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、社会的障壁を取り除き、障害や年齢にかかわらず誰もが住みよいまちづくりには、施設整備といったハード整備以外に心の優しさや思いやりといった心の啓発であるソフト事業が重要であることから、心のバリアフリーについても推進してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) 答弁をいただきました。 今国会で改正バリアフリー法が可決された背景には、障害者が十分に社会参加できる共生社会の実現に向けた取り組みを全国各地で推進する必要があり、特に地方は一体的なバリアフリー化が進んでいないとの認識があるためであります。国ではこれまでバリアフリー化を推進するため、各市町村にバリアフリー基本構想の策定を促しております。国土交通省は各市町村を対象としたバリアフリー基本構想策定の意向調査を行っております。その調査結果では、上田市は平成22年度には今後基本構想を作成していく予定という回答をされておりますけれども、その後の調査では予定はしていないとの回答に変わってしまっております。 そこで、この調査で当初基本構想策定予定としたことや、その後策定しないと変更した経緯についてお伺いします。 また、都市再生特別措置法の改正に伴い、立地適正化計画制度が創設されました。現在上田市では人口減少や超高齢化社会を見据えて、上田市立地適正化計画の策定を進めております。上田市版のコンパクトシティー形成を推進するため、居住機能や医療、福祉、商業などの都市機能の立地、また公共交通の充実等を包括的に計画するものとお聞きしております。そういった意味でも市内各地域間のネットワークの環境整備が重要になります。これまでの質問から上田市においても市民目線で一体的、計画的なバリアフリーが進んでいないという現状がありました。また、公共交通事業者には国からハード、ソフト両面からの対策計画の策定や取り組み状況の報告、公表などを義務づけられていること、さらに高齢化社会に対応した移動環境の整備をするためには、公共交通事業者等との連携、協力が欠かせないなどの視点から、高齢者や障害者等がバリアフリーについて話し合う機会がぜひとも必要であると考えております。 そこで、立地適正化計画を具体的に進めるための施策の一つとして、高齢者や障害者が参画するバリアフリー施策の協議会等の設置を義務づけているバリアフリー基本構想を上田市でも策定し、さらに心の優しさや思いやりのあふれるまちづくりを目指すべきと考えるが、市の見解をお伺いいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 国土交通省のバリアフリー基本構想の策定調査について、回答を変更した経緯について、また立地適正化計画の柱として上田市バリアフリー基本構想を策定する考えはないかとのご質問でございます。 平成22年のバリアフリー基本構想策定調査の段階では、法律が成立してから5年経過し、策定について国からの強い要請があったことから、将来的には策定していく予定としたものでございます。バリアフリー新法やバリアフリー基本構想の内容を精査したところ、バリアフリー化に係る経費の財源確保に課題があることや、鉄道やバスの運行事業者を初めとした民間との調整に多くの時間が必要であることから、当面は策定することは困難であるため、全国他市の状況や実効性を踏まえまして、具体的に策定を予定するものではないということで変更に至ったものでございます。 バリアフリー基本構想は、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づきまして、旅客施設の周辺地区や高齢者、障害者等が利用する施設が集まった地区を重点整備地区として、公共交通機関、建築物、道路、路外駐車場、都市公園などのバリアフリー化を重点的、一体的に推進するため方針や事業等を定めることができるとされております。また、基本構想制度は、施設が集積する地区において面的、一体的なバリアフリーを推進することを狙いとしており、これにより誰もが暮らしやすいまちづくりを進めることにつながるともしておりまして、さらには今後迎える少子高齢、人口減少社会におけるまちのあり方を具体的に示すことにもつながるとされております。 このことから、バリアフリー基本構想策定やこれにかかわるハード事業については、その趣旨が暮らしやすいまちづくりの推進に当たりまして立地適正化計画の基本的な考え方に沿うものと考えられるため、一般的な観点からは立地適正化計画における具体的な施策になり得るものと考えます。 上田市立地適正化計画が策定された後の具体的な施策につきましては、今後各担当部局が立地適正化計画の基本方針に沿って検討、策定し、実施していくこととしておるところでございます。 今後立地適正化計画の具体的な施策の一つとしてバリアフリー基本構想の策定を検討する上では、バリアフリー化を重点的に進める対象エリアに関係する民間の事業者、建築主などの施設設置管理者がそれぞれ具体的な事業計画を作成し、事業を実施することになりますことから、関係者の皆様のご理解、ご協力が不可欠であると考えております。基本構想の策定につきましては、こうしたまちの状況、市街地の実情に即して判断されるべきものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員、時間がありません。          〔5番 松尾 卓君登壇〕 ◆5番(松尾卓君) ありがとうございました。長野県は今年度障害者プランを改定して心のバリアフリーの取り組みとしてヘルプカードを導入すると伺いました。上田市も連携して進めていくというふうに聞いております。今後どのように取り組んでいくのかお伺いして、最後の質問とさせていただきます。 ○副議長(土屋勝浩君) 近藤福祉部長。答弁は簡潔にお願いします。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) ヘルプカードについてのお尋ねです。 ヘルプカードは、この7月から各保健福祉事務所や市町村窓口において希望者に対して配布されるということになっております。市としても広報紙や各種イベントの周知、出前ときめきのまち講座等の活用、あるいは各種研修会での広報など、それぞれ共感力と市民力によるつながりとありがとうのまちづくりに向けて進めてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、県とも連携して推進してまいります。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 松尾議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時40分   休憩                       ◇                                午後 2時55分   再開 ○副議長(土屋勝浩君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)人口減少社会における持続可能な市政のあり方について ○副議長(土屋勝浩君) 次に、質問第8号、人口減少社会における持続可能な市政のあり方について、斉藤達也議員の質問を許します。斉藤達也議員。          〔2番 斉藤 達也君登壇〕 ◆2番(斉藤達也君) 今回初めて一般質問に立たせていただきます。私たちが住み続けたいまち、そして子供たちが帰ってきたいまち上田を目指して、本日は人口減少社会における持続可能な市政のあり方について、3つのテーマに絞って質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず初めに、子育て支援について質問させていただきます。私みたいに諦めている人がほかにもいると思います、この言葉は、小さなお子さんを希望する保育園に入れることができずに、一時保育で何とかしのぎながら職場復帰している方の言葉でした。それを聞いたときに、上田市は待機児童はゼロのはずなのに、この場合は待機児童とは言わないのかなと疑問に思いました。特定の施設のみを希望しているなどの理由でいわゆる待機児童の集計に含まれない児童を潜在的な待機児童といい、さきの報道にもございましたとおり、県内では松本市や安曇野市でもことしの4月1日現在、いわゆる待機児童に加え、いずれも3歳未満児で70人以上の潜在的な待機児童が確認されています。上田市は待機児童ゼロを継続しておりますが、私の知人でも3歳未満児のお子さんが希望する保育園に入れずに働くことを諦めている方もいます。ある潜在的な待機児童を持つお母さんからは、人気のある保育園の過去の入園倍率といいますか、実際に入園できた児童数に対して第1志望の希望者数の割合がわかるだけでも志望先を検討するに当たり大いに参考になるとの声もありました。 そこで、潜在的な待機児童対策についてお尋ねいたします。1点目は、特定の施設のみへの入園を希望している潜在的な待機児童について、上田市は人数などを把握しているのか。 2点目として、潜在的な待機児童を減らす取り組みはどうか。 以上2点についてお尋ねいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 最初に、潜在的な待機児童について、人数等を把握しているのかについてのご質問にご答弁申し上げます。 昨年10月には県内で14年ぶりに待機児童が発生する事態となり、またことしの4月時点では待機児童が2市に拡大している状況にございますが、いずれもその全員が3歳未満児という状況にございます。上田市におきましては幸いにして待機児童はいないものの、3歳未満児につきましてはここ数年入園希望者がふえ続けておりまして、小さいお子さんを抱えながら働く母親の皆さんがいかにふえているか、うかがい知れるところでございます。 しかしながら、入園に当たっては第1希望の保育園には入れずに、ほかの利用可能な保育園に入園をいただくケースも多く、またほかにあきがあっても希望する園があくまで待つなどの、議員ご質問にもございましたいわゆる潜在的待機児童と認められる方もふえているものと認識をいたしております。潜在的待機児童は、入園を希望しているのに待機児童としては数値に含まれない児童になります。先ほど申し上げました特定の保育園への入園を希望され、入園を待っている方につきましては、今年度4月時点で上田市では20名確認をしておるところでございます。 この潜在的待機児童を減らす取り組みにつきましては、増加傾向にございます3歳未満児の受け入れ全体の問題と捉えております。ここ数年の入園の申し込み状況は、私立保育園や比較的新しい公立保育園に希望が集中するといった傾向がございまして、こうした状況が潜在的待機児童につながっているのではないかというふうに推測をいたしております。 入園申し込み先を選定される場合には、各園の前年の申し込み状況を参考にされる保護者の方も多いかと思います。しかしながら、前年の入園申し込み状況の公表に関しましては、特に民間保育所の場合には経営に直結する部分もございまして、このため現時点では難しいと考えております。 それぞれの園には特徴がございまして、特定の園を希望される保護者の皆さんのお気持ちは尊重しつつも、あわせてほかの園の魅力等もお話をすることが必要であろうと考えております。したがいまして、これまで同様に個別対応にはなりますが、お問い合わせいただいた場合にはそれぞれの園の状況についてできるだけ詳しくご説明をさせていただくなど、丁寧な入園案内に努めてまいりたいと考えております。 また、上田市子育て家族応援事業実行委員会と連携をし、毎年入園に向けて園選び応援講座を開催しております。この講座は、入園に向けての疑問や不安を解消し、入園準備に役立てていただくための事業になりますが、このような取り組みも今後広く周知してまいりたいと考えております。 なお、3歳未満児受け入れの全体的な取り組みといたしましては、3歳以上児の減少に伴い使われていない部屋を未満児室に改修をしたり、広い部屋と入れかえをするなどの対応をとってきており、今年度の受け入れに当たりましては、6園でこのような対応をしております。 また、平成27年4月にスタートした子ども・子育て支援新制度では、市町村による認可事業として、ゼロ歳から2歳までを対象とする小規模保育事業などの地域型保育事業が新たに設けられましたが、これまでに上田市では4件の認可を行いまして、3歳未満児の受け入れ拡大を図ってきております。 さらに、企業が独自に設置をいたします認可外保育所になりますが、企業主導型保育所が全国的に急増しており、上田市におきましても昨年初めて丸子中央病院敷地内に開設されたところであります。特徴といたしましては、従業員の方のお子さんだけでなく、地域の子供たちも一定数受け入れをいただいているなど柔軟な運営ができる施設であるため、今後もこの事業の実施を検討されている事業所等とも連携を図りまして対応していければというふうに考えております。 いずれにいたしましても、潜在的なニーズを把握することは保育施設整備等を進める上でも重要でございます。今後も引き続き潜在的待機児童数の実態の把握に努めまして、保育を必要とする全ての皆様が子育てと仕事の両立が可能となるよう引き続き取り組んでまいります。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。          〔2番 斉藤 達也君登壇〕 ◆2番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。今後もぜひ潜在的な待機児童を持つお母様の皆さんの声を聞きながら施策に反映していただければと存じます。 では、次に子育て支援のうち放課後児童クラブの充実について質問をさせていただきます。厚生労働省が放課後児童クラブの整備促進のため新たなプランを策定する方針を固め、受け皿の拡大のほか、単に預かる場所としてではなく、質の向上やそのための職員研修のあり方などについても盛り込むとありました。現場に伺うと、ある児童クラブでは椅子の数に対して利用人数のほうが多くて、時には宿題を床に座り込んでやっている子もいるとの話がありました。私が見る限り少なくとも落ちついて宿題ができる環境ではない、そういう印象を受けました。別の児童クラブでは支援が必要な児童を含む新1年生数十人が何百メートルも離れた分室まで車通りの多い道路を引率されていく姿が見られます。学校の敷地内や隣接地に児童クラブの場所が確保できていたらどれだけ安心だろうと私は思いました。 放課後児童クラブの基準につきましては、厚生労働省令でも規定されている専用区画というものがございまして、遊びや生活の場並びに静養するための機能を備えた区画で、児童にとって安心、安全であり、静かに過ごせる場とあります。児童1人につき1.65平米以上という面積を確保することは最低限必要ですが、今後質の向上を目指していく上で専用区画の基準を本当に満たしている施設はどれだけあるのでしょうか。保護者の声を聞くと、子供がやってくる宿題が雑なのでしっかりと取り組める環境を整えてほしいとか、4年生になったら利用を自粛するように促されたが、家の都合で6年生まで預けたい、どうすればいいのかとか、そもそも要望を伝える場がない、知らないなど具体的な改善要望が幾つも出てまいりました。 一方で、保護者会が深くかかわってきた学童保育所では、保護者とのコミュニケーションがとれている様子がうかがえ、それが施設の運営にも生かされていると感じられました。 また、保護者や地域とのかかわりという点では、ある小学校では全てのクラブ活動の指導者を地域の方々が担っており、信州型コミュニティスクールとしてすばらしい取り組みをされていました。 そこで、子供たちが快適に過ごせる環境整備など、放課後児童クラブの質の向上に関連してお尋ねいたします。1点目は、放課後児童クラブの充実の観点から、保育における最低限の質を担保できる適正なスペースや安全、安心な場所の確保についての見解はどうか。 2点目は、保育料の設定基準は何か。 3点目は、小中学校における信州型コミュニティスクールの取り組みを参考に、放課後児童クラブのよりよい運営を行っていくため、家庭や地域とのかかわりをどのように考えるか。 以上3点お尋ねいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 放課後児童クラブにつきまして3点ご質問をいただきました。 最初に、保育における最低限の質を担保できる適正なスペースや安全、安心な場所の確保についての見解というご質問でございます。議員ご指摘のとおり、放課後児童クラブにつきましては、国が示します基準でございます専用区画と呼ばれますいわゆる遊び及び生活の場としての機能並びに静養するための機能を備えた区画、これの面積を児童1人当たり1.65平方メートル以上にするとあることから、これを最低限のスペースと考えて定員を決定しております。 一方、施設において児童をお預かりする放課後児童支援員などの職員につきましては、定員や施設の広さではなく、放課後児童クラブの登録者のうち実際に利用した児童数に応じた配置をしております。また、安全、安心な場所の確保につきましては、小学校等と調整をいたしまして、例えば体育館やグラウンドといった活動の場所を確保するとともに、必要に応じた施設等の整備や改修を図ることで子供たちにとって快適な環境となるよう対応しております。 次に、保育料の設定基準は何かとのご質問でございます。この放課後児童クラブと申しますのは、留守家庭の児童を保護者にかわってお預かりする施設でございますけれども、上田市には現在児童クラブというものと学童保育所という2種類がございます。まず、児童クラブについてでございますが、これは合併前の旧市町村が施設を設置いたしまして、行政が直営で運営をしておりましたが、それぞれ料金体系が異なっていたため、合併後の平成21年度に開館時間の延長や職員体制の充実を図るとともに、保育料を月額3,000円に統一して、あわせて指定管理者制度を導入いたしました。 一方、学童保育所につきましては、合併前に地域の働く保護者が共同して立ち上げた民設民営の施設がそれぞれの市や村の施設と位置づけられ、公設民営の施設となった後、合併後の調整によりまして平成21年度において、それまで運営を担ってきた各運営委員会を指定管理者として指定するとともに、料金体系も統一をして月額6,000円としたものでございまして、それぞれの金額の違いはその成り立ちによるものが主なものでございます。 次に、信州型コミュニティスクールの取り組みを参考に放課後児童クラブのよりよい運営を行っていくため、家庭や地域とのかかわりをどのように考えるのかのご質問にお答えいたします。放課後児童クラブのよりよい運営を行っていく上で、家庭や地域とのかかわりは大変重要であると認識をしております。放課後児童クラブにおきます保護者の皆さんからの声は、指導員が直接または説明会や指定管理者が実施するアンケート等からも伺わせていただいております。また、既に施設によっては地域の皆さんにかかわっていただいておりますので、今後信州型コミュニティスクールの取り組みを参考に、より充実が図られるよう、関係する方々へご協力もお願いをしながら保育の質を高めるよう取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。          〔2番 斉藤 達也君登壇〕 ◆2番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。私も過去の定例会の答弁内容も全て確認させていただいております。土屋市長も上田再構築プランの中で放課後児童クラブの充実というのを訴えておりましたし、厚生労働省から今後新しい質の部分を重視した方針が定められますので、ぜひ先を見越した手を打っていっていただければとも思います。 では、次の質問に移ります。次に、中小企業の人材確保について質問をいたします。こちらも上田再構築プランにも掲げられました産業がいきいき発展するまちづくりの取り組みについて、施政方針演説においても地域企業の人材確保を最重要課題と捉え、地域で学び、育った若者の地元企業への就職、新卒学生や移住希望者のUIJターンの一層の促進を図るとありました。上田市版人口ビジョン及び総合戦略策定に伴い実施したアンケート結果によりますと、回答があった高校生のうち約半数が将来上田に住みたくないと答えており、その主な理由が働きたい会社がないからでした。上田で育った若者が一度まちの外に出ていくのは経験としてはよいことだと思います。しかし、働きたい会社がないからという理由で将来も住みたくないと思わせてしまうのはとても残念なことです。地元の中小企業の魅力を伝え切れていないことが要因の一つだと考えられます。 地域の企業を知るという点では、昨年秋に開催された上モノフェスは、子供が参加でき、お祭りのように地域や年代、企業の枠を超えてものづくりでの交流ができる体験イベントでした。そのほか、個別企業の取り組みですが、上田を含む県内の中小製造業では仕事現場を公開してものづくり体験の機会を提供する試み、オープンファクトリーが広がりつつあります。新潟県の燕三条工場の祭典には100以上の企業、団体、店舗が参加し、5万人以上の人を集め、産業観光の側面も出てきております。このように子供も参加できる事を楽しむ体験型イベントのほか、現在は信州大学キャリア教育・サポートセンターが主催、そして長野大学地域づくり総合センターも共催している、働くことを社会人と学生が考えるトーク企画しごとーーくなど、従来の会社説明会とは異なる社会人と気楽に話せる場もふえてきています。 ある高校で、企業を選択するに当たり重視するものとして簡単なアンケートをとったところ、給与、年間休日という素直な答えに続き、会社の雰囲気という答えが続いたそうです。また、就職について相談する相手としては、先生のほか保護者という回答も目立ったとのことでした。つまり現在主流になっているインターンシップに加えて、就職を控えた学生、生徒だけではなくて、その保護者、さらには地域の方々にも地元の中小企業の魅力を伝えていくことが大切と言えるのではないでしょうか。 そこで、地域で学び育った若者の地元企業への就職についてお尋ねいたします。1点目として、地元中小企業の魅力を就職を控えた高校生や専門学校生、大学生に伝える機会はあるか。また、子供を含む地域の方々に伝える機会はあるか。 2点目として、インターンシップは地元企業の事業内容や職場の雰囲気等を知るための有効手段であるが、上田地域でインターンシップに取り組む企業を把握しているか。また、効果と課題に対する見解はどうか。 3点目として、長野大学を就職の面でも地域に根差した大学としていくために、公立化以降インターンシップ等特に拡充を働きかけてきたカリキュラムは何か。 以上3点お尋ねいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) 中小企業の人材確保に関してご質問をいただきました。 まず、地元中小企業の魅力を高校生や専門学校生、大学生、あるいは子供、地域の方々に伝える機会はあるかについてでございます。市内の企業情報を若者に発信する取り組みといたしましては、地域内の322の事業所から構成されております上田職業安定協会との連携のもと、事業所ガイドブックの配布やホームページへの掲載を行っております。また、高校生の事業所見学会、学卒者と人事担当者が面談する就職面接会等を毎年開催しております。 昨年度から新たに開始した取り組みといたしましては、若者のコミュニケーションツールであるラインを活用いたしまして、地域8つの高校の卒業を控えた3年生向けに、仮に上田市を離れても地元との接点を持ってもらえるよう、各種就職情報に加え地域のイベント情報等をあわせて発信しておりまして、登録者の拡大を図っているところでございます。また、東信州次世代産業振興協議会主催による首都圏での就職フェアなど、地元出身を含めた学生に対するUIJターンのきっかけづくりも行っておるところでございます。 子供たちや地域の方々に対する機会といたしましては、上田地域産業展を地域の一大リクルート事業として地元の会社を知る機会としているほか、子供たちの将来の地元企業への就職や人材育成につなげるため、市内企業の協力により夏休み親子見学会等を開催しているほか、教育委員会と連携のもと、地域企業経営者等による中学生ものづくり出前講座の本格的な実施に向けた準備を進めております。 議員ご質問にございましたオープンファクトリー、こうした取り組みも企業の協力をいただきまして進めていかれればというふうに思っております。 続きまして、インターンシップに取り組む企業を把握しているか、また効果と課題はどうかというご質問でございます。現在上田市では上田職業安定協会と連携いたしましてインターンシップに取り組んでおりまして、高校生や大学生等の受け入れを希望する事業所の登録数は188件ございます。平成29年度における実績でございますが、延べ56事業所が高校生173人、大学生6人を受け入れております。なお、大学と企業が直接連携をして実施しているものや、大手の就職支援機関が仲介をしているものにつきましては把握ができていない状況でございます。 インターンシップにつきましては、参加する生徒、学生にとりましては、適性や適職を考える機会としたり就職につなげるきっかけとする目的がある一方、企業側にとりましては、人材確保のほかにも社会貢献、企業PR、職場活性化といった目的がありまして、生徒、学生と企業双方において期待するところや効果があると捉えております。 こうした中、昨今は学生優位の売り手市場となっていることを背景といたしまして、大都市圏、それから大企業等ではインターンシップを早期の人材確保の手段として取り組んでいる企業が多くなっている一方で、地方企業のインターンシップについては学生の確保が困難になっている現状もございます。現在上田職業安定協会と連携し実施しているインターンシップにおきましても、先ほど申し上げましたように、大学生の受け入れ数が非常に少ない状況にございますことから、昨今状況が大きく変わってきております学生の就職活動や企業の採用活動の現状をしっかり検証いたしまして、保護者に対するアプローチなども含め、実施方法等を見直していく必要があると考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 柳原政策企画部長。          〔政策企画部長 柳原 渉君登壇〕 ◎政策企画部長(柳原渉君) 私からは長野大学においてインターンシップ等拡充を働きかけてきたカリキュラムは何かのご質問についてお答えをいたします。 公立化に伴い市外からの入学者の増加が見込まれましたことから、まず市では大学の中期目標に地元出身者はもとより、市外出身者に対しても大学の4年間の学びの中で地域に定着する人材として育成し、地域に送り出す取り組みを位置づけたところでございます。これを受けまして大学では、定住自立圏内の企業への就職を強化、促進するため、公立化以前から行っていた取り組みの充実、また新たな取り組みを始められております。 まず、充実した主な取り組みといたしまして、入学後の早い時期から職業について考えられるよう、職業観養成講座を整備いたしました。今年度は日本銀行の協力により金融分野の専門家を講師に迎える寄附講座などが開催され、従来から3年生の選択科目としているインターンシップにつなげるとともに、その報告会においても地元企業の経営者等に出席をいただき、インターンシップの機会拡充に結びつく取り組みを進められております。 また、長野県中小企業団体中央会が開催します地元企業の会社説明会に定住自立圏内の会員企業の優先参加をお願いしたほか、3年生を対象としました就職活動ゼミナールでは、地元企業の採用担当者を優先して迎え、さまざまなアドバイスを受ける機会を設けられております。 さらに、業界・仕事研究セミナーにおきまして、新たに上田商工会議所と連携をしましたところ、定住自立圏内企業を公立化前の10社から16社に増加するなど、学生と地元企業とを結びつける機会をふやしております。 一方、新たな取り組みとしましては、企業の魅力を確認して学生の就職活動につなげるため、圏域内の2社にお願いをしまして地元企業の見学ツアーを試行的に実施されております。今年度はさらに多くの企業を対象に実施する予定と聞いておりまして、今後も地域に根差した大学としての取り組みが充実を図られていくものと捉えておりまして、その成果が出るよう期待しているところでございます。 私からは以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。          〔2番 斉藤 達也君登壇〕 ◆2番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。 次に、中小企業の人材確保の観点からUIJターンと地域若者等定住就職支援事業について質問いたします。当事業のうち自立したいと願う若者を対象とした就職支援事業に私自身も一事業者として研修受け入れ先となり、結果として人材確保にもつながり、大変助かった経験がございます。研修生に対するきめ細かなフォローへの感謝と2カ月間の職場研修を経て、双方合意のもとで雇用が決定したときのうれしさは今でも忘れません。当事業の2年間の実績に加え、若者サポートステーション・シナノでの相談件数や、20歳から59歳の総人口に対して2.5%を占めると言われるスネップ、これは無業で知人や友人との交流がなく未婚の方を言いますが、そういった方たちが一定数いるという状況から判断しても、まだまだ就職支援のニーズはあるのではないでしょうか。ある認定NPO法人の試算では、ひきこもりの若者が社会に出てみずからお金を稼ぐようになり、税金を納めるようになることによって定年までに約1億円のソーシャルインパクトがあると言われています。若者にとっては自立する、企業にとっては人材確保にもつながるチャンスであるだけではなく、大いに社会的意義がある事業と言えると思います。 次に、移住、定住の促進について、上田市は平成29年の行政支援による移住者数が96人と県内市町村でトップというすばらしい結果でした。県外を見れば、上田市と同等の人口規模で鳥取県米子市は2年連続県内の移住者数がトップであるとのことで、27年度は480人、28年度は505人県外からの移住者がいたとのことでした。米子市を選んだ理由としては、働く場所があるが31.3%でトップでした。知人の移住者は上田市の自然環境等に引かれて移住しましたが、肝心の仕事に関しましてはハローワークで探したものの、それまでの本人の経歴、能力とは少なからずギャップがあり、現在も転職を検討されているとのことでした。 そこで、自立したいと願う若者や移住希望者への就労支援についてお尋ねいたします。1点目は、UIJターンと地域若者等定住就職支援事業の実績をもとに、特に自立を願う若者の就労支援の拡充を検討できないか。 2点目は、移住者や移住希望者の職歴と企業が求める人材とのマッチングについて、精度を高めるための方策はあるか。 以上2点お尋ねいたします。 ○副議長(土屋勝浩君) 大矢商工観光部長。          〔商工観光部長 大矢 義博君登壇〕 ◎商工観光部長(大矢義博君) 自立したいと願う若者や移住希望者への就労支援についてのご質問をいただきました。 議員ご質問のUIJターンと地域若者等定住就職支援事業につきましては、民間の職業紹介事業者への委託により実施しております。まず、地域若者等定住就職支援事業につきましては、さまざまな事情により就職ができない地域の若年求職者に対しまして、社会人としての基礎力を学ぶ座学研修と職場でのスキルを身につける体験研修の機会を提供し、地域企業への正規雇用に結びつける支援を行うものでございます。実績でございますが、平成28年度及び29年度において合わせて38名の研修生を受け入れ、33名が正規雇用に結びついており、そのほかの5名の研修生につきましても、正規雇用に至るまでの過程として派遣の形で就労するなど自立に向けた準備を進めております。 地域若者等定住就職支援事業の効果といたしましては、本事業を通じて正社員として就職することができ本当によかったという感謝の声が寄せられております。また、企業側からは、時間をかけて人物を見きわめ、採用できることの評価、好評をいただいておりまして、本事業が意欲ある若者の自立や地域企業の人材不足の課題に大いに役立っているものと考えております。今後につきましても、ハローワーク上田ほか、若者の自立支援に取り組む侍学園ほか、若者サポートステーション・シナノなどとの連携を促進するとともに、昨年開設いたしました市就労サポートセンターの取り組みの充実を図りながら、一人でも多くの自立を願う若者の支援に努めてまいりたいと考えております。 続きまして、移住者と企業が求める人材のマッチングについて精度を高めるための方策はあるかというご質問でございます。まず、UIJターン支援事業の実績でございますが、主に首都圏等で開催する移住相談会などの機会に相談窓口を設けておりまして、平成28年度、29年度において上田市への移住を本格的に考え、登録された方は延べ100名で、うち27名が市内の企業に就職し、移住に至っております。議員ご質問のマッチングの精度を高めるためには、まずは移住者の方々に紹介する企業について多くの選択肢を用意すること、次に移住希望者のこれまでの職歴や希望する職種の聞き取りをしっかり行うこと、そして移住希望者の意向に沿った企業を紹介し、さらに紹介した後もきめ細かくフォローしていくことが重要と考えております。 また、移住希望者の皆様は生活の場を変えることに大きな不安を抱かれております。このため、引き続き移住定住推進課との連携のもと、住まい、子育て、医療等のさまざまな相談を含め、ワンストップの体制で対応してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員。          〔2番 斉藤 達也君登壇〕 ◆2番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。聞き取りをしっかり行うとのこと、今後取り組んでいただければと思います。 最後に、人口減少社会におけるこれからの公共施設のあり方について質問いたします。通告ではこちらで2つ質問させていただく予定でしたが、時間の都合もございますので1つに絞らせていただきます。 県内自治体の公共施設の縮減に向けた数値目標の設定状況は6割以上で、例えば長野市では今後20年間で20%削減するという目標を掲げています。長野市のモデル地区となった芋井地区では、地域住民らを対象にワークショップを4回開くなどしてボトムアップで案を積み上げていった結果、再配置案では公共施設を地区内の3カ所に集約して利便性を高めると同時に、30%削減できるとしてありました。飯山市は住民とともに個別計画をつくり上げていく上で目安を示すべきとの判断から、2036年度20%以上を削減すると目標を立てております。 少子高齢化に伴う税収の減少や社会保障費の増加が見込まれる中、公共施設の適正な維持管理を行っていく必要があることは上田市版人口ビジョンにも明記されております。上田市は現在は縮減に向けた数値目標は設定しておりませんが、今後これらを進めていくに当たって地域の皆様のご理解、ご協力を得るためにたび重なる対話ですとかワークショップをぜひ進めていっていただければと思います。 では、最後の質問に移らせていただきます。現在計画されている市庁舎改修・改築計画、武石地域総合センター整備事業について、将来にわたる負担への影響等について質問いたします。市庁舎の改修・改築基本計画、武石地域総合センター事業ともに地域の代表的な公共施設であり、今後の上田市の公共施設のあり方を示す絶好の機会となります。現在基本設計段階にある市庁舎の改修・改築計画において、自然エネルギーの有効活用、省エネルギー化、環境への配慮をもとに、ZEB、ゼロ・エネルギー・ビルディングを段階的に目指す、その方向性は国のエネルギー基本計画とも合致しております。まさにこれからの公共施設のあり方としてモデルとなり得ると思われます。 また、温室効果ガス排出量削減に向けて庁舎等における効率的なエネルギー利用の促進等を掲げており、当面の具体的な削減目標としては、上田市は国の目標よりやや控えめではありますが、2013年度に対し2023年度9.3%削減としています。 そこで、お尋ねいたします。1点目として、公共施設マネジメント基本方針では今後40年間で公共施設の建築物の更新、改修にかかる費用が年平均で70億円以上と試算され、直近5年の投資的経費の約1.5倍とされていますが、市庁舎改修、武石の地域総合センター事業、この2つの事業計画によりそのかかる費用は低減できるのか。 2点目として、これからの公共施設は地域住民の交流の場となるとともに、ランニングコストの低減や環境への配慮等が求められますが、モデルとなり得る市庁舎や武石地域総合センターについて、ランニングコストと温室効果ガスの排出量がどの程度削減できるのか。 以上2点お尋ねいたしまして、最後の質問とさせていただきます。 ○副議長(土屋勝浩君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 市役所庁舎と武石地域総合センターについてのご質問です。 最初に、更新改修にかかる費用についてのお尋ねでございます。市庁舎の計画策定に当たりましては、市民要望をお聞きする中で、既存ストックであります南庁舎を最大限活用するとともに、機能的でコンパクトな庁舎を目指して、これまで不足していた防災機能や市民サービスを向上させるためのスペースなどを確保すること、あわせて現在分散している教育委員会、東庁舎、北庁舎の窓口機能は本庁舎または南庁舎へ集約することといたしました。既存庁舎と新庁舎の面積だけを単純に比較いたしますと増加にはなりますけれども、いずれ耐震化が必要となります北庁舎を廃止したり、真田地域自治センターの空きスペースを活用したり、教育委員会が移転した後のパレオ5階のフロアを民間への賃貸を行うことなどで全体の更新改修費用の低減を図ることとしております。 さらに、既存庁舎の利活用として、上下水道局移転後の北庁舎へ都市建設部が移転して、新庁舎が完成するまでの間業務を行うほか、旧JAの空き店舗には農林部が移転して業務を行う予定であります。また、三中建設時に使用したプレハブ教室の一部、これを仮倉庫として利用するために移設をして利用をしております。 このように既存施設を最大限活用し、仮設庁舎など新たな施設をできるだけ建設せずに事業を進めておりまして、表にはあらわれない部分の事業費を含めて全体事業費の縮減に努めております。 武石地域総合センターにつきましては、現在実施設計を進めておりますが、4施設の合計面積4,600平米は、新たな複合施設とすることで床面積が約4割減少して2,600平米となります。これにより更新費用も低減されるものと考えております。 次に、市庁舎と武石地域総合センターにおけるランニングコストと温室効果ガスの排出量についてでございます。いずれも現在設計を進めている段階でありますので、具体的な数値の算出には至っておりません。それぞれの施設における考え方と取り組みについて答弁申し上げます。 まず、ランニングコストとCO2削減に係る部分でありますけれども、昨年4月から2,000平方メートルを超える庁舎は一次エネルギー消費量をこの法律で定めた性能基準に適合させることが義務づけられました。これによってどちらの施設もランニングコストと温室効果ガスの排出量は削減効果が期待できます。 市役所庁舎では、先日全協で報告させていただきました基本設計案の設備導入の考え方としてZEB化を目指すことを掲げております。設計案では一次エネルギー消費量を50%削減するZEBレディーを図ることを掲げまして、将来は段階的に一次エネルギー消費量を75%まで削減するニアリィーZEB化を目指すことといたしております。 そのための方策としては、建物の屋根、外壁など外皮の高断熱化、省エネ性能の高い空調設備の導入、タスクアンビエントなど電力消費が約半分となる照明方法の採用や、また自然エネルギーの活用としては、自然光と自然通風、太陽光発電と太陽熱利用、井水や地中熱の利用などであります。こうした設備採用の判断に当たりましては、各設備の費用対効果などを比較検討しながら、限られた事業費の範囲内で採用を決定していきたいと考えております。 武石地域総合センターでは、環境負荷の低減と経済性、効率性の観点から、武石地域の豊かな資源を活用した自然採光や自然通風を取り入れまして、軒、ひさし、植栽による日射コントロールなど、機械に頼らない手法も取り入れながら設計を進めていく予定であります。 そのほかにも省エネ性能の高い設備導入を検討しておりまして、建物面積を縮減したこととの相乗効果でランニングコストとCO2排出量は大きく削減できるものと考えております。 以上でございます。 ○副議長(土屋勝浩君) 斉藤達也議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時39分   休憩                       ◇                                午後 3時55分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)上田市立地適正化計画について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第9号、上田市立地適正化計画について、井澤議員の質問を許します。井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) 初めての一般質問でございますが、通告に従い質問させていただきます。 昨日の代表質問と若干重複するところもございますが、上田市立地適正化計画につきまして少し踏み込んで質問させていただきます。私は、4月の信濃毎日新聞の記事で初めて立地適正化計画という言葉を知り、上田市が策定に向け進めているということを知りました。そして、先月「みんなが住みよいまちを目指して、上田市立地適正化計画の考え方」というA3のリーフレットが市内全戸に配布されました。そこには少子高齢化が進み、20年後、30年後の上田市はこんなまちになってしまうかもといった絶望的な内容が避けられない将来予想図として書かれていました。そして、そんな絶望的な社会に向けて私たちができることが立地適正化計画であり、それによっていつまでも元気な上田市でいられると書かれていました。そんなバラ色の計画の立地適正化計画とはどのようなものなのか。 しかし、私の周りの人に聞いてみてもこの計画について知っている人は一人もいませんでした。市役所関係の何人かに伺いましたら、コンパクトシティーのことという程度の認識で、詳しく内容を把握している方はいらっしゃいませんでした。それがこの計画についての一般市民の現在の認知度であると思います。土屋市長が所信表明の中で両輪と言われた第二次上田市総合計画と上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略の中を見ても、拠点集約型都市構造としてコンパクトなまちづくりの推進とは書かれていますが、立地適正化計画という言葉も具体的な説明も見当たりません。この内容について調べていくと、市民の認知度とは反して市民生活に大変大きくかかわる計画であるということがわかってきました。 この上田市立地適正化計画策定の目的につきましては、昨日の半田議員の代表質問と重複しますので割愛させていただきますが、この計画策定により市民にはどのようなメリットがあるのか、また市民へのデメリットについては検討したのか。 以上、第1問としてお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 井澤議員さんのご質問にご答弁させていただきたいと思います。立地適正化計画策定について、市民のメリット、それからデメリットの有無についてのご質問をいただきました。 現在策定中の立地適正化計画は、少子超高齢化、人口減少が進む中、良好な生活環境や持続可能な自治体経営を将来においても持続するために、拠点集約型都市構造への転換を目指す計画であります。この計画では既存の拠点施設の維持や地域の現状と特色に即した必要な施設の誘導を図るため、あらかじめ居住と都市機能を誘導すべき区域を示し、官民一体となった誘導施策を講じることで都市活動の活性化を促したいと考えておりまして、これらの拠点を結ぶ公共交通ネットワークの維持、向上を図ることで、上田市に住んでみたい、住み続けたいと思えるようなまちづくりをしたい、こういった効果を生み出したいというふうに考えております。 また、立地適正化計画を策定することで必要となる都市機能を維持、確保するための国の支援策が受けやすくなり、交付金の交付率のかさ上げや交付対象事業が拡充され、活用ができる交付金の幅が広がるなど、官民の事業者が誘導区域内で事業展開等の都市活動を行うに当たっての動機づけなどの効果も期待できます。 なお、立地適正化計画が策定されますと、居住誘導区域外における3戸以上の住宅の建築目的の開発行為、または3戸以上の住宅等建築する場合等については市への届け出が必要となり、ある意味法的な縛りが発生してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ただいまご説明いただきました。集約しコンパクトにすることにより、インフラ整備や行政サービスの効率が上がり、市の財政面のメリットということはとてもよく理解できます。ただ、市民にとって本当にそれがメリットかどうか、特に今の言われた居住誘導区域外に住まわれている市民にとってどのようなメリットがあるかは確かではありません。 次に、今後の策定スケジュールについて伺います。国土交通省の改正都市再生特別措置法等についての中に次のように書かれています。策定プロセスとして、立地適正化計画の作成、実施に当たっては多様な関係者による活発な議論を交わすとともに、相互に連携し、それぞれが主体的に取り組むことが重要である。このため、計画の策定、実施に当たっての協議や計画の実施に係る連絡調整等の場として、市町村都市再生協議会を設置することができる。関連する既存の協議会がある場合には、それらを束ねて兼用することや、それぞれの構成員の相互の乗り入れ等が考えられるとあります。この上田市立地適正化計画には医療や福祉、産業、公共交通、農業、観光、防災、土木など都市計画担当部局以外の多くの部局がかかわってくると考えますが、部局間の協議や調整を十分に行った上で計画案策定を進めているのでしょうか。また、民間事業者や何より市民への十分な説明と理解を得られることが計画を進める上での大前提だと考えますが、説明の実施や意見の募集、計画への反映についてどのように考えているのでしょうか。 また、計画案のスケジュールでは、ことし11月に計画を公表し、国土交通省に提出するとしていますが、計画の重要性を考慮すると余りにも拙速なスケジュールではないでしょうか。そして、もし市民の十分な理解を得られず、市民合意を取りつけることができなかった場合は計画の見直しはあるのでしょうか。 以上、第2問としてお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 今後の策定スケジュールについて幾つかご質問をいただきました。 最初に、医療や福祉、産業、公共交通、農業、観光、防災など他の担当部局との協議や調整を十分に行った上で計画案を策定しているかとのご質問でございます。立地適正化計画は人口減少社会に対応したまちづくりを推進するための枠組みづくりということでございます。上田市の現状と将来の状況、本計画の考え方やその内容など、人口減少社会に対応したまちづくりに向けて各関係部局において共通の認識を持つ必要がございまして、計画策定に際してはそれぞれの立場での考えを聞き、調整を行う必要がございます。 計画策定に際しまして、平成27年7月から福祉部、商工観光部、都市建設部はもちろんですが、農林部、消防部などを初め、丸子、真田、武石の各地域自治センター職員への説明や意見交換など、昨年度までに計21回開催してまいりました。今年度につきましては、現在行っておりますパブリックコメントの結果が出次第、関係部局等との協議を予定しておりまして、その後におきましても策定の進捗状況を見ながら協議や意見交換等を実施してまいりたいと考えております。 次に、市民への説明、意見の計画への反映についてのご質問でございます。立地適正化計画につきましては、新しい都市計画制度として平成26年8月、都市再生特別措置法が改正されまして、立地適正化計画が策定できることとなりました。制度への理解を深めるため、市民の皆様や土地利用に携わる民間事業者の皆様へのわかりやすい情報提供を心がけてまいりました。平成27年4月から計画策定に着手をし、平成29年3月の市議会環境建設委員会において概要説明を行いまして、平成29年6月から9地域協議会において計画概要の説明を行ってまいりました。さらに、29年7月の「広報うえだ」に概要について掲載をいたしまして、市民の皆様にお知らせをしてまいったところでございます。また、土地利用にかかわる民間の事業者向けといたしまして、宅地建物取引業協会の上田支部を初め、長野県建築士会上小支部、長野県建築士事務所協会上小支部、また上田商工会議所建設業部会、測量設計業部会等の皆様に対しまして説明会を実施してきたところでございます。 また、ことしに入りまして、4月17日の信濃毎日新聞の地域のページの紙面でございますが、市が立地適正化計画を策定していることについての記事が掲載されました。信濃毎日新聞に限らず記事に取り上げていただくことは、周知が行き届かない市民の皆様への情報提供の一方策であると考えているところでございます。 5月16日号の「広報うえだ」では、基本的な方針や区域等の案等を載せました「みんなが住みよいまちを目指して」と題しましたチラシを全戸配布させていただいたところでございます。5月から各地域協議会において2度目の報告と説明の機会をいただいておりまして、本日までに5つの地域協議会での説明をさせていただいております。残りの4地域協議会への説明は6月以降を予定しておるところでございます。 また、5月下旬には上田地域と丸子地域におきまして市民説明会を開催し、さらに現在本計画案について市民意見募集手続に基づきましてパブリックコメントを6月14日まで実施中でございまして、市民の皆様の意見募集を行っているところでございます。 これまでも市民の皆様や民間事業者の皆様から計画に対するご意見、ご質問に加え、将来の人口減少や超高齢社会に対するご不安であったり、現状における地域の課題等をお聞きしてきたところでございまして、いただいた計画に対するご意見につきましては、反映するもの、そうでないもの、課題としていただくもの等、その理由をきちんと整理する中で対応してまいりたいと考えております。 次に、計画策定のスケジュールについて、ことし11月の公表は拙速ではないか、また住民理解を得られない場合は中止する考えはあるかとのご質問でございます。上田市立地適正化計画につきましては、平成27年4月に基礎調査に着手した後、計画策定作業とともに、先ほど申し上げました庁内部局への説明や意見交換、また各地域協議会、関係団体の皆様や市民の皆様に周知を図ってまいりました。立地適正化計画策定につきましては、計画公表までのスケジュールを立て、一般に公表した中で市民の皆様からの意見の集約を図りながら進めるとともに、上田市都市計画審議会での審議をいただく中、本計画が目指す公表時期を平成30年11月と申し上げてきたところでございます。 本計画につきましては、ここまで基本的な考え方や区域等をお示ししてきた段階でございますが、今年度目標値や評価方法等を策定した上で、本計画の全体案として9月から10月にかけて再度市民意見募集手続に基づくパブリックコメントの意見募集を行う予定でございます。さらに、上田市議会や市の関係部局への説明等を並行して進めていくとともに、必要な修正等を行いながら、最終的には上田市都市計画審議会での審議を踏まえまして成案化いたしまして、本年11月の公表を目指してまいりたいと考えております。 また、住民理解が得られない場合は本計画策定を中止する考えはあるのかとのご質問でございますが、これまで各地域協議会や関係諸団体、市民説明会や市議会環境建設委員会等におきまして本計画の必要性や趣旨などについて説明をさせていただきまして、本計画の策定につきましてはおおむねご理解をいただいていると考えておりますことから、引き続き策定作業等を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきましたが、ただいまご説明いただいた市民への説明、協議会とか「広報うえだ」に載せたりとかというお話でしたけれども、先日の5月の「広報うえだ」もA3判1枚だけ、ホームページを見ますとそのほかに概要版というのがございますけれども、概要版でも正直細かいことはわからないと思いました。全容のものになりますと八十数ページのものですけれども、なかなか一般の市民の方がそれを全部目を通して理解するのは難しいのではないかなと思うのが正直なところでございます。 時間がないので、続いて次の質問に移らさせていただきます。次に、誘導区域の線引きについて伺います。上田市立地適正化計画の概要では、居住を誘導し、人口密度を維持する区域として居住誘導区域を設定することとなっていますが、区域を線引きすることにより区域内と区域外では具体的にどのような違いが生じるのでしょうか。また、計画案では中心市街地のスポンジ化が進行する一方、家屋の新築は郊外への立地が多いとありますが、その要因は何だと分析しているのでしょうか。同じく計画案では空き家の効率的な利活用について言及していますが、具体的にどのようなことを想定しているのでしょうか。そして、居住誘導区域外の空き家の位置づけはどのようになるのでしょうか。 以上、第3問としてお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 誘導区域の線引きについてご質問をいただきました。 最初に、誘導区域の線引きにより区域内と区域外ではどのような違いが生じるかでございます。都市機能誘導区域は、交通アクセス性、都市機能の集積状況を勘案し、都市全体における医療、福祉、商業等各種生活サービス施設の効率的な提供拠点を目指す区域とされております。また、居住誘導区域は、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティーが持続的に確保されるよう居住を誘導すべき区域とされております。 立地適正化計画が策定されますと、都市再生特別措置法第88条第1項に基づきまして、立地適正化計画区域内で居住誘導区域外における3戸以上の住宅の建築目的の開発行為、または3戸以上の住宅等を建築する場合等については、行為の着手の30日前までに市への届け出が必要となってまいります。 都市機能誘導施設として設定を予定している誘導施設でございますが、上田及び丸子地域では駅、バスターミナル、図書館、健康増進施設、加えて上田地域では大、中規模の商業施設、丸子地域では高等教育機関であり、計画区域内で都市機能誘導区域外に同じ機能の施設を整備する場合についても、都市再生特別措置法第108条に基づきまして市への届け出が必要となってまいります。 次に、計画案で示されている中心市街地のスポンジ化、郊外立地などの分析についてのご質問でございます。2011年から2015年の5年間にかけての住宅の新築戸数につきましては、都市計画基礎調査によりますと、上田用途地域内が997戸に対しまして、用途地域外が1,679戸でございました。また、2006年から2017年の12年間にかけて市の条例に基づく開発事業届がございました宅地分譲の区画数は総数で324区画ございまして、そのうち約7割に当たる238区画は神科地区95区画、城下地区73区画、川辺・泉田地区70区画といった状況でございます。 さらに、共同住宅の建築を目的とした開発事業届につきましては、部屋の総数で申し上げますが、1,274部屋に対しまして、川辺・泉田地区が253部屋、神川地区が153部屋、以下城下地区148部屋、西部地区が97部屋などという結果になっております。 このような状況から、共同住宅も含めた新築の住宅につきましては、上田用途地域の外縁の千曲川右岸地域では神科・神川地区でございまして、左岸地域では城下、川辺・泉田地区にかけての建築が多く、その要因といたしまして、まず1つとして、中心市街地が比較的近く便利である、2つ目として、開発可能な一定程度の広さを持つ農地等がある、3つ目として、取引価格が比較的安価に設定できて、子育て世代に人気があるといったようなことが挙げられると考えられます。 一方、上田用途地域内につきましては、もともと人口密度が高いため人口減少も多いといった状況にあり、さらに土地利用が居住地や商業地等で一旦完結しているという状況もございまして、開発事業届に該当するような3,000平方メートル以上超えるような規模の敷地面積を確保することはなかなか難しい状況が用途地域内にはあるというふうに考えられます。そのため、上田用途地域内における新築住宅の傾向としては、敷地面積が比較的小さい共同住宅や小規模の開発が行われているといった状況でございまして、上田用途地域の外縁部郊外へ立地が広がったというふうに考えております。 次に、計画案の中で空き家の効率的な利活用の具体的な考えについてのご質問でございます。また、居住誘導区域外での空き家の位置づけといったことのご質問でございます。この立地適正化計画の計画の中で空き家の効率的な利活用といったことを掲げておりますが、具体的施策につきましては、今後上田市空家等対策協議会等での協議を通じまして具体的な政策の立案や制度設計等を行い、活用など推進方策の検討を行う予定となってございます。そのため、居住誘導区域外の空き家についても地域に即した政策の立案を今後検討していくことになるということでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ご答弁いただきました。 時間がないので、次の質問に移らさせていただきます。誘導区域の線引きをすることによって区域内と区域外で不動産価格に格差が生じ、個人の資産、財産に影響を及ぼすおそれは考えられないか。また、居住誘導区域の設定により投機を目的とした土地取引の誘発が危惧されますが、区域設定にかかわる情報の管理や機密保持についてどのように考えているのでしょうか。また、居住誘導区域の設定は小中学校の通学区の設定にも影響してくるのでしょうか。 以上、第4問としてお聞きします。 ○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 誘導区域の設定による影響などについて幾つかご質問をいただきました。 立地適正化計画公表後の土地の取引価格の動向につきましては、予測といたしまして、土地取引における通常の経済活動によるものが最も影響するというふうに考えておりますが、今後誘導区域内において展開される具体的な施策の内容によっては土地価格に影響してくることも考えられます。 中心市街地における平成13年から平成23年にかけての地価の動向でございますが、例えば中央西一丁目では下落率が70%、緑が丘三丁目の住宅では下落率60%、中央六丁目住宅店舗では下落率が80%、常入一丁目の住宅におきましては下落率57%、上丸子の宮ノ前の住宅では下落率が46%というような数字になっておりまして、立地適正化計画公表後、強いインセンティブを生み出す施策を講じた場合には、地価の下げどまりといったものも期待されるというふうに考えます。 次に、区域設定の情報管理や機密保持についてのご質問でございます。人口減少社会に対応したまちづくりは行政と地域が一体となって進めていく必要があると考えておりまして、行政機関、民間事業者、市民の皆様に対して広く知らしめて多くのご意見をいただく必要がありますことから、計画案については区域も含めて全て公表をしておるところでございます。立地適正化計画が策定された後の施策の検討につきましても、多くの方との協働の中で検討を進めていく必要があるというふうに考えております。 各地域にございますまちづくり、地域づくりに関係する団体の皆様や地域協議会、民間事業者の皆様など他の行政関係の皆様を含め、多くの意見を取り入れた中で施策は具体的に検討されていくこと、これが重要であるというふうに考えております。 立地適正化計画公表後、強いインセンティブを生み出す施策を講じた場合であっても、長期的スパンで誘導を図っていくものでございまして、直ちに土地価格に影響するものではないというふうに考えております。 次に、誘導区域の設定は小中学校の通学区の設定にも影響するかとのご質問でございます。通学区域は就学予定の子供たちが就学すべき小中学校の指定をする際の判断基準として、市町村教育委員会があらかじめ設定した区域のことでございます。この通学区域につきましては、法令上の定めはなく、就学する学校の指定が恣意的に行われたり、いたずらに保護者に不公平感を与えたりすることのないようにすることなどを目的として、道路や河川の地理的状況、地域社会がつくられてきた歴史的な経緯や住民感情等、それぞれの地域の実情を踏まえ、各市町村教委の判断に基づいて設定されておるというものでございます。上田市におきましてもこのような考え方を踏まえ、基本的には自治会単位で通学区域を定めておるところでございます。したがいまして、立地適正化計画の策定が直ちに通学区域に影響することはないものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員。          〔8番 井澤 毅君登壇〕 ◆8番(井澤毅君) ただいま誘導区域の線引きについてご答弁いただきました。 税制面でも行政サービスでも格差のある誘導区域の内側と外側、不動産価格に差が出てくるのは当然のことだと思います。それはすぐにではなくも、個人の資産、財産に大きく影響を及ぼすことは明らかです。また、地域にとって学校は核となる場所であります。そして、学校もコミュニティスクールに代表されるように、地域に支えられ、地域に見守られ、地域の学校として子供たちを育てています。長い時間をかけてでき上がった地域コミュニティーの崩壊につながるようなことがあってはならないことだと考えます。 居住誘導地域に病院や施設を集め、税制面の手厚い行政サービスで市民を誘導できたとしても、少子高齢化の世の中でそこに集まってくるのはやはりご高齢の方になってしまうのではないでしょうか。いっとき人を集めることができたとしても、20年後、30年後にはまた同じ結果が待っているのではないでしょうか。先週の新聞のコラムに全戸配布された上田市の立地適正化計画の文書について次のように書かれていました。大切なことは、この地を愛し、住みつき、その上で子宝をふやすための施策を行政がどのように創出するかだ。居住者の奪い合いでない形で上田市の人口減少に歯どめをかける施策について、この文章は一言半句も触れていない。その意味でこの文章は悲劇的に悲観的だと書かれております。 国の平均年齢が世界一である日本においては少子高齢化は避けることのできない現実であります。しかし、それは捉え方によっては成熟した社会になるということでもあります。少子高齢化、人口減少社会にあっても将来への希望や生きがい、心の満足と豊かさを感じられるような社会を目指していくべきではないでしょうか。市民の精神的な豊かさや生活の質の向上、成熟した社会にふさわしい新しい豊かさをつくり出す必要があるのではないでしょうか。 ○議長(小林隆利君) そろそろ質問に入ってください。 ◆8番(井澤毅君) はい。 最後の質問になります。この上田市立地適正化計画のような上田市の将来像を左右するような計画は誰が、どのような形で決めていくべきものだとお考えでしょうか。所信表明で土屋市長がおっしゃった市民が主役、市民力を高めるまちづくり、人を大切にするまちづくり、共感力によるまちづくり、暮らしやすさ起点の発想で住みやすいまちづくり、この4つの視点で将来に夢と希望を持てる上田、誰もが生き生きと住みやすい上田を築き上げ、次の世代へ引き継いでいけることを願いまして、私の一般質問を終わります。 ○議長(小林隆利君) 何を聞くということを言わないと、申しわけないですけれども。 ◆8番(井澤毅君) 上田市の将来像を左右するような計画は誰が、どのような形で決めていくのか教えてください。 ○議長(小林隆利君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 最後に、立地適正化計画のように上田市の将来像に影響する計画はどのような形で決定していくべきものと考えているかとの質問でございます。 立地適正化計画は、第二次上田市総合計画、上田市都市計画マスタープラン等の上位計画に則して計画策定されるものでありますが、本計画は上田市が目指す都市構造の未来図を示す重要な計画であるという側面を持ち合わせております。したがいまして、策定に当たりましては、都市再生特別措置法などの関係法令など定められたルールに沿った手続を確実に行っていくことはもちろんのこと、本計画は上田市が目指す将来の姿に道筋をつける計画であることを計画策定に携わる行政、市民、市議会など共通の認識の中で進めるべきものと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 井澤議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時38分   休憩                       ◇                                午後 4時54分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)市政について ○議長(小林隆利君) 次に、質問第10号、市政について、金沢議員の質問を許します。金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 通告に従いまして質問をしてまいります。安定的な水の供給を確保するためにの質問をしていきます。 日本が世界に誇る衛生的で安全な水道水、全国普及率はほぼ100%達成されております。水道は生活基盤として欠かせないものです。その水の安定的な供給を維持していくため水道の整備が図られてきました。将来にわたり持続可能な水道を維持していくため、水道の基盤の強化に取り組む必要があります。国の平成30年度水道施設整備予算案には、全国の自治体で老朽化が進み、管路の更新が問題視されている水道施設の水質安全対策、耐震化対策として375億円が計上されております。前年度予算より20億円の増額であります。水道管の修繕や改修を担う中小、小規模事業者への経済波及効果も期待できます。 水道の基盤を強化するため、水道法の一部を改正する法律案が昨年3月、閣議決定をされました。改正法の項目の一つに指定給水装置工事事業者制度に更新制を導入するとあります。給水装置とは、水道事業者の施設である給水管から分岐して設けられた給水管及びこれに直結する給水施設周辺を言い、配水管、給水管、止水栓、水道メーター、給水用具等のことです。更新制導入を求める意見書を昨年3月、上田市議会として国に提出いたしました。 まず初めに、改正法についての上田市の考えをお伺いします。 ○議長(小林隆利君) 竹花上下水道局長。          〔上下水道局長 竹花 国雄君登壇〕 ◎上下水道局長(竹花国雄君) 指定給水装置工事事業者制度は、従来各水道事業者が独自の指定基準で給水装置工事を施工する者を指定していましたが、規制緩和の要請を受けまして、平成8年に全国一律の指定基準による現行制度が創設されました。これにより広く門戸が開かれ、指定給水装置工事事業者が大幅に増加し、上田市では現在300者を指定しておるところでございます。 この現行制度では指定工事事業者の指定についてのみ定められておりまして、指定期間の有効期限はなく、指定工事事業者の廃止、休止等の状況も反映されにくいため、指定工事事業者の実態を把握することが困難であり、全国的には指定工事事業者の違反行為や利用者からの苦情も多い状況にあります。このため、指定工事事業者をめぐるトラブルの防止や指定後の実態を把握し、指定工事事業者の資質が継続して保持されるよう、指定に有効期限を設ける更新制を導入することがこのたび今国会の改正法案に盛り込まれております。 この指定有効期間でございますが、実態との乖離防止や水道事業者と指定工事事業者双方の負担を考慮しまして5年としたものでございます。 更新制の導入に当たりまして、現在指定を受けています指定工事事業者の指定の更新については、更新時期が5年後の一定期に集中することを避けるため、更新年度を分散させ事務の平準化を図ることが必要になります。このため、最初の更新の時期について、指定を受けた日が平成26年度以降である者は施行後5年間は現に受けている指定を有効とし、平成25年度以前に指定を受けた者については、指定を受けている期間の長さに応じて段階的に5年を超えない期間を設定することを予定しております。 今後改正法案が成立すれば、市としましても指定工事事業者制度の改正に当たり更新手数料などの事項について条例や関係規程の改正を行うとともに、指定工事事業者の皆さんに随時情報提供しながら、新制度へのスムーズな移行に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 更新制の導入もしっかり考えていらっしゃるということを伺いました。 老朽化等に起因する事故の防止や安全な水の安定供給のためには、水道施設の健全化等を把握する点検を含む維持、修繕や、長期的視野に立った計画的な施設の更新、耐震化が重要です。施設の維持修繕の基礎となる台帳整備が必要となります。水道台帳の整備状況をお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 竹花上下水道局長。          〔上下水道局長 竹花 国雄君登壇〕 ◎上下水道局長(竹花国雄君) 水道台帳の整備についてのご質問です。 先ほど話が出ました現在今国会で上程されております水道法改正案におきまして、水道を取り巻く状況として施設の老朽化の進行、耐震化のおくれ、小規模水道事業者の経営基盤の脆弱化、計画的な更新のための備え不足が指摘されており、将来にわたり安全な水の安定供給を維持していくためには、水道の基盤強化を図ることが必要となっております。特に施設管理の基礎となる水道台帳がなく、水道施設データの整備が不十分であった水道事業者においては、災害時の迅速な復旧作業に支障を生じる例が見受けられました。 こうしたことから、水道法改正案では、水道事業者の適正な資産管理について、水道施設を適切に管理するための水道施設台帳を作成し、保管しなければならないこととするを規定しております。具体的な内容としましては、管路調書としまして、管路区分、設置年度、口径、材質、継ぎ手形状ごとの管路延長等、一般図としましては、水道施設、管路の位置、方位、縮尺などが整備する内容として示されております。また、情報管理の効率化と危機管理対策の強化が図れるよう、必要に応じて電子化するとされております。 市におきましては、水道施設台帳は既に整備済みでございまして、管路及び施設について電子化されたデータを水道マッピングシステムに取り込みまして、平成27年度より本格的に運用しているところでございます。このシステムにつきましては、市営水道の全ての管路及び施設、また各戸の給水管の情報について、現在10台ある端末で即時閲覧可能となっておりまして、お客様の問い合わせ対応はもとより、断水時などの迅速対応、アセットマネジメントによる管路施設更新計画の検討、維持管理の効率化、水道技術の伝承と人材育成による技術力の向上にも寄与しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 水道台帳は電子化をもうされているということでございました。 日本の水道インフラは高度経済成長期の時代、1970年代急速に整備が進んだため、老朽化による整備が一気に押し寄せています。老朽化による布設がえの更新率は全国平均で0.75%であり、年々少しずつ更新率が下がっている傾向であります。ですから、全ての更新には130年かかると言われております。 次の項目についての上田市の状況はどうか、4点についてお伺いいたします。1、老朽化に伴う布設がえの更新率はどうか。 2、早急に更新が必要な管路の状況はどうか。また、管路にはまだ鉛管があると聞くが、状況はどうか。 3、熊本地震では耐震化の重要性が明らかになりましたが、管の継ぎ目に伸縮性を持たせた耐震管の導入を今後どのように進めるのか。 4、市内の管路の耐震化率はどうか。 以上、お聞きいたします。
    ○議長(小林隆利君) 竹花上下水道局長。          〔上下水道局長 竹花 国雄君登壇〕 ◎上下水道局長(竹花国雄君) 管路の更新や耐震化につきまして幾つかご質問いただきましたので、順次お答えいたします。 まず、老朽管の更新率についてであります。上田市の管路延長は平成28年度末で952キロほどありまして、このうち法定耐用年数を経過したいわゆる老朽管は107キロと、全体の11%を占めております。水道管は法定耐用年数が40年であり、高度経済成長期に整備された施設の更新が進まないため、管路の老朽化を示す経年化率は年々上昇すると見込んでおります。近年強靱な水道を目指すために計画的に更新を進めておりますが、平成28年度の更新延長は4.6キロ、更新率で0.48%、平成29年度では4.7キロメーター、更新率では0.49%と更新率は伸びておらず、横ばいの状況であります。 こうした状況を踏まえまして、今年度から平成32年度までは年間7.5キロメーター、更新率で0.73%を予定しております。また、現在進めております真田簡易水道統合整備事業が平成32年度に終了を予定していることから、これ以降は財源がある程度確保されると見込み、段階的に更新延長を増加していく計画としております。 次に、早急に更新が必要な管路につきましては、災害時の断水による市民生活への影響が大きい路線や、破裂などにより重大な二次災害を起こす可能性の高い路線を優先的に更新していくという考えで選定しております。具体的には、河川から浄水場へ導水する管路や浄水場から各配水池に送水をするいわゆる基幹管路、また病院、避難所など重要施設への配水をする重要配水管路を選定し、このうち老朽化が進んでいます管路を早急に更新が必要であると位置づけておるところでございます。 次に、鉛管の状況でございます。上田市では上田地域と丸子地域に限り昭和52年まで建物へ給水を行います水道管に鉛管を使用してまいりましたが、その後ポリエチレン管やビニール管に変更しております。鉛の健康への影響ですが、鉛の濃度が濃くなりますと、神経系の障害や貧血、頭痛、食欲不振などの中毒症状を起こすと言われております。また、体内への蓄積もあるため、水道法の水質基準では平成15年4月1日よりそれまでの基準を2倍に強化いたしました。市の鉛管を通った水道水への鉛の溶出ですが、水道法の鉛溶出の水質基準が強化されることを受け、平成13年に老朽鉛管を使用している箇所につきまして水質検査を実施した結果、水道法で定められております水質基準以下でありました。理由としましては、老朽鉛管の場合につきましては内部に被膜が発生しておりまして、鉛の溶出を抑えているということが考えられております。 上田市における鉛管につきましては、平成13年度に各戸のメーター取りつけ部にて調査をした結果、7,300件の残存を確認しまして、平成14年度から15年計画で総額7億円弱をかけまして更新を進めまして、現在市が把握している残存数はゼロでございます。 しかしながら、建物の床下など民地内で鉛管の確認ができないところもあることから、これで完全になくなったとは考えておりません。今後は住宅の改築工事あるいは宅内の管破裂など宅内施工をする工事業者の皆さんに鉛管の使用が確認された場合は直ちに局へ連絡することをお願いしながら、引き続き鉛管の撤去を進めてまいります。 次に、耐震管の導入についてのご質問ですが、平成28年4月に発生しました熊本地震では、断水戸数が44万6,000戸、最大断水日数が3カ月半の水道被害がありました。長野県内で発生した神城断層地震でも断水戸数が1万3,000戸、断水日数が25日という水道被害が発生しております。このうち耐震適合率が80%あります熊本市では、地震発生後1週間で100%復旧していることから、耐震管の導入は災害発生後の迅速な復旧といった観点で大変有効性が高いものと認識しているところでございます。 上田市では厚生労働省が耐震管として位置づけております管の継ぎ目に伸縮性を持たせた鎖構造管路、いわゆる耐震型ダクタイル鋳鉄管や、融着方法により管路を一体化させる配水用ポリエチレン管を平成23年度より全ての管路の新設や更新で導入をしているところでございます。また、この2種類の管につきましては、布設する路線の水圧状況や口径、重要性、またライフサイクルコストを考慮しまして使い分けているところでございます。 次に、管路の耐震化についてでございますが、市内にある管路の耐震化率でございます。平成28年度末では耐震管が64キロ、耐震性能を有する管が238キロありまして、耐震適合率は全管路で31.7%、そのうち基幹管路で34.7%となっていますが、全国平均で38.7%、長野県平均では35.2%であり、上田市はいずれも下回っている状況であります。また、平成29年6月に国の国土強靱化推進本部が決定しました国土強靱化アクションプラン2017においては、基幹管路の耐震適合率を平成34年度までに50%を目標に掲げていることから、耐震化への対応は急務となっている状況にあります。 このように今後の更新需要は急激に増加していくことが見込まれますけれども、財政収支を考慮しました計画的な更新投資によりまして、老朽化による突発事故や地震発生時の被害の軽減に努めてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) ご答弁をいただきました。 上田市は市町村合併以来水道料金の値上げを行っておりません。値上げを行わずに水道事業を運営してきた要因は何でしょうか。 また、人口減少や節水意識等による料金収入への影響も懸念されます。そして、水道施設の老朽化が進んでいることにより、施設の更新や耐震化対策による事業費の増加も見込まれることから、水道事業の収支についてはどのように考えているのでしょうか。4年ごとの見直しの時期である平成33年度以降の料金の見込みについてどのように考えているのか。 以上、お伺いいたします。 ○議長(小林隆利君) 竹花上下水道局長。          〔上下水道局長 竹花 国雄君登壇〕 ◎上下水道局長(竹花国雄君) 現在上田市の水道料金は原則4年間を料金算定期間としまして、総括原価方式を用いて将来の財政状況を推測しながら設定されております。料金改定に当たっては、まず上下水道審議会に諮問し、パブリックコメント等を踏まえながら審議をお願いし、答申をいただいております。 市町村合併以降の料金改定の状況ですが、平成21年度の見直しでは平均改定率マイナス1.0%、平成25年度と平成29年度の見直しでは料金据え置きといたしました。この間平成21年より旧4市町村で異なっていた料金を3年かけて段階的に統一したことから、地域や使用水量によってはそれまでの料金より高くなるケースも生じております。また、平成26年には消費税率の引き上げに伴い、引き上げ相当分の改定をお願いしております。 このように市町村合併以降は一部の特別なケースを除いて料金の値上げを行わず来たわけですが、その要因はいろいろ考えられます。まず、収入面におきましては、給水人口の減少や節水意識の向上等により料金収入は減少しましたが、事業の遂行に当たりまして国からの補助金や企業債を有効に活用するとともに、一般会計からも国の基準にのっとって所定の経費について繰り入れをしておりました。また、料金収納率の向上や小水力発電を導入するなどして収入の確保に努めてまいりました。 一方、支出面におきましては、収納、開閉栓や窓口業務を民間企業に包括委託することで人件費を削減するとともに、管網解析システムやGISといった情報通信技術の利活用による事務の効率化、工事コストの削減等により費用の圧縮を図ってまいりました。また、平成19年度から平成21年度にかけて行った公的資金補償金免除繰上償還の実施によりまして5%以上の企業債を償還したことから、平成21年度からの12年間でおよそ8億4,000万円の企業債利息を削減できたことも大きな要因でありました。 今後の人口減少に伴う水道事業の収支についてどのように考えるかとのご質問でございますが、現在の水道事業は料金収入が減少する一方で、大正時代までさかのぼる創設当時の老朽施設や高度成長期に拡張された施設の更新がピークを迎えておりまして、さらに近年頻発する災害対応への需要が高まっていることから、今後建設改良に必要な資金は膨大なものになると見込まれ、事業経営を取り巻く環境は一層厳しさを増していくものと考えております。 こうしたことから、事業を持続的に運営していくための資金需要を考慮しますと、水道料金の次の見直し時期であります平成33年度以降では、受益者負担の原則から利用者の皆様に負担をお願いする状況も生じてくると考えております。 いずれにいたしましても、今年度策定予定の水道事業ビジョンにより計画的に施設の更新や統廃合を行うことで支出を最小限に抑え、また日常の維持管理費の削減に引き続き努めることとし、なるべく利用者のご負担を軽減できるよう努力してまいります。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 料金負担についてはなるべく軽減をするような、そういうようなお答えをいただきました。それを強く望むところでございます。 水道事業の持続性を確保するためには水道の基盤強化を図ることが必要と考えられます。単独では事業の基盤強化が難しいと言われる中、中、小規模の水道事業者において経営面などのメリットに結びつく水道事業者等の連携を図ることが必要と考えられます。県、市町村、水道事業者等が一体となって取り組む広域的な連携についてはどのように考えているのでしょうか。 ○議長(小林隆利君) 竹花上下水道局長。          〔上下水道局長 竹花 国雄君登壇〕 ◎上下水道局長(竹花国雄君) 水道の広域連携につきましては、千曲川流域を中心としました長野県企業局、長野市、千曲市、坂城町、上田市の5事業体、及び上小圏域を中心とした長野県企業局、東御市、長和町、青木村、上田市の5事業体の2つの構成事業体で現在検討をしております。 このうち千曲川流域を中心とした広域連携の検討は、共通課題であります人口減少に伴う水道事業の厳しい財政収支を踏まえ、地域によりよい将来の水道事業のあり方につきまして、相互理解を深めながらともに研究をしていく目的で平成26年8月より水道事業運営研究会としてスタートしています。この研究会では、広域防災体制、水質検査、料金徴収、給水エリアの4つの課題に対し業務の共同化や連携策について検討を進め、特に広域防災では災害時におけるより迅速な対応を目的とした情報共有や役割分担につきまして、昨年7月に災害時連携協定を締結いたしました。また、維持管理経費の削減を目的にし、水質検査体制の共同化や浄水場での消毒剤や凝集剤など薬品の共同購入、あるいは一体的な料金徴収業務の委託化について検討を進め、さらにはダウンサイジングによる更新費用削減を目的に、将来一体となった場合の4市町と県企業局におきます給水区域の見直しや、主要な施設や管路の水運用計画及び施設整備計画について検討を進めております。 一方、上小圏域を中心とした広域連携につきましては、県の上田地域振興局環境課が主体となりまして、共同化や連携によるメリットを目的に昨年12月から検討会がスタートしました。検討会で進めていくべき課題の抽出についての協議をした程度でございまして、本格的な検討はこれからという状況であります。 今後も安定的な水の供給と持続可能な水道事業運営の方策の一つとしまして、広域的な連携も視野に入れて調査、検討をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) ご答弁いただきました。 平成32年度完成予定の新本庁舎ですが、建てかえに伴い上下水道局が真田地域自治センターに移転します。上下水道局が移転する理由は何か。また、移転による事業の支障はないのか。今月市民説明会やパブリックコメントを実施する予定になっていますが、市民への周知に配慮をしているのか。また、上下水道局の移転は建てかえ期間中だけなのか。また、市民の意見が大きかった場合など、建てかえ後の本庁舎に上下水道局を入れる考えはどうか、お聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 本庁舎建てかえに伴う上下水道局の移転のご質問でございます。 市役所庁舎の改修、改築に当たりましては、市民の利便性、防災対応の効率性、事務の効率性等の観点から、現在の本庁舎、南庁舎に配置されていない部署も含めまして、新本庁舎、南庁舎に集約して配置する部署、機能などについて検討を重ねてまいりました。この中で上下水道局につきましては、一般市民の利用が多い上下水道局料金センターとサービス課の窓口業務等は新本庁舎等に配置をすること、上下水道事業に関する業務は申請や手続が連携することから集約して配置することとし、移転先は真田地域自治センターに計画をしたものであります。 主な理由を申し上げますと、1つとして、上下水道局の業務のうち開閉栓の手続や水道料金等の支払いなど一般市民が直接利用する窓口は北庁舎1階の上下水道局料金センターに集約をされていること、2つ目として、宅内給排水設備や下水道受益者負担金に関する業務はサービス課、上水道課、下水道課で情報共有する必要があるため、これらの課は同一庁舎内の配置が望ましいこと、またこの3つの課は現在1階から3階に分散していますが、それぞれに関連する業務や手続があるためワンフロアに配置することが望ましいこと、3つ目として、北庁舎は建物も古く、エレベーターが設置されていないため利用者には不便な状況にあること、また耐震性が不足すると考えられることから、災害時でも継続して業務が行える耐震性の確保された庁舎へ早期に移転することが望ましいこと、4つ目として、耐震性が確保されている既存ストックのうち、スペースに余裕があり、活用することが容易で、かつ執務室がワンフロアで確保でき、来庁者の駐車場を十分に確保可能な庁舎は唯一真田地域自治センターであること、5つ目として、つちや水源など主要な湧水水源や給水拠点として整備する石舟浄水場、染屋浄水場との距離などの地理的な利便性を生かして迅速かつ効率的な維持管理が行えること、6つ目として、北庁舎と真田地域自治センターで別個に行っている業務を一本化して行うことで効率的に事業を進められる体制となることなどの理由から、上下水道局内の組織見直し、人員の集約化による適正配置とあわせ、既存のストックである真田地域自治センターを有効活用して移転を行いまして、料金支払いなどの窓口業務については新本庁舎に配置することとしたものであります。 移転による事業への支障についてでございますけれども、まず災害時の対応につきましては、水道施設台帳は既に整備済みであること、管路や施設についてのデータは電子化されていること、さらに今後は浄水管理センターや丸子、武石上下水道課と一層の連携のもと全市的な対応を行っていくことから、移転の影響は出ないものと考えております。 また、多くの市民の皆様が利用される上下水道局料金センターとサービス課の料金担当は新本庁舎において業務を継続することとし、事業者の皆様には取りつけ管等の詳細協議は真田地域自治センターに行っていただくことになりますが、設備台帳の閲覧や各種申請の受け付けといった業務は新本庁舎において行うことや、これまで窓口に来庁していただいて行っていた手続をファクスやメールでもできるようにするなど、ご負担を極力少なくしてまいります。 市民の皆様には「広報うえだ」や市のホームページ等で広くお知らせするとともに、局内に移転についてのお知らせを掲示し、あわせて全戸配布をいたします上下水道指定工事店市内業者一覧に記事を掲載し周知を図ってまいります。 市といたしましては、今回の上下水道局の移転は本格的な移転として計画をしているものでありますけれども、関係する皆様には移転に当たっては丁寧な説明を行うとともに、移転後も関係者の皆様のご意見をお聞きする中で、事務事業や手続の見直し、職員配置の工夫などにより、移転によって不便となることがないよう、また多くの皆様の理解のもとで計画が進められるよう最大限努めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員。          〔16番 金沢 広美君登壇〕 ◆16番(金沢広美君) 答弁いただきました。 2項目めの質問をいたします。学校での心肺蘇生教育、AED教育の普及、推進及び突然死ゼロを目指した危機管理体制の整備についての質問をいたします。突然の心肺停止から命を救うためには、心肺蘇生AED知識と技能を体系的に普及する必要があり、学校での心肺蘇生教育はその柱となります。市民にAEDの使用が認められた平成16年以降、AEDの使用によって救命される事例も数多く報告されております。心臓と呼吸がとまってしまった場合、その場に居合わせた人が救命措置をしたときとしなかったときの命が助かる可能性は、1カ月の生存率で約3倍の違いがあるといいます。学校における心肺蘇生教育の重要性についての認識が広がりつつある平成29年3月に公示された中学校新学習指導要領保健体育科の保健分野では、応急手当てのことが明記されております。平成23年、さいたま市の小学校6年生の女子児童が駅伝の練習中に突然倒れたが、救命措置がなされなかった事故が報告されております。毎年100名近くの児童生徒の心停止が発生しております。 そこで、伺います。1、児童生徒に対する心肺蘇生とAEDに関する教育はどのような内容でしょうか。 2、学校における突然死に対する危機管理体制を拡充するために、児童生徒へ理解を深める教育、そして保護者や教職員への講習会が必要と考えるが、どうでしょうか。 3、授業でダミー人形とダミーAEDを使用している中学校は何校あるのでしょうか。また、ダミー人形を用意してある中学校がありますが、全中学校で使用できるようにすべきと考えるが、どうでしょうか。 4として、小学校、中学校の夜間や休日に社会体育で使用する体育館のAED設置状況はどうでしょうか。社会体育で使用する全ての小中学校の体育館は、また災害時の指定避難所にもなっています。AED設置をすべきと考えますが、どうでしょうか。 以上4点をお聞きいたしまして、最後の質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 心肺蘇生教育等につきましてご質問いただきました。 最初に、児童生徒に対する心肺蘇生とAEDに関する教育内容はどうかとのご質問でございます。小学校の学習指導要領によりますと、小学校5、6年生の体育でけがの防止について理解するとともに、けがなどの簡単な手当てができるようにするとございますが、心肺蘇生や自動体外式除細動器、いわゆるAEDについての言及はございません。また、中学校の保健体育では、平成29年度学習指導要領の改訂によりまして、人工呼吸やAEDを使用した心肺蘇生法などの応急手当てを理解できるようにすることに加えまして、実習を通じて応急手当てができるようにすることが盛り込まれたところでございます。 次に、学校における突然死に対する危機管理体制を充実させるため、児童生徒の理解を深める教育、あるいは保護者、教職員への講習会が必要と考えるがどうかとのご質問でございます。いわゆるAED教育につきまして、中学校ではただいま答弁しましたとおり、授業や実習を通じて応急手当ての知識や技能の理解を深め、小学校におきましても心肺蘇生法を学ぶことは命の大切さを知るよい機会と捉えまして、授業の中で取り上げてもらうようお願いをしてまいりたいと考えております。 保護者に対しましては、小学校の夏休み期間中、プール開放時に監視員として事前にAED講習も実施しております。また、教職員におきましては、県教育委員会から学校管理下の児童生徒等にかかわる突然死の防止と事件、事故等の緊急時に適切な対応が図れるよう、少なくとも3年に1回心肺蘇生法の救命講習を受講し、知識と技術を習得していく旨の依頼がございまして、平成29年度には市内小中学校では教職員のおおよそ3分の1が受講している状況となってございます。 心肺蘇生やAEDに関する知識と技能を習得することは、突然の心肺停止から命を救うため大変重要なことと考えておりますので、保護者や教職員の皆様に全小中学校で設置をしておりますAEDを利用した講習会等に積極的に参加をしていただけるよう働きかけてまいりたいと考えております。 次に、授業においてダミー人形とダミーAEDを使用している中学校は何校あるのか、また全中学校で使用できるようにすべきではないかとのご質問でございます。平成29年度でAEDなど応急手当てを学習しているのは全中学校でございますが、そのうち心肺蘇生実技講習会を開催している学校は8校、なお実際にダミー人形とダミーAEDを利用して実習している学校はそのうち5校でございました。 中学校の学習指導要領にAEDの実習を通じて応急手当てができるようにすることが盛り込まれましたことから、今後全ての中学校におきまして効果的に実習が行われると考えているところでございます。 次に、小中学校の体育館におけるAEDの設置状況、また社会体育で使用する全ての体育館は災害時の避難場所にもなり、AEDを設置すべきでないかのご質問でございます。上田市の全ての小中学校で社会体育として学校を開放しているところでございます。AEDは全校に設置をしてございますが、その中で学校の体育館に設置がしてある学校は13校でございます。学校の体育館は指定緊急避難場所や指定避難所になることから、体育館の使用方法や状況を把握した上で、各学校に設置をされておりますAEDの適正な設置場所も含めまして、今後検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 金沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 5時36分   休憩                       ◇                                午後 5時50分   再開 ○議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(9)すべての子どもが笑顔で幸せに暮らせるまちづくりについて ○議長(小林隆利君) 次に、質問第11号、すべての子どもが笑顔で幸せに暮らせるまちづくりについて、池上議員の質問を許します。池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 本日最後の質問となりました。今まで登壇された新人議員の皆様のようにさわやかに質問してまいりますので、どうぞ答弁もさわやかにお願いいたします。 それでは、すべての子どもが笑顔で幸せに暮らせるまちづくりについて、4項目にわたって質問いたします。まず最初に、子供の居場所づくりについて伺います。地域の子供たちに無料または安価で食事を提供し、学習支援などもするこども食堂が全国で広がっています。こども食堂安心・安全向上委員会が4月3日に発表した調査結果によると、全国で2,286カ所あるそうです。こども食堂は2012年に東京都大田区蒲田で始まったとされていますが、お年寄りから子供までが集う地域交流の場所と貧困対策の両面から普及したのではないかと言われております。また、2013年に子どもの貧困対策推進法が成立して、同法を踏まえ自治体が食堂を支援していることも増加の背景の一つと考えられます。農林水産省が昨年秋に274のこども食堂を対象に実施した調査では、目的として、多様な子供たちの地域での居場所づくり、子育ちに住民がかかわる地域づくりとの回答が多く上がりました。また、食堂がどれくらいの頻度で開かれているかの調査では、月1回程度が48.5%、2週間に1回程度が38.7%で、活動地域は町内会圏域、近隣地域や小学校区といった小さな範囲で活動している食堂が約半分でした。子供が気軽に利用するためには小さな範囲に食堂があることが望ましいとされています。また、課題としては、来てほしい家庭からの参加の確保、運営費の確保、運営スタッフの負担の大きさ、これが大きな課題になっているということです。 さて、長野県ではどうかといいますと、県こども・家庭課によると、こども食堂はことし1月現在、県内67カ所、長野市17カ所、松本市9カ所、小諸市、佐久市がそれぞれ3カ所と2カ所です。上田市は1カ所です。県内の53カ所の団体、個人が加盟する信州こども食堂ネットワークの事務局は、地域交流や子供の居場所づくり、食育を重視して各地に広がった、また貧困対策を念頭に活動する関係者もいるが、大半はそうした看板を掲げない団体で、さまざまな人が集まる中で経済的な支援が必要な人も来たり、信頼関係ができた上で悩みを明かしてくれたりすると説明していました。子供の居場所としてのこども食堂について伺ってまいります。 私は、先月信州こどもカフェこども応援地域プラットフォーム交流円卓会議という長い名前の会議に出てまいりまして、佐久地域と諏訪地域プラットフォームの報告をお聞きし、「こどもカフェの未来」と題したパネルディスカッションに参加してまいりました。また、その後松本市から児童館の委託を受けているNPO法人ワーカーズコープ松本が運営するこども食堂で宿題の終わった子供たちと一緒に食事をしてきました。この児童館では月2回こども食堂をやっています。大変参考になり、刺激を受けました。行政として、上田市として何ができるのかを念頭に置き、事例発表や現場で実感したことを少しご紹介します。 地域の実情に応じた多機能でさまざまな居場所が必要であり、キーワードは「つながる」だと感じました。情報をつなぐ、異文化がつながる、行政と情報を共有したい、子供の居場所の担い手だけでなく、応援してくれる人たちや団体をつなぐ、側面支援としての専門職や医療機関とつなぐ、そこには行政の仲立ちが必要との声が多くありました。 子供、若者支援の活動をする人たち、これからこども食堂を開催しようとする人たちが相互にネットワークを結ぶことで新たな活動の出会いになります。子供の居場所に高齢者や障害者が来る、いろんなタイプのこども食堂があれば、不登校ぎみの子供たちや発達の気になる子供たちが来れる、母親の居場所にもなれる、地域の居場所としてのこども食堂が総合的な地域の福祉の拠点になれるのではないかとも考えられます。子供の居場所づくりのために官民が力を合わせて支援を強化する必要があると考えます。 そこで、4点伺います。1点目は、上田市はこの信州こどもカフェ推進地域プラットフォーム事業、これは県の事業ですが、この意義や役割をどのように理解しているのか。 2点目として、食事の提供や学習支援、悩み事相談など複数の機能や役割を持つ子供の居場所づくりへの上田市の支援として、運営スタッフやボランティア、食材や場所の確保、運営費の補助、開設のサポートなどをどのように考えるか。 3点目として、子供を中心に大人や高齢者、障害者などにも相乗効果をもたらす居場所づくりへの考えはどうか。 4点目として、運営主体はNPO法人や自治会、地域ボランティア、飲食店などさまざまでいいと思いますが、家から歩いて行けるところに子供の居場所としてのこども食堂があることが望ましいと考えます。市内全小学校区に設置する考えはどうかを伺い、第1問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 子供の居場所づくりについて何点かご質問を頂戴しました。順次ご答弁申し上げます。 最初に、信州こどもカフェ推進地域プラットフォームについてのご質問でありますが、まず信州こどもカフェでありますけれども、これは長野県が推進している学習支援、食事提供、悩み事相談などにより家庭機能を補完するための子供の居場所の愛称でございます。単に勉強する、食事をするといったことだけでなく、地域の大人とのつながりの中で子供たちの成長を支え、子供たちに自立する力をつけてもらうと、こういった役割が期待されているところでございます。 この子供の居場所である信州こどもカフェを地域が一体となって推進するために、県、市町村、NPO、関係機関、民間事業所等、及びボランティアも含めて構成された連携支援組織が信州こどもカフェ推進地域プラットフォームであります。長野県が10圏域の地域振興局ごとに運営を行っており、上田地域においては長野県NPOセンターが県より業務を委託されております。 信州こどもカフェ推進地域プラットフォームの意義、役割についてでございますが、各団体間の情報交換、共有を図ること、連携、協働により運営の支援を円滑に行うことといった役割があり、上田地域プラットフォームには上田市からも子育て・子育ち支援課の職員が参加をいたしまして情報の共有を図っております。現在健康プラザを会場に月1回行われておりますフードドライブにつきましても、この上田地域プラットフォームの協議の中でも情報の共有化を図りまして、その結果、より多くの食材を集めることにもつながっております。このフードドライブで集まった食料の一部はこども食堂にも利用されているところでございます。 次に、子供の居場所づくりについて市の支援をどのように考えるかのご質問でございます。先ほど申し上げましたように、これは長野県が推進している事業ではありますが、市といたしましても信州こどもカフェのような地域の大人と子供がつながる場所、子供たちの成長を支える場所は非常に大切であると認識をしております。その支援をどのように行っていくかということにつきましては、先ほど申し上げた上田地域プラットフォームの中でも議論されておりますが、既に県内外で行われている子供の居場所の多くは地域や民間の団体の主体的な取り組みにより運営をされているものが多うございます。継続した活動を行っていくためには、行政の支援だけでなく、さまざまな団体との連携、協働が必要であると考えております。 市の支援といたしましては、公共施設の利用、広報活動といったことも考えられますが、今後も上田地域プラットフォームの意見も参考にさせていただきながら、市として支援でき得る方策について研究してまいりたいと考えております。 続きまして、子供だけでなく障害者などにも相乗効果をもたらす居場所づくりへの考えについてでございます。どのような居場所を設置するかということにつきましては、運営者の考えが優先されることになりますが、地域の中で子供がさまざまな大人と出会い、交流することは子供の成長にとって有意義であると考えております。どのような機能を持った居場所でも子供が参加しやすい場所となることが重要と考えておりまして、子供だけでなく、ご指摘のように高齢者や障害者も対象とした居場所づくりの計画がある場合につきましては、市の担当部局、高齢者介護課や障がい者支援課等々の関係課とも連携を図りながら対応をしてまいりたいと、このように考えております。 次に、市内全小学校区域にこどもカフェを設置する考えはあるかというご質問でございます。子供が通うといったことを考えますと、議員ご指摘のとおり、歩いて通える小学校区域に居場所があることが理想的ではありますが、担い手の課題等を考えると、全小学校区域にこどもカフェが設置される状況になるにはある程度の時間が必要になるのではないかというふうに思っております。現在上田市内には子供の居場所として学習支援や食事の提供を行ういわゆるこども食堂が、議員のご質問にもございましたが、1カ所で定期的に行われておりますが、思うように子供が集まらない、特定の子供のみの参加となってしまうといった課題があると伺っております。市といたしましては、まずは設置された居場所が継続的に開設されますよう、情報発信などを含めて行うなど、でき得る限りの支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 今答弁をいただきまして、まだまだ課題は多くありますけれども、上田市としても積極的な支援をお願いいたします。 それでは、次の質問をいたします。学校安全の取り組みについて伺います。学校安全の推進に関する国の施策の基本的な方向と具体的な方策を示すため、第2次学校安全の推進に関する計画が閣議決定されました。そこでは学校管理下で発生する事故や犯罪被害、交通事故等は全体として減少しているものの、いまだ児童生徒などの安全が十分に確保されているとは言いがたいため、児童生徒を取り巻く多様な危険を的確に捉え、児童生徒の発達段階や学校段階、地域特性に応じた取り組みを全ての学校において推進する必要性が指摘されています。また、安全教育や安全管理、家庭、地域と連携、協働した学校安全の推進に関し、地域間、学校間、教職員間に差があるとともに、継続性が確保されていない状況が見られるという指摘もあります。このように全ての学校において質の高い学校安全の取り組みを推進することが求められていることから、上田市の学校安全の取り組みについて伺ってまいります。 初めに、学校管理下で発生する事故や通学路における交通事故、犯罪被害、この犯罪被害はまさに先月29日に上田北小、上田三中付近で発生した警察官傷害事件はいまだに犯人が見つかっておらず、子供たちや保護者、地域では不安やストレスがたまっている状況です。このように通学路で子供たちが巻き込まれる事件、学校への不審者の侵入、地震や風水害などの自然災害の発生、事件、事故発生時の初期対応などに対する安全対策はどうなっているのかをお聞きします。 次に、保護者や地域住民、関係機関との連携、協働による学校安全の体制は構築されているのかをお聞きします。 3点目として、外部の専門家などと連携して安全点検を徹底する考えはあるのかもお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 峯村教育長。          〔教育長 峯村 秀則君登壇〕 ◎教育長(峯村秀則君) ご質問の学校管理下で発生する事故や犯罪被害、通学路における交通事故などに対する安全対策についてでございますが、学校の安全対策とその取り組みにつきまして、教育委員会では各学校に危機管理マニュアルの作成を指示し、児童生徒の安全確保と学校の安全管理に努めているところでございます。また、児童生徒に対しましては、授業等を通じ通学路での交通安全や安全確認の指導を実施しているところでございます。さらに、学校の緊急時の備え、各学校の実情も考慮しながら、防犯カメラやインターホンの設置など、防犯用品の整備も順次進めておるところでございます。 続きまして、保護者や地域住民、関係機関との連携、協働による体制についてでございますが、安全の確保につきましては学校だけでは対応には限界がありまして、そうした中で各学校では保護者と協働して地域の皆様と見守り組織を立ち上げ、見守り、パトロールなどの安全対策に取り組んでいるところでございます。また、警察等と連携、協働した子どもを守る安心の家の設置や、地域で組織されたボランティアの皆様が子供たちの安全確保にご尽力をいただいているところでございまして、教育委員会といたしましても感謝申し上げる次第でございます。 続いて、外部の専門家などと連携して安全点検を徹底することについてでございますが、市では道路の安全点検に関しては、道路の各管理者、警察、市の関係部署、教育委員会から構成される上田市通学路安全推進協議会を設置し、継続的かつ効果的に点検や対策の検討などを行っているところでございます。今後もこの協議会を中心に安全対策の実施を行ってまいりたいと考えております。 また、先月発生しました市内中央西での警察官の傷害事件を受けまして、防犯上死角が多い場所や人通りの少ない場所など通学路の安全確保に当たり、防犯協会、保護者の皆様、警察署、見守り隊などの地域の皆さんのご協力をいただきながら、さらなる対策も講じていく必要があると考えております。今後も地域の皆様との連携を進めて学校の安全対策に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいま教育長から答弁をいただきました。 学校安全の取り組みについて引き続き質問いたします。安全教育についての質問です。全ての児童生徒に自身の安全を守るための能力を身につけさせることはとても重要です。また、教職員には事故発生時の初動対応や事後対応などの学校危機管理のあり方に関することや、再発防止を含む事故防止対策に関すること、第三者委員会などの検証組織の必要性などの研修を実施し、安全に関する指導力及び安全対応能力を向上させるべきだと考えます。そのためには、安全教育を今も現在も一生懸命やってくださっていると思いますけれども、さらに充実させていかねばならないと思っております。最近はこの危機管理については大学の危機管理も問われているようなニュースもございますので、この安全教育をさらに充実させる考えはどうかをお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 安全教育の充実につきましてご質問をいただきました。 安全対策の取り組みといたしましては、各学校では児童生徒の安全の確保と学校の安全管理のために、日常または緊急時の対応手順及び教職員の具体的な役割分担を定めております。先ほど申し上げました危機管理マニュアルに基づきまして、学校内や登下校時の事故の際などには適切に対応し、教育委員会では相談や指導、助言を行っているところでございます。また、事故防止を含めまして、各学校で年に1回学校内、通学路の安全点検の実施やその見直しを行っているところでございまして、児童生徒の安全、事故の防止、安全に関する認識を深め、ルールの厳守、状況に応じた対応について児童生徒と教職員ともにさまざまな機会を捉え安全教育を充実させると考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) 学校安全の取り組みについて3回目の質問をいたします。 次に、通学路の安全対策の強化についてお聞きします。新潟市で小学校2年の女子児童が下校途中に連れ去られ、殺害されるという大変痛ましい事件が起きました。心からご冥福をお祈りいたします。日ごろ集団登下校や地域住民による見守りの取り組みは各地で行われておりますが、子供を守るための対策は幾重にも考えておく必要があります。例えば、住宅のブロック塀や空き家など周囲から見えにくく、犯人が身を潜めやすい場所についての情報の共有が重要です。小学生が被害者となる犯罪は午後2時から午後6時の間に多発している点も注意喚起すべきです。 また、通学路については、さまざま多くの住民の皆様から声を伺っております。例えば、街路灯はついていても暗かったり、側溝にふたがなく、特に小さい子供が落ちてしまう危険がある、雑草が生い茂って死角になっているところがある、狭い道でもスピードを出す車が多く、事故の危険を常に感じている、グリーンベルトをつくってほしい、速度規制をしてほしいなどなど実に多様です。先ほども教育長の答弁にもありましたが、新学期の前などは通学路の点検を行っている学校もあるとはお聞きしております。そして、このたびの上田の事件を受けて自治会に地域での見守りの強化をお願いしたとも聞いております。 しかし、それが地域や学校によって対応にばらつきがあるようでは子供たちの大事な命を守ることはできません。この際市全体で再び通学路のさらに総点検を実施すべきと思いますけれども、その見解をお聞きいたします。 ○議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 安全のために通学路の総点検を実施すべきと考えるがどうかとのご質問でございます。 平成24年4月に京都府の亀岡市で登校中の児童の列に自動車が突っ込み、児童が死傷するという大変痛ましい事故の発生を受けまして、国から各地方公共団体に推進体制の構築、基本方針の策定について要請がございました。上田市教育委員会では、さきに教育長が答弁いたしました上田市通学路安全推進協議会の中で、上田市通学路交通安全プログラムといったものを策定いたしまして、順次安全対策を講じてまいりました。引き続き関係機関のご協力をいただきながら対策方法等を検討していく予定でございます。 今後もこの協議会を中心といたしまして、上田市内の通学路の危険箇所を点検、把握するとともに、ハード対策を講じることが困難な箇所につきましては、各学校や関係機関とも協議する中で、通学路の安全が恒常的に確保されますよう、警察関係者、防犯協会、保護者や地域の見守り隊などのボランティアの皆様のご協力をいただきながら安全対策を講じてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいまは答弁をいただきました。通学路安全推進協議会での議論も踏まえるべきですけれども、危険なところはとにかく早急な対応をしていただきたい、これが多くの市民の思いだと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、3項目めの質問をいたします。里親支援についてお聞きいたします。社会的養護を必要とする子供たちの支援について、私昨年の6月の定例議会で一般質問いたしまして1年が経過いたしました。その後国や県の動き、また市内の民間機関においても前向きな動きがあったとお聞きしましたので、上田市の取り組み、民間機関との連携について伺ってまいります。 さて、親の死亡や虐待などさまざまな事情で親と一緒に暮らせない子供たちが約4万5,000人、長野県でも600人いると言われています。平成28年に児童福祉法の一部が改正され、児童が心身ともに健やかに養育されるよう、より家庭に近い環境での養育の推進を図ることが必要であると法律に明記されましたが、この家庭養護と呼ばれる里親やファミリーホームで養育されている子供は全国で18%、長野県ではさらに低く13%、そのほかの8割から9割の子供たちは施設養護と呼ばれる乳児院や児童養護施設で暮らしています。 その原因の一つは、児童相談所が大変忙しく、虐待の件数が多いということもありまして、里親支援に手が回らない、これが実は現実であります。社会的養護の必要な子供たちができる限り家庭に近い環境の中で特定の大人との継続的で安定した愛着関係のもとに心身ともに健康に育ち、自立できている、幸せだと感じられる、豊かな人間関係を築くことができる、そのための養育を目指し、国や県でも施設養護から家庭養護への移行が推進されている中、今年度上田市内の民間施設、うえだみなみ乳児院が乳児院による包括的里親支援事業の委託を県より受けました。 少しご紹介します。昨年の6月からここで作成した里親募集のポスターが市内各所に張られています。里親と聞くと、子供を長時間預かって養育するとか養子縁組をするなどのイメージが強いのですが、親が入院している間などの短期間のニーズも多いと聞きます。そのポスターでは、ゼロから2歳の赤ちゃんを短期間ご自宅で預かってくださる方を募集しますと、短期間と強調したことが功を奏したのか、ことしの3月までに60件の問い合わせがあり、そのうち何と48件が上田市からで、現在18世帯が里親になるための準備を進めているそうです。先週8日の金曜日には、NHKの「知るしん」という番組でこの取り組みが放映されました。乳児院の院長は、子供の最善の利益のために、預かるだけの施設からの転換を目指している、その取り組みは里親のなり手捜しの支援、実親家庭への復帰などの支援、特別養子縁組につなぐ支援、産前産後の母子支援などであると話しております。 この乳児院は上田市が直営していたのを民間が引き継いで8年になります。民間だからできること、民間とともに行政が進めること、官民の協働が重要であると考えます。上田市にはこのほかにも子供の幸せを最優先に考えて子供支援の活動をしているNPO法人や社会福祉法人が幾つもあります。また、この里親支援については、長野大学の上鹿渡教授も連携して取り組んでおります。 そこで、伺ってまいります。上田市はこのような社会的資源がたくさんある地域だと常々思っておりますが、ここが里親支援のモデル地域となるような取り組みがさらに進むことを願いましてお聞きします。昨年の答弁では、地域全体が里親制度への理解を深めるために、市としても制度の周知、支援の必要な方への把握などに努めていくとのことでしたが、上田市のその後の取り組みと民間との連携をどう進めてきたのかを伺います。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 里親支援についてご質問いただきました。 まず、社会的養護でありますが、これは保護者に養育をさせることが適当でない児童を公的責任で社会的に養育することでありまして、具体的には児童養護施設や乳児院といった施設への入所、または里親等への委託をするといったことであります。現在里親に関する業務は県の所管として児童相談所が行っておりますが、上田地域ではうえだみなみ乳児院が長野県から里親支援機関に認定され、議員のご質問でも触れられておいでになりましたが、県から包括的里親支援事業を受託するなど、里親の開拓、支援のためにさまざまな活動を行っておいでになります。 市といたしましては、制度の周知を図るために、県やうえだみなみ乳児院と連携いたしまして、昨年度は長野県が里親制度の理解、新規の養育里親の開拓を目的に開催をいたしました里親推進フォーラムについての情報を市の広報紙に掲載いたしたり、うえだみなみ乳児院が作成いたしました養育里親のチラシを市の公共施設に設置いたしまして、市内全域に回覧をいたしました。チラシ回覧後は里親に関するお問い合わせが増加した、そしてその中で、お話もございましたが、里親登録に向けて研修を受講された方も何人かおいでになったというふうに伺っております。 いずれにいたしましても、引き続き県やうえだみなみ乳児院等と連携を図りながら、市としてできる限りの協力を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員。          〔27番 池上 喜美子君登壇〕 ◆27番(池上喜美子君) ただいまはご答弁をいただきました。連携の取り組み大変にありがとうございました。先日も痛ましい虐待死のニュースがありました。こういう報道を聞くたびに胸が締めつけられます。私たち大人が、地域が、行政が何かできなかったか、何かできることはあったはずだと、幼い命を守ってあげられなかったことにとても苦しい思いになります。二度とこんな悲しいことが起こらないように、全ての子供たちが笑顔で幸せに暮らせるように、その取り組みの一つとして里親支援を上田市といたしましてもどうかよろしくお願いいたします。 それでは、最後の質問をいたします。産前産後の母親支援についてお聞きいたします。これは、先ほどの齊藤加代美議員の質問と重複しないように質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。全ての子供が笑顔で幸せに暮らせるためには、母親が笑顔で幸せであることが重要です。現代のライフスタイルや経済社会の変化の中で子供を取り巻く環境も大きく変わってきています。多くの女性が妊娠、出産、育児期における心身の変化や、仕事、家庭における役割の変化、地域社会とのつながりにおいて少なからず不安を抱いております。また、孤独な子育て環境が児童虐待や産後鬱などの社会問題につながることも近年クローズアップされています。孤独な子育てから母親を救い、子育てを楽しみ、自分自身に自信を持って輝いて生きてもらうために、子育てを社会で見守る温かい地域をこの上田市につくっていきたいと思います。 そこで、今の時代に必要とされる産前産後ケアとは何か、私なりに考えました。それは、産前と産後の早い時期には助産師が、そしてその後の地域での子育て期には保健師がそれぞれの専門性を生かして支援する、そしてそこに子育ての先輩たちやシニア世代を含む多世代の人たちもかかわって支援する、もちろん男性もその中に含まれております。そんな温かいかかわりの中で母親たちは安心して元気に子育てができると思います。上田市においてもさまざまな支援を先進的に取り組んでいただいていることには日ごろよりとても感謝しております。さらに支援が進み、子供たちが笑顔で幸せに暮らせるために質問をしてまいります。 初めに、子育て支援施設ゆりかごについて伺います。核家族で実家の遠い方、家庭での育児が不安な方、産後の肥立ちが思わしくない方などが赤ちゃんと一緒に泊まって生活し、育児に関する支援を受けながら心身の回復を図ることができるこのゆりかごは上田市産院の時代からあり、多くの母親たちから感謝されてきました。その中の一人が齊藤加代美議員で、大変感激を受けて聞いておりました。 事例を1つご紹介いたします。第1子を里帰り出産をするつもりでいたところ、産み月に入って突然実家の母にがんが見つかり入院、手術になってしまった、ゆりかごでお世話になり、初めての出産の不安や母の病気の心配など親身になって聞いていただき世話してくださった、ゆりかごがあって本当に助かりましたと涙ながらに話してくださった方が今も忘れられません。今年度は上田市立産婦人科病院の中のゆりかごとして7年目を迎えるわけですが、今回の補正予算の中でもゆりかごを活用しての産後ケア事業が新規事業として組まれております。 そこで、伺います。現在のゆりかごの支援の状況はどうか。また、課題は何か。そして、その課題解決に向けてどのように取り組んでいくのかをまず1つ伺います。 次に、2点目として、子育て世代包括支援センターについて伺います。これは開設して2年、妊娠から出産まで一貫して切れ目なくサポートしていただいていることに感謝しております。特に昨年度29年度からは支援が必要な母子を家庭訪問する見守りし合わせ支援事業を行い、よりきめ細やかな支援をしていただいていると思いますが、その取り組み状況はどうか、また今後の課題は何かをお聞きいたします。 そして、次に3点目、最後の質問でございますが、民間との連携はどうかをお聞きいたします。 先ほど紹介したうえだみなみ乳児院は、予期せぬ妊娠に悩む妊婦等支援事業、この委託も県より受けました。その事業内容では、特定妊婦等への支援の仕組みを構築するとともに、虐待死を未然に防止するため、乳児院が妊娠期から出産後までの継続した支援を提供するとあります。具体的には、妊娠葛藤相談窓口の設置、この妊娠葛藤というのは、葛藤する、心が葛藤する、産むか産まないかというこの相談窓口の設置、アウトリーチによる妊婦等への心身の状況や生活状況を把握し、支援計画を作成する、既存資源の活用も含め必要な支援を提供、特別養子縁組に向けて支援するというものです。どれも産前産後の母親にとっては大事な支援です。 改正された児童福祉法では、支援拠点の実施主体は市区町村ですが、市区町村が適切かつ確実に業務を行うことができると認めた社会福祉法人などにその一部を委託することができるとあります。現在要支援児童、要保護児童に対する支援については、要保護児童対策地域協議会で関係機関と連携しながら個別の案件ごとに対応していただいていることは十分承知をしております。 私は、さまざまな困難を抱えている母親が地域において孤立しないためには、相談体制を強化することが一番大事だと考えております。そのためにも上田市と民間機関との協働がますます必要になると思います。民間機関との連携を上田市はどう考えているのかを伺い、私の一般質問といたします。 ○議長(小林隆利君) 小林健康こども未来部長。          〔健康こども未来部長 小林 一彦君登壇〕 ◎健康こども未来部長(小林一彦君) 産前産後の母親支援についてご質問を頂戴しました。 最初に、ゆりかごでの支援の状況、また課題についてのご質問でございますが、子育て支援施設ゆりかごは、市立産婦人科病院の1階に併設をいたしまして、産後の母子を支援する施設でございます。核家族で実家の遠い方や家庭での育児が不安な方、産後の体調が思わしくない方などが赤ちゃんと一緒にこの施設に泊まり、家事など生活に関する支援を受けながら心身の回復を図ることができます。 利用期間につきましては、原則6泊7日までとし、1日3,000円と食事代1食640円をご負担いただいております。利用できる部屋数につきましては2部屋でございまして、多少の利用調整はさせていただいておりますが、年間20人前後の方が利用されておいでになり、稼働日数は平成29年度で延べ139日となっております。 また、平成29年度からは定住自立圏の取り組みとして、連携町村であります長和町、青木村、坂城町及び嬬恋村からの利用も可能となったところでございます。 利用される方は市内の医療機関や保健師から紹介される場合が多く、育児経験のある女性スタッフが24時間常駐いたしまして、清掃や洗濯、配膳等の日常的な生活の支援を行うことで、母親が家事を気にせず赤ちゃんと向き合うことができます。利用後のアンケートの中には、ゆっくり体を休めることができた、子育てを楽しむ余裕ができたなどのご意見も寄せられておりまして、一定の評価をいただいているところでございます。 課題といたしましては、利用者に対する支援が日常生活の補助や見守り等の支援であることから、沐浴や授乳中のトラブルなどの対応、赤ちゃんやお母さんへの直接的、専門的な支援ができないことが挙げられます。この点につきましては、本日の齊藤加代美議員のご質問にもお答えしたとおり、今年度から新たな取り組みといたしまして、産後の身体的、心理的な不調等で休養が必要な方や、授乳が困難など、授乳指導や育児指導が必要となる方等を対象とした産後ケア事業をこの子育て支援施設ゆりかごにおいて実施してまいりたいと考えております。 次に、見守り支援事業の取り組み状況、今後の課題についてのご質問でございますが、子育て世代包括支援センターの一つの取り組みといたしまして、平成29年度から見守りし合わせ支援事業を実施しております。まず、産前産後の期間の支援として、保健師等による新生児全戸訪問をしておりますが、平成29年度は約4割のご家庭が養育者やお子さんの心身の状況や周囲のサポートが得られない、また経済的に不安がある等のご家庭の環境的要因によりまして育児不安や孤立感を抱えておいでになる、こういった状況があり、継続的な支援が必要な状況となっております。 見守りし合わせ支援事業でありますが、こうした新生児全戸訪問の実施結果等から養育支援訪問が必要であると判断された家庭を支援員が訪問いたしまして、養育者の話に耳を傾け、寄り添う支援を行うことにより、適切な養育の実施が確保されることを目的とし実施をしている事業でございます。この事業の支援計画や進行管理については、子育て世代包括支援センターの母子保健コーディネーターと子育て支援コーディネーターが行っております。訪問後の支援員の報告を受けまして、必要に応じ子育てに関する遊び場などの情報提供や、専門的な支援が必要な場合には改めて保健師が訪問するなど、継続的な支援につながるよう対応しておるところでございます。 訪問支援を受けられた方からは、子供がまだ小さく外に出られないときに不安な気持ちを聞いてもらい、少し楽になった、相談ができる人や子供と一緒に行かれる広場を教えてもらってよかったなどなどのお声も聞かれるところでありまして、孤立感の軽減とともに子育てについて気軽に相談できる人や場所を知り、訪問終了後も安心して子育てをしていただくための事業となっていると考えております。 支援者の研修が終了してからスタートした事業でありましたことから、平成29年度は2人の方のご利用でございましたが、この事業の課題といたしましては、支援員が養育者宅へ入ることへの抵抗感を感じられる方もいらっしゃることや、見守り支援で傾聴することに加え、家事支援のサポートの必要性なども挙げられるところでございます。今後はこれらの課題についての対応を検討し、子育て中の養育者が利用しやすい事業となりますよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、民間機関との連携はどうかのご質問でございますが、長野県は予期せぬ妊娠から子育て期にわたる切れ目のない支援を目指し、妊娠期から出産後の養育に支援が必要な妊婦や、妊婦健診を受けずに出産に至った産婦を対象とした居住支援、養育支援等の支援強化を図るため、市内事業者に産前産後母子支援事業を委託したとお聞きしております。先ほど申し上げましたように、保健師等による新生児の全戸訪問の結果からも、支援を必要とする家庭が約4割を占めているという現状がありまして、社会から孤立をせずに安心して育児ができる支援が喫緊の課題であると考えております。 市といたしましても、妊娠期から子育て期までの継続的な支援が行えますよう、民間機関との取り組みも視野に入れながら研究をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(小林隆利君) 池上議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(小林隆利君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす13日午前9時半から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 6時33分   延会...